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再会
【37】
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「あまねくんだって、弁護士になったら楽しくなかったかもしれないよ?」
「そうかな? うーん、そうかも。今の仕事けっこう好きだし」
「ね? それに、税理士だって誰にでもなれるものじゃないんだから、私は尊敬するよ」
「ありがとう。まどかさんがそう言ってくれると、なってよかったかもって思える」
「そうだよ。きっと、司法試験受かったって勝率悪い弁護士さんだっているしさ、それなら敏腕税理士の方が格好いいじゃん」
「まどかさん、口悪い」
あまねくんは、クスクスと笑いながらハンドルを切る。外から差し込む街灯の光が、腕時計の風防に反射してキラリと光る。
この車だって、その時計だって成功の証なのに。誰かと比べなくたって、彼は誰よりも魅力的なのに。そのことに気付いていないのは本人だけだ。
「本当だよ。それに、あまねくんが税理士じゃなかったら、私達出会えなかったんだよ?」
「……そっか。そうだね」
彼は、一拍空けてから目を丸くさせてこちらを見る。半開きの口が可愛らしさを増大させる。
「ね。だから、あまねくんは税理士じゃなきゃいけなかったの。だって、あまねくんと出会えないなんて人生損するところだったもん」
「俺も、俺も! そっかぁ……人生損するところだった。だって、まどかさんに出会わなければ、こんなに人を好きになることなんてきっとなかったもん」
「私もだよ。あまねくんは、私の初恋の人なんだからね」
本人には伝えていなかった言葉をさらっと言ってしまった。だって、彼があまりにも子供みたいにはしゃぐから。そんな彼が可愛すぎて。
「初恋? 何で?」
彼は首を傾げてクエスチョンマークを浮かべている。彼と出会った時には、私には彼氏がいて、彼のことが好きだから別れられないのかもしれないなんて相談をした。
彼が不思議に思うのも無理はない。
「臣くんのことも、その前の彼氏も小学生の時に好きだった男の子も、きっと興味はあったけど好きじゃなかったんだと思うんだ。あまねくんみたいに、一緒にいるとドキドキしたり、苦しくなったり、毎日何してるかなぁって考えたり……。それと、あまねくんが優しくしてくれるのは私だけがいいなぁって思ったり、私だけに笑ってくれたらいいのにって思ったり。そういうの、全部あまねくんが初めてなの。だから……」
そこまで言って、彼の異変に気付く。暗い車内でもわかるくらい顔を真っ赤にさせて、下唇をぐっと噛んでいるから。
か……可愛い……。
どうしよう。とてつもなく、可愛い。ぎゅっと抱きしめて頭をわしゃわしゃしてあげたい。
時折見せる子犬のようなあまねくんの姿に、胸がぎゅっと痛み、この上ないときめきを感じる。
「あまねくん?」
「俺、今どうしようもないくらい幸せ。今なら死んでもいい」
「いやいや、死んじゃうのは困るよ。結婚するんでしょ?」
「うん……。まどかさんが奥さんってさ……よくよく考えたら凄いよね。もはや罪だよね」
「いや、よくわからない……」
今度は眉を潜めて顔をしかめている。何が凄くて何が罪なのか。
「だって、毎日まどかさんが俺の家にいるってことだよ? そんな幸せもらって大丈夫かな? 早死にするかな?」
「大丈夫、そんな簡単に死なないから」
そんなことを言ったら、それ程までに、私といることを幸福だと感じてくれている人と生涯一緒にいられる私の方が、早死にしそうではないか。
「そうかな? うーん、そうかも。今の仕事けっこう好きだし」
「ね? それに、税理士だって誰にでもなれるものじゃないんだから、私は尊敬するよ」
「ありがとう。まどかさんがそう言ってくれると、なってよかったかもって思える」
「そうだよ。きっと、司法試験受かったって勝率悪い弁護士さんだっているしさ、それなら敏腕税理士の方が格好いいじゃん」
「まどかさん、口悪い」
あまねくんは、クスクスと笑いながらハンドルを切る。外から差し込む街灯の光が、腕時計の風防に反射してキラリと光る。
この車だって、その時計だって成功の証なのに。誰かと比べなくたって、彼は誰よりも魅力的なのに。そのことに気付いていないのは本人だけだ。
「本当だよ。それに、あまねくんが税理士じゃなかったら、私達出会えなかったんだよ?」
「……そっか。そうだね」
彼は、一拍空けてから目を丸くさせてこちらを見る。半開きの口が可愛らしさを増大させる。
「ね。だから、あまねくんは税理士じゃなきゃいけなかったの。だって、あまねくんと出会えないなんて人生損するところだったもん」
「俺も、俺も! そっかぁ……人生損するところだった。だって、まどかさんに出会わなければ、こんなに人を好きになることなんてきっとなかったもん」
「私もだよ。あまねくんは、私の初恋の人なんだからね」
本人には伝えていなかった言葉をさらっと言ってしまった。だって、彼があまりにも子供みたいにはしゃぐから。そんな彼が可愛すぎて。
「初恋? 何で?」
彼は首を傾げてクエスチョンマークを浮かべている。彼と出会った時には、私には彼氏がいて、彼のことが好きだから別れられないのかもしれないなんて相談をした。
彼が不思議に思うのも無理はない。
「臣くんのことも、その前の彼氏も小学生の時に好きだった男の子も、きっと興味はあったけど好きじゃなかったんだと思うんだ。あまねくんみたいに、一緒にいるとドキドキしたり、苦しくなったり、毎日何してるかなぁって考えたり……。それと、あまねくんが優しくしてくれるのは私だけがいいなぁって思ったり、私だけに笑ってくれたらいいのにって思ったり。そういうの、全部あまねくんが初めてなの。だから……」
そこまで言って、彼の異変に気付く。暗い車内でもわかるくらい顔を真っ赤にさせて、下唇をぐっと噛んでいるから。
か……可愛い……。
どうしよう。とてつもなく、可愛い。ぎゅっと抱きしめて頭をわしゃわしゃしてあげたい。
時折見せる子犬のようなあまねくんの姿に、胸がぎゅっと痛み、この上ないときめきを感じる。
「あまねくん?」
「俺、今どうしようもないくらい幸せ。今なら死んでもいい」
「いやいや、死んじゃうのは困るよ。結婚するんでしょ?」
「うん……。まどかさんが奥さんってさ……よくよく考えたら凄いよね。もはや罪だよね」
「いや、よくわからない……」
今度は眉を潜めて顔をしかめている。何が凄くて何が罪なのか。
「だって、毎日まどかさんが俺の家にいるってことだよ? そんな幸せもらって大丈夫かな? 早死にするかな?」
「大丈夫、そんな簡単に死なないから」
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