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前進
【33】
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「どうせモデル辞める気でいるなら、思いきって雰囲気ガラッと変えてみたらいいんじゃない? 雑誌もギャル雑誌じゃなくて20代後半からの落ち着いた方にしてみるとか」
「そんなの嫌だよ! 化粧薄くなるとか耐えられない!」
「なんでよ……すっぴんブスなの?」
「ねぇ、失礼なんだけど!」
奏ちゃんは立ち上がってきゃんきゃん吠えている。あまねくんも律くんも飾らないであの美形なのだから、奏ちゃんのすっぴんが不細工なはずがないのだけれど、これくらい言ってもバチは当たらないだろう。
「じゃあ、別にいいじゃん」
「……よくない。私は可愛い女の子でいたいの」
「奏ちゃんは、律くんに似てるし、ボーイッシュにしても似合う気がするんだけどなぁ……」
「ボーイッシュなんて嫌だよ!」
「じゃあ、ナチュラル美人」
「やだ……」
「じゃあ、潔く辞めて帰ってくるだね」
そこまで言うと、拒否ばかりの奏ちゃんがようやく何かを考えているようだった。
こうやって周りも仕事のことで悩んでいるのだ。私もどうするか考えていかなきゃいけないなぁ……。
「そんなことより、この後どうするの?」
完全に話を逸らされた。都合が悪くなるとこれだ。でも、私ができる提案はしたし、後は彼女自身がどうするかだ。
「どうしようかね。とりあえずあまねくんの連絡待つかな」
「でも、もう家知られてるんでしょ? お姉さんのふりしてるのに、ずっとこの家にいるわけにいかなくない?」
「そうなんだよね……でも、行くところないし。あまねくんのマンションは、あまねくんが仕事帰りに尾行されたらバレちゃうし、お姉ちゃんのところに転がり込むわけにはいかないし」
ただでさえ妊娠中なのに、あまり負担はかけたくない。
「じゃあ、うちにくれば?」
「うち?」
「実家」
「えぇ!? ……あんなに私が家に行くの嫌がってたのに」
「うるさいなぁ……文句があるなら来なくていいけど」
「いやいや、ありがたいよ。でも、家族皆いるのにそんな迷惑かけられないよ」
「何、迷惑って。あんた、うちの家族とちゃんと家族になるんじゃないの?」
「え……? 結婚、認めてくれるの?」
私が身を乗り出して尋ねれば、彼女は私から視線を外して「別に認めるとかじゃないけど、あっくんがあんたじゃなきゃ嫌だって言うから」とまた可愛い気のない言い方をする。
それでも、彼女なりの照れ隠しなのだと思えば、可愛くも見えるのだった。
お腹が空いたという彼女に、いただいてそのままになっていた洋菓子を差し出した。
「私、モデルなんだけど!」と不満そうにしていたくせに、それらを次々に食していった。
太ると忠告すれば、太らない体質だからと返されてしまう。あの家族を見ていれば、太りにくい家系であることには納得させられる。
そんなことをしているうちに、あまねくんから着信があり、ラインでのやり取りよりも更に詳しく事情を話した。
途中、奏ちゃんとも変わり、一時あまねくんの実家に避難する提案をしてくれた。
とりあえずは、その旨を家族に確認することと、本日はこの家を出て一旦あまねくんの実家に行くことになった。
雅臣の後輩が見張っているかもしれないため、あまねくんは、菅沼さんとお姉ちゃんに協力を頼めないかと彼の考えている作戦を教えてくれた。
姉と母に連絡を入れ、決行できるか折り返しの連絡を待つのだった。
「そんなの嫌だよ! 化粧薄くなるとか耐えられない!」
「なんでよ……すっぴんブスなの?」
「ねぇ、失礼なんだけど!」
奏ちゃんは立ち上がってきゃんきゃん吠えている。あまねくんも律くんも飾らないであの美形なのだから、奏ちゃんのすっぴんが不細工なはずがないのだけれど、これくらい言ってもバチは当たらないだろう。
「じゃあ、別にいいじゃん」
「……よくない。私は可愛い女の子でいたいの」
「奏ちゃんは、律くんに似てるし、ボーイッシュにしても似合う気がするんだけどなぁ……」
「ボーイッシュなんて嫌だよ!」
「じゃあ、ナチュラル美人」
「やだ……」
「じゃあ、潔く辞めて帰ってくるだね」
そこまで言うと、拒否ばかりの奏ちゃんがようやく何かを考えているようだった。
こうやって周りも仕事のことで悩んでいるのだ。私もどうするか考えていかなきゃいけないなぁ……。
「そんなことより、この後どうするの?」
完全に話を逸らされた。都合が悪くなるとこれだ。でも、私ができる提案はしたし、後は彼女自身がどうするかだ。
「どうしようかね。とりあえずあまねくんの連絡待つかな」
「でも、もう家知られてるんでしょ? お姉さんのふりしてるのに、ずっとこの家にいるわけにいかなくない?」
「そうなんだよね……でも、行くところないし。あまねくんのマンションは、あまねくんが仕事帰りに尾行されたらバレちゃうし、お姉ちゃんのところに転がり込むわけにはいかないし」
ただでさえ妊娠中なのに、あまり負担はかけたくない。
「じゃあ、うちにくれば?」
「うち?」
「実家」
「えぇ!? ……あんなに私が家に行くの嫌がってたのに」
「うるさいなぁ……文句があるなら来なくていいけど」
「いやいや、ありがたいよ。でも、家族皆いるのにそんな迷惑かけられないよ」
「何、迷惑って。あんた、うちの家族とちゃんと家族になるんじゃないの?」
「え……? 結婚、認めてくれるの?」
私が身を乗り出して尋ねれば、彼女は私から視線を外して「別に認めるとかじゃないけど、あっくんがあんたじゃなきゃ嫌だって言うから」とまた可愛い気のない言い方をする。
それでも、彼女なりの照れ隠しなのだと思えば、可愛くも見えるのだった。
お腹が空いたという彼女に、いただいてそのままになっていた洋菓子を差し出した。
「私、モデルなんだけど!」と不満そうにしていたくせに、それらを次々に食していった。
太ると忠告すれば、太らない体質だからと返されてしまう。あの家族を見ていれば、太りにくい家系であることには納得させられる。
そんなことをしているうちに、あまねくんから着信があり、ラインでのやり取りよりも更に詳しく事情を話した。
途中、奏ちゃんとも変わり、一時あまねくんの実家に避難する提案をしてくれた。
とりあえずは、その旨を家族に確認することと、本日はこの家を出て一旦あまねくんの実家に行くことになった。
雅臣の後輩が見張っているかもしれないため、あまねくんは、菅沼さんとお姉ちゃんに協力を頼めないかと彼の考えている作戦を教えてくれた。
姉と母に連絡を入れ、決行できるか折り返しの連絡を待つのだった。
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