【完結】美人過ぎる〇〇はワンコ彼氏に溺愛される

雪村こはる

文字の大きさ
206 / 289
前進

【44】

しおりを挟む
 花の水やりを終えると、「まどかちゃん、運動ってする?」とダリアさん。

「運動……ですか? 今では全くしないですね。仕事でけっこう体力を使ってたので……」

 なんて言い訳だけれど。体を動かすこと自体は嫌いではないが、わざわざ運動をするということはしてこなかった。
 実際に仕事から帰ってくれば、何もする気力が起きなかったのも事実だ。

「私ね、いつもこの時間から体を動かすの。まどかちゃんも一緒にどう? 気持ちいいわよ」

 にっこり笑って誘われたら断れない。暫く体を動かしていないし、大丈夫だろうかと不安しかないが、着替えてからダリアさんについて行くと一室がジムのようになっていた。
 色んなマシーンがあって、何に使うのかは不明だ。ただ、ランニングマシーンだけはわかる。

「すごいですね……自宅にこんな……」

「体型は維持したくて、ここも作ってもらったの。やっぱりいつまでも若くいたいし、健康にも気を付けなくちゃね」

 この家の人達は皆努力家のようだ。ダリアさんのスタイルの良さも、美貌も生まれ持ったものだろうが、それを維持するためにはやはり日々の積み重ねが必要なのだろう。

「毎日体を動かしてるんですか?」

「うん。主人や律もたまに走ってるの」

「旦那さん、若いですもんね……」

 きっとうちの父と年齢はそう変わらないが、あまねくんの父親は背も高く、引き締まっているためか、とても若く見える。私の父だって清潔感はある方だと思うが、昭和気質の性格からか、今どきとは言いがたい。

「そう? ありがとう。周も、ここにいた時には、よく運動してたよ」

「そうなんですね。でも、あまねくんは機敏に動けるイメージですもん」

「機敏かなぁ? でも、リレーとかは速かったよ」

「運動会の動画とかないんですか?」

「運動会ね! あるある! 明日は皆お休みだし、皆で見ようか」

「いいんですか!?」

「うん! 赤ちゃんの時のもあるよ」

「うわぁ! 見たいです!」

 急激にテンションが上がる。あまねくんに私が幼い頃のホームビデオが見たいと言われた時には恥ずかしいから嫌だと断ったが、ダリアさんにこんなふうに言われたら見たくないわけがない。

 明日はあまねくんも帰ってくるし、楽しみが1つできた。

 ダリアさんと話をしながら、軽いストレッチから始める。
 
「まどかちゃん、意外と体硬いのね 」

 なんて笑われてしまったが、少しずつ伸ばしていき、ゆっくり時間をかけて体を解していった。

「一気に動かしすぎてもよくないから、ヨガにしない?」

 ダリアさんの提案で、やったことのないヨガに挑戦した。呼吸法から、体の動かし方から学ぶ。見よう見まねでついていく。
 時々、私の腕や背中を押して、補助してくれた。
 こんなにもゆっくりと体を動かしているのに、いつの間にか汗だくだった。ランニングをした時のように息が切れるわけでもないのに、少しずつ体力が奪われていっているような感覚だ。

「はい、じゃあ今日はこれで終わり」

 ダリアさんの掛け声で、本日の運動は終了した。
 2階にあるシャワールームを借りて汗を流せば、スッキリとして気持ちがよかった。
 悪いものが全部出た気がする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…? この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

処理中です...