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前進
【50】
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病院へ着くと、一緒に待合所で待機する。すれ違う看護師や患者がチラチラと奏ちゃんを見ては、通りすぎてからも振り返る。
このスタイルにこの美形だ。シンプルな服装にも関わらずとにかく目立つ。
「すっごい見られてるよ」
耳元で小声で言う。
「知ってる。昔からそうだからもう慣れた」
「あーそう……」
そりゃ、そうか。ホームビデオに映ってた奏ちゃんも可愛かったしな。昔から人目を惹き付ける力はあったのだろう。
「一さーん」
急に名前を呼ばれて、慌てて診察室へ入る。
「こんにちは」
「こんにちは」
「何だかすっかり元気そうですね」
「はい。最近、運動を始めたんです」
「そうでしたか。それはいいことです。適度に汗もかいて、夜も眠れていますか?」
「はい。早寝、早起きが苦痛じゃなくなりました」
「それはよかった。薬ももう少し続けた方がいいと思っていましたが、少し飲む量を減らしてみましょうか」
古河医師は、爽やかな笑顔でそう言った。相変わらず優しい表情をする人だ。
「本当ですか!? 嬉しいです」
「はい。しっかり薬も飲めているようなのでね。生活が充実してるんですね」
「そうですね。今、彼の家に居候させてもらっているんです」
「居候? 同棲ではなくて?」
「あ、実家になんです」
「ああ、なるほど。じゃあ、毎日彼と一緒にいられるからこんなに笑顔が増えたんでしょうか」
「いえ……、それが彼は自分のマンションに住んでいて、私だけ彼の家族と一緒に住んでいるんです」
「はぁ……それは、また……奇妙な話ですね」
そりゃそうだ。彼がいないのに、彼の家族と同居しているなんて、奇妙意外のなにものでもない。
雅臣のことがなければ、こんな奇妙な現象は起こらなかっただろう。
「とても奇妙なんですけど、新鮮で楽しいです。解決するまではお世話になると思うので」
「そうでしたか。環境がコロコロかわって大変かと思いますが、もしまた不安なことがあればすぐに来て下さい」
「わかりました。ありがとうございます」
お礼を言って診察室を出た。奏ちゃんは、待合所のソファに座って待ってくれている。
「おまたせ」
「なんだって?」
「薬減らしてくれるって」
「へぇ。よかったじゃん」
「うん」
そんなやり取りをし、再び名前を呼ばれるのを待っていると「一さん、次の診察のことなんですが」そう言って、医師が直々に顔を出した。
立ち上がると、「あれ、今日は彼氏さんと一緒でしたか」と微笑まれた。
このスタイルにこの美形だ。シンプルな服装にも関わらずとにかく目立つ。
「すっごい見られてるよ」
耳元で小声で言う。
「知ってる。昔からそうだからもう慣れた」
「あーそう……」
そりゃ、そうか。ホームビデオに映ってた奏ちゃんも可愛かったしな。昔から人目を惹き付ける力はあったのだろう。
「一さーん」
急に名前を呼ばれて、慌てて診察室へ入る。
「こんにちは」
「こんにちは」
「何だかすっかり元気そうですね」
「はい。最近、運動を始めたんです」
「そうでしたか。それはいいことです。適度に汗もかいて、夜も眠れていますか?」
「はい。早寝、早起きが苦痛じゃなくなりました」
「それはよかった。薬ももう少し続けた方がいいと思っていましたが、少し飲む量を減らしてみましょうか」
古河医師は、爽やかな笑顔でそう言った。相変わらず優しい表情をする人だ。
「本当ですか!? 嬉しいです」
「はい。しっかり薬も飲めているようなのでね。生活が充実してるんですね」
「そうですね。今、彼の家に居候させてもらっているんです」
「居候? 同棲ではなくて?」
「あ、実家になんです」
「ああ、なるほど。じゃあ、毎日彼と一緒にいられるからこんなに笑顔が増えたんでしょうか」
「いえ……、それが彼は自分のマンションに住んでいて、私だけ彼の家族と一緒に住んでいるんです」
「はぁ……それは、また……奇妙な話ですね」
そりゃそうだ。彼がいないのに、彼の家族と同居しているなんて、奇妙意外のなにものでもない。
雅臣のことがなければ、こんな奇妙な現象は起こらなかっただろう。
「とても奇妙なんですけど、新鮮で楽しいです。解決するまではお世話になると思うので」
「そうでしたか。環境がコロコロかわって大変かと思いますが、もしまた不安なことがあればすぐに来て下さい」
「わかりました。ありがとうございます」
お礼を言って診察室を出た。奏ちゃんは、待合所のソファに座って待ってくれている。
「おまたせ」
「なんだって?」
「薬減らしてくれるって」
「へぇ。よかったじゃん」
「うん」
そんなやり取りをし、再び名前を呼ばれるのを待っていると「一さん、次の診察のことなんですが」そう言って、医師が直々に顔を出した。
立ち上がると、「あれ、今日は彼氏さんと一緒でしたか」と微笑まれた。
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