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婚姻届
【48】
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シャワーを浴びて、あまねくんのベッドの中で2人きり。何度も来ている筈なのに、暫くここに一緒に住むことを考えると緊張する。
「ね、ねぇ……初夜って普通結婚式の後じゃないの?」
「んー? うーん、確かに。でも、まどかさんが俺の奥さんになったのは今日だよ?」
「そうだけど……」
「まあ、どうせ今日も結婚式の後もこうやって一緒に過ごすんだから2回あってもいいよね」
それじゃ、初じゃない気もする……。そんなことを考えている内に、唇を奪われて彼の舌に捕らわれる。
ああ、もう何かを考えている場合じゃないや……。
「ね、まどかさん。俺がこの日をどんなに待ってたかわかる? 全身で受け止めてね」
言葉を理解する間もなく、体を彼の指が這っていく。優しく、丁寧に、とても大切にされていることが伝わってくるかのように。
焦らされて、昂らされて、翻弄されていく。空気にのまれそうになりながら、あまねくんの手によって何度も絶頂を迎えた。
こんなに濃厚でたっぷりとした時間を過ごしたのは久しぶりだった気がする。
先月は、あまねくんがほとんど仕事を休んでいたため、一緒にいる時間は多かったが、比較的フレッシュなデートが多かった。
あの時はまだ恋人同士だった私達が、夫婦となった初めての夜。
やっぱり、初夜って今日なのかもなんて思いながら、本日何度目かわからない絶頂を迎えた。
「あまね、くっ……も、無理……」
「はっ……もう、疲れちゃった?」
「ん……足が……」
「ガクガクしてるね。そんなに気持ちよかったの?」
「よかった……けど、も……立てない……」
「腰が抜けちゃったってこと? ふふ、可愛いね。朝はゆっくりしてていいよ」
上から覆い被さる彼は、私の額に優しいキスをくれる。
「でもね、朝いってらっしゃいしたいよ」
「かーわい。もう1回しちゃおうかな」
鼻先を首筋に埋めてくるあまねくんに「だ、だめっ! もうだめだよ!」と両肩を押して制止する。
「だめ?」
「だめ……」
「じゃあ、また明日?」
「うん……」
「はーい」
笑いながら素直にごろんと私の隣に仰向けに寝転がる。
随分素直だなぁと思っていたら「これからは毎日まどかさんのこと抱けるもんね」とまぶしい笑顔を見せた。
「ま、毎日……」
毎日かぁ……。大丈夫かな、私……。
「毎日大事にするから大丈夫。でも、今日はいい日だなぁ……生理だったらこんなに愛し合えなかったもんね」
「そうだね」
ふふっと一緒に笑ってはたと思う。あれ? そういえば、最後に生理きたのっていつだっけ?
「まどかさん……? どうかした?」
「いや……。私、生理きてないかも」
「え? 今月?」
「ううん、先月も覚えがない……」
いつも、生理が始まった日をアプリカレンダーに入力している。しかし、次の予定日を入力しているわけではないため、自分で計算していかなければわからない。
仕事をしていた時は、勤務を確認しながら生理周期を計算してそろそろくるなぁなんて準備していたが、退職してからはその習慣もなくなってしまっていた。
ということは、あの辺りから生理がきていないということだろうか。
「ねぇ、それって……」
「そうなのかな?」
「そうなの?」
「かも……」
「まだ薬局って開いてるよね?」
あまねくんは、上半身を起こしてこちらを見る。
「え? 今から?」
「そうならそうで、大事なことだよ?」
「そうだけど……」
「俺のまどかさんが独り占めできなくなってしまうかもしれない……」
え!? そこ!?
あまねくんの発言に多少の驚きはあるものの、彼は「まどかさんちょっと待ってて。俺、買いに行ってくるから」と言って着替え始めた。
「え? え? 買いに行ってくるって……あまねくん1人で行くつもり?」
「だって、夜だし体冷えるよ? しかも俺、散々まどかさんと……ねぇ?」
言いたいことはよくわかります。でも、男性であるあまねくんが1人で購入しに行くなんて、勇気のいることじゃ……。
私だって1度も購入したことのないものだ。それなのに、気にする素振りもない彼。
「まどかさん、念のためちゃんと服着てて。お腹冷やしたらだめだからね」
独り占めできなくなってしまうかもなんて言いながら、気遣いと優しさは忘れない彼。
やっぱり好きだなぁと、慌てて家を出ていった彼の背中を見送る。
「大丈夫かなぁ……」
1人になった部屋で呟けば、静寂の空間に声が反響した。
「ね、ねぇ……初夜って普通結婚式の後じゃないの?」
「んー? うーん、確かに。でも、まどかさんが俺の奥さんになったのは今日だよ?」
「そうだけど……」
「まあ、どうせ今日も結婚式の後もこうやって一緒に過ごすんだから2回あってもいいよね」
それじゃ、初じゃない気もする……。そんなことを考えている内に、唇を奪われて彼の舌に捕らわれる。
ああ、もう何かを考えている場合じゃないや……。
「ね、まどかさん。俺がこの日をどんなに待ってたかわかる? 全身で受け止めてね」
言葉を理解する間もなく、体を彼の指が這っていく。優しく、丁寧に、とても大切にされていることが伝わってくるかのように。
焦らされて、昂らされて、翻弄されていく。空気にのまれそうになりながら、あまねくんの手によって何度も絶頂を迎えた。
こんなに濃厚でたっぷりとした時間を過ごしたのは久しぶりだった気がする。
先月は、あまねくんがほとんど仕事を休んでいたため、一緒にいる時間は多かったが、比較的フレッシュなデートが多かった。
あの時はまだ恋人同士だった私達が、夫婦となった初めての夜。
やっぱり、初夜って今日なのかもなんて思いながら、本日何度目かわからない絶頂を迎えた。
「あまね、くっ……も、無理……」
「はっ……もう、疲れちゃった?」
「ん……足が……」
「ガクガクしてるね。そんなに気持ちよかったの?」
「よかった……けど、も……立てない……」
「腰が抜けちゃったってこと? ふふ、可愛いね。朝はゆっくりしてていいよ」
上から覆い被さる彼は、私の額に優しいキスをくれる。
「でもね、朝いってらっしゃいしたいよ」
「かーわい。もう1回しちゃおうかな」
鼻先を首筋に埋めてくるあまねくんに「だ、だめっ! もうだめだよ!」と両肩を押して制止する。
「だめ?」
「だめ……」
「じゃあ、また明日?」
「うん……」
「はーい」
笑いながら素直にごろんと私の隣に仰向けに寝転がる。
随分素直だなぁと思っていたら「これからは毎日まどかさんのこと抱けるもんね」とまぶしい笑顔を見せた。
「ま、毎日……」
毎日かぁ……。大丈夫かな、私……。
「毎日大事にするから大丈夫。でも、今日はいい日だなぁ……生理だったらこんなに愛し合えなかったもんね」
「そうだね」
ふふっと一緒に笑ってはたと思う。あれ? そういえば、最後に生理きたのっていつだっけ?
「まどかさん……? どうかした?」
「いや……。私、生理きてないかも」
「え? 今月?」
「ううん、先月も覚えがない……」
いつも、生理が始まった日をアプリカレンダーに入力している。しかし、次の予定日を入力しているわけではないため、自分で計算していかなければわからない。
仕事をしていた時は、勤務を確認しながら生理周期を計算してそろそろくるなぁなんて準備していたが、退職してからはその習慣もなくなってしまっていた。
ということは、あの辺りから生理がきていないということだろうか。
「ねぇ、それって……」
「そうなのかな?」
「そうなの?」
「かも……」
「まだ薬局って開いてるよね?」
あまねくんは、上半身を起こしてこちらを見る。
「え? 今から?」
「そうならそうで、大事なことだよ?」
「そうだけど……」
「俺のまどかさんが独り占めできなくなってしまうかもしれない……」
え!? そこ!?
あまねくんの発言に多少の驚きはあるものの、彼は「まどかさんちょっと待ってて。俺、買いに行ってくるから」と言って着替え始めた。
「え? え? 買いに行ってくるって……あまねくん1人で行くつもり?」
「だって、夜だし体冷えるよ? しかも俺、散々まどかさんと……ねぇ?」
言いたいことはよくわかります。でも、男性であるあまねくんが1人で購入しに行くなんて、勇気のいることじゃ……。
私だって1度も購入したことのないものだ。それなのに、気にする素振りもない彼。
「まどかさん、念のためちゃんと服着てて。お腹冷やしたらだめだからね」
独り占めできなくなってしまうかもなんて言いながら、気遣いと優しさは忘れない彼。
やっぱり好きだなぁと、慌てて家を出ていった彼の背中を見送る。
「大丈夫かなぁ……」
1人になった部屋で呟けば、静寂の空間に声が反響した。
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