【完結】美人過ぎる〇〇はワンコ彼氏に溺愛される

雪村こはる

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婚姻届

【65】

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「けどさ……このマンションの場所知ってたってことは、来たことあるんでしょ?」

「ないよ。何度連絡しても日本には暫く帰れないの一点張りだったから、本を郵送してもらうように住所教えたんだよ。それだってもう2年くらい前の話だよ」

「え? それじゃあ……」

「結局本は返してもらえなかったし、多分突然訪ねて来たんだと思うけど」

「突然って……住所変わってるかもしれないのに? 行くよって連絡来なかったの?」

「だって、陽菜ちゃんの連絡先なんてとっくに消してるんだよ? 返してくれる気はなさそうだったし、スマホだって変えてるし。
 もう大学卒業してたから、この写真さえ入ってなければいらないくらいだったから貸しちゃったんだよね……。
 大学時代1番仲良かった友達が陽菜ちゃんのこと気になっててずっと一緒にいたから邪険にもできなくてさ」

「そうだったんだ……」

 そのわりには、敵意のようなものを感じたんだけどな……。あまねくんが結婚してるってわかった時、「あなたと?」って言ったのは、きっとこの本に挟んであった写真と同一人物だったから驚いてたんだ。
 
「だから、まどかさんが不安に思ってることは絶対ないよ。まどかさんが嫌なら、他の女友達の連絡先とかも全部消すし」

「い、いや……そこまでしてくれなくてもいいよ。本当に友達の子もいるだろうし……」

「皆ただの友達だよ! まどかさんみたいにこんなふうにドキドキしたりなんてないし……」

 あまねくんは、眉を下げて必死に訴えかけてくる。
 こんなにカッコよくて、優しくて、素敵なのに、他の女の子に目がいかないなんて……そんなこと……。

「……わかった。信じるよ。でも、今まで付き合ってきた子だっているんでしょ?」

 過去の子に嫉妬するなんてはしたないとは思うけれど、陽菜ちゃんが元カノなんじゃないかと疑ったからか、元カノの存在がチラつく。

「そりゃ、まあ……いたけど……」

「……あまねくんの元カノってどんな子?」

「え?」

「可愛い?」

 過去のことなんて聞いたってしょうがないのに……あまねくんは優しいから、例え元カノが可愛くたってまどかさんの方が可愛いよって言ってくれるに決まってるのに。

「……もう、忘れたよ。本物のまどかさんに出会ったら、過去のことなんて忘れた」

「嘘つき……」

「昔の彼女のことなんて、知らなくていいでしょ?」

「……わかってるけど、嫌なの。あまねくんが、私以外の女の子にもいつもみたいに優しくして、触って、好きだよって言ってたって考えると、嫌なの……」

 こんなこと言うつもりなかったのに。……私、性格悪い。こんなこと言ってあまねくんを困らせて……。

「まどかさん……それってヤキモチ?」

 まともにあまねくんの顔を見れなくて、わざと視線を外していたのに、ちらっと彼の顔を見れば、耳まで真っ赤にさせたあまねくんがいた。

「……だ、だって……」

「そんなふうに言ってくれるの、嬉しい……。ねぇ、ぎゅってしてもいい?」

 いつもならすぐにでも彼の腕の中に閉じ込められるのに、遠慮がちに聞く彼。私がさっき触らないでと言ったからだ。
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