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脅しの存在
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不信感を抱きつつも凪が頷くと、千紘はどこかへ電話をかけ始めた。
「2名で入れる? うん、個室空いてる?」
個室!?
凪は電話の内容にビクリと肩を震わせた。まさか、個室で2人きり……なにかするつもりなんじゃないかと身震いする。
あの時の恐怖が再び頭を過ぎった。
「じゃあ、今から行く」
そう言って電話を切った千紘は、怯えた凪の表情を見てふっと笑った。
「別になにもしないよ。凪、好き嫌いない?」
スマートフォンと一緒に上着のポケットに両手を突っ込んだ千紘が、流し目を向けながら後ろを向いて歩き始めた。
凪は慌てて1歩を踏み出してその後をついていく。
「別にないけど……」
「俺、ピーマン嫌い」
「子供かよ」
「でもね、今から行く店のピーマンは食べられるんだぁ」
本当に子供のように言う千紘。あんな出会い方さえしなければ、嫌なヤツには見えなかった。ただ、一度襲われている凪にとってはどんな態度をとられようとも、嫌なヤツでしかない。
「へぇ……」
さほど興味なさそうに返事をする。そのあとも千紘がほとんど一方的に喋って、素っ気ない返事を凪がする。そんなふうにしながら辿り着いた先は、オシャレなイタリアン居酒屋だった。
「イタリアン……?」
「居酒屋なんだけど、本格的なイタリアン食べられるんだ。俺、仕事帰りに結構行くの。遅くまでやってるから」
千紘はそう言ってから、店長の姿を見つけて小さく手を振った。30代半ばと思える清潔感のある男性だった。
目元は涼しげだが、穏やかな雰囲気がある。すぐに2人の元にやってきて「いらっしゃいませ。お席取ってありますよ」と店の奥を掌で指した。
それから凪に目を移すと、改めて「いらっしゃいませ」と頭を下げた。
凪はつられるように会釈をし、案内されるがままに個室に入る。4人がけのテーブル席が用意されていて、凪はぐるっと辺りを見渡した。
店全体は暖色系のライトで照らされており、個室も同じように少し暗めの照明が2人を包んだ。
居酒屋というよりもバーに近い雰囲気だ。酒もズラリとカウンターに並んでいたし、料理よりも酒がメインだと言われても頷いてしまうほど。
しかし、しっかりと個室が完備されていたり、カウンターの上に掲げた黒板にチョークでズラリと料理名が記載されていたのを見れば、千紘が言った本格的なイタリアンを提供してくれるというのも納得できそうだった。
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個室!?
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あの時の恐怖が再び頭を過ぎった。
「じゃあ、今から行く」
そう言って電話を切った千紘は、怯えた凪の表情を見てふっと笑った。
「別になにもしないよ。凪、好き嫌いない?」
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凪は慌てて1歩を踏み出してその後をついていく。
「別にないけど……」
「俺、ピーマン嫌い」
「子供かよ」
「でもね、今から行く店のピーマンは食べられるんだぁ」
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「へぇ……」
さほど興味なさそうに返事をする。そのあとも千紘がほとんど一方的に喋って、素っ気ない返事を凪がする。そんなふうにしながら辿り着いた先は、オシャレなイタリアン居酒屋だった。
「イタリアン……?」
「居酒屋なんだけど、本格的なイタリアン食べられるんだ。俺、仕事帰りに結構行くの。遅くまでやってるから」
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それから凪に目を移すと、改めて「いらっしゃいませ」と頭を下げた。
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