109 / 324
体だけでも
28
しおりを挟む
「触んないって言って触んじゃん……」
凪は顔を隠したままボソッと呟く。屁理屈ばかりの千紘。このまままた襲われてしまいそうで、凪は少し逃げ出したくなった。
「わかったって、もうしない。キスもしない。だから時間いっぱいまで俺と一緒にいて?」
千紘は体を起こすと、ゴロンと凪の隣に横になった。人1人入れるか入れないかくらいのスペースを開けて、凪の方を見る。
体を丸めるように横向きになった千紘は、凪の様子を窺った。
千紘の気配が遠のいたのを感じると、凪はそっと腕を上げてチラリと千紘の方を見た。
「……そこでじっとしてる?」
「してるよ。もう触んないってば」
ほんとだよ。と言わんばかりに千紘は両手を枕の下に差し込んだ。その上にポンっと頭を乗せた千紘を見て、凪は思わずははっと笑みがこぼれた。
歯を出して顔を綻ばす。目尻にクシャッとシワが寄って、頬骨が上がった。
千紘はそんな凪の意外な顔に驚き、瞼をあげた。こんなにも砕けた笑顔を見ることができるなんて思ってもいなかったのだ。不意打ちされた千紘は、全く反応できずにじっと凪を見つめる。
「それ、なに。何してんの」
おかしそうに凪は体を揺らすと、ころんと千紘の方に寝転んだ。お互い向かい合う形になるが、千紘はまだ目を見開いたままだった。
「触ったら殺すー」
あんなに可愛らしく笑った凪が、次の瞬間にはそんな可愛げのないことを口にして目を閉じた。
「寝るわ」
「寝んの!?」
更に驚いたのは千紘の方。あんなにも警戒していた男の隣で寝るのかと自分の方が信じられなかった。
「一緒にいればいいんだろ」
目を瞑ったまま凪が言った。閉じられた瞼からは綺麗にまつ毛が伸びている。扇のように広がるまつ毛が影を作る。
血色の良い赤い唇がそっと閉じられた。
「うん。……時間来たら、起こすね」
「ん……」
凪はそれだけ言って静かになった。千紘はなんでもないその時間がとても幸せだった。
凪は顔を隠したままボソッと呟く。屁理屈ばかりの千紘。このまままた襲われてしまいそうで、凪は少し逃げ出したくなった。
「わかったって、もうしない。キスもしない。だから時間いっぱいまで俺と一緒にいて?」
千紘は体を起こすと、ゴロンと凪の隣に横になった。人1人入れるか入れないかくらいのスペースを開けて、凪の方を見る。
体を丸めるように横向きになった千紘は、凪の様子を窺った。
千紘の気配が遠のいたのを感じると、凪はそっと腕を上げてチラリと千紘の方を見た。
「……そこでじっとしてる?」
「してるよ。もう触んないってば」
ほんとだよ。と言わんばかりに千紘は両手を枕の下に差し込んだ。その上にポンっと頭を乗せた千紘を見て、凪は思わずははっと笑みがこぼれた。
歯を出して顔を綻ばす。目尻にクシャッとシワが寄って、頬骨が上がった。
千紘はそんな凪の意外な顔に驚き、瞼をあげた。こんなにも砕けた笑顔を見ることができるなんて思ってもいなかったのだ。不意打ちされた千紘は、全く反応できずにじっと凪を見つめる。
「それ、なに。何してんの」
おかしそうに凪は体を揺らすと、ころんと千紘の方に寝転んだ。お互い向かい合う形になるが、千紘はまだ目を見開いたままだった。
「触ったら殺すー」
あんなに可愛らしく笑った凪が、次の瞬間にはそんな可愛げのないことを口にして目を閉じた。
「寝るわ」
「寝んの!?」
更に驚いたのは千紘の方。あんなにも警戒していた男の隣で寝るのかと自分の方が信じられなかった。
「一緒にいればいいんだろ」
目を瞑ったまま凪が言った。閉じられた瞼からは綺麗にまつ毛が伸びている。扇のように広がるまつ毛が影を作る。
血色の良い赤い唇がそっと閉じられた。
「うん。……時間来たら、起こすね」
「ん……」
凪はそれだけ言って静かになった。千紘はなんでもないその時間がとても幸せだった。
1
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる