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気持ちは変わるもの

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 シャワーを浴び終えて戻った千紘は、寝室の明かりを薄暗くして、凪に触れた。
 いつもならしっかりと乾かす髪も、逸る気持ちを抑えきれず湿ったまま切り上げた。

 数十分前まで寝室はとても散らかっていたのに、淡々と片付けをしたから凪を抱けるスペースも確保された。
 凪を招くとわかっていたら、もっとしっかり片付けて、シーツだって洗ったばかりの綺麗なものに変えておいたのにとそれだけが心残りだった。

 それでも千紘の頭の中はもう凪でいっぱいで、ホテルに行くことすら渋っていたはずが凪の方から誘って名前を呼ばれた経緯を思い出せばあとはこの好きという気持ちのまま凪を抱くだけだった。

 凪は仕事で疲れているのか、千紘がシャワーを浴びている間に少しだけ目を閉じていた。完全に眠りに落ちてはいないが、千紘が触れた時少しだけ反応が遅れた。

「眠い?」

「ん……そんなことない。今日はそこまで仕事入れてなかったし」

 いつもはギチギチに仕事入れてるくせに。そう思う千紘は、今日は自分と会う約束をしてたから制限したんじゃないかなんて都合のいいことを考える。
 けれど、それが本当だとしたらこの上なく嬉しくてそんなに幸せなことはないと思えた。

 千紘が優しく凪にキスをする。凪は薄ら目を開けたが、すぐに閉じてそれを受け入れた。とても自然な流れで、千紘は気持ちを満たすようにして何度も凪と唇を重ねた。

 いつもなら照れ隠しに凪からの悪態が飛んでくるのだが、今日はそれもない。今からセックスをするのがごく当然かのように抱き合った。
 凪の腕は千紘の首に回され、距離を縮める。千紘の指と舌が凪の体を滑る度に体は反応する。

 凪が口元を押さえて声を我慢するのはいつものことだが、それも最初の内だけで次第に千紘の動きに合わせて声を上げた。

「まっ、奥無理っ……千紘っ」

 まるで恋人のように名前を呼ばれ、千紘の余裕などなくなった。指を絡め合ってシーツに沈め、体の奥深くまで繋がった。

「ん……凪、好き」

 堪らず千紘がそう言えば凪は複雑そうに目を逸らすが、千紘からの愛撫は全て受け入れた。
 休憩することもなく、お互いに何度も欲を吐き出し、シーツが汚れることも気にせずに行為を続けた。
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