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得るものと失うもの
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「凪は今彼女いないの?」
すぐに去るものかと思いきや、風夏は会話を続けた。凪には特に予定もないし、会話をするのはかまわないがその質問はあまり気持ちのいいものではなかった。
元カノが彼女の有無を聞くのにはどんな意図があるのかと勘ぐってしまう。いたら詮索してくるのか、いなかったら踏み込んでくるのか。
それとも意図などなく、単なる世間話だろうか。
そんなふうに少し考えたが、凪は結局「いないよ」と素直に答えた。
「いないんだ? 凪ってあんまり彼女作らない? 私と付き合う時もいなかった」
「別に。そういうタイミングなだけだろ。風夏は?」
凪はこれ以上踏み込んでこられるのがいやで、質問を返した。特に風夏の恋愛事情に興味があるわけではない。
「私、大学卒業したら結婚するの。同じ大学の子でさ」
風夏は嬉しそうにそう答えた。凪は少し驚いたが、正直安心した。まだ自分に気があったらどうしようかなんて要らぬ心配をしていたのだ。
「へぇ。年下?」
「うん。普通に高卒から上がってきた子だから6個下なんだ」
「おお……現役」
「うん。出会った時18だったもん」
彼女はそう言いながらおかしそうに笑う。年下と付き合うだなんて、不思議なことでもないが大学生と付き合っていると聞けば驚かれるのが一般的だ。
「まあ、当人がよければいいと思う」
「うん。凪ならそういうと思った。昔から歳とか性別とか偏見ないもんね」
「……偏見がないっていうか……あんまり興味ないだけかも」
「そ? ほら、私の親友の麻衣子がレズだって話した時もふーんって驚きもしなかった」
「別に……今の時代普通だろ。周りにもいるし」
凪がそう言うと、無意識に千紘の顔が頭をよぎった。千紘との出会いは最悪だったが、客と美容師として先に出会い、千紘がゲイだったと知ったところできっと驚きはしなかっただろうと思えた。
千紘が凪を好きだということも、男が恋愛対象だということも、なんら問題はない。ただ、与えられた恐怖が全くなくなってしまうことはないというだけだ。
「うん。私、凪のそういうところ好きだった。人を見かけで判断しないところ。ちゃんと中身を見てくれるところとか」
「そんなことない。俺だって見た目で判断することもあるよ」
「そうかなぁ? 凪がよく言う人として好きってやつ、私けっこう好きだったけどね」
凪は風夏にそう言われて、年齢や性別など全く関係なく人間性で好き嫌いを分けていた当時を思い出した。
すぐに去るものかと思いきや、風夏は会話を続けた。凪には特に予定もないし、会話をするのはかまわないがその質問はあまり気持ちのいいものではなかった。
元カノが彼女の有無を聞くのにはどんな意図があるのかと勘ぐってしまう。いたら詮索してくるのか、いなかったら踏み込んでくるのか。
それとも意図などなく、単なる世間話だろうか。
そんなふうに少し考えたが、凪は結局「いないよ」と素直に答えた。
「いないんだ? 凪ってあんまり彼女作らない? 私と付き合う時もいなかった」
「別に。そういうタイミングなだけだろ。風夏は?」
凪はこれ以上踏み込んでこられるのがいやで、質問を返した。特に風夏の恋愛事情に興味があるわけではない。
「私、大学卒業したら結婚するの。同じ大学の子でさ」
風夏は嬉しそうにそう答えた。凪は少し驚いたが、正直安心した。まだ自分に気があったらどうしようかなんて要らぬ心配をしていたのだ。
「へぇ。年下?」
「うん。普通に高卒から上がってきた子だから6個下なんだ」
「おお……現役」
「うん。出会った時18だったもん」
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「まあ、当人がよければいいと思う」
「うん。凪ならそういうと思った。昔から歳とか性別とか偏見ないもんね」
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「うん。私、凪のそういうところ好きだった。人を見かけで判断しないところ。ちゃんと中身を見てくれるところとか」
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