造形美女の険しい恋愛模様

雪村こはる

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恋人自慢

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 手紙の内容はまだ続く。

『最後に会ったレストランでもう1回会って話そう。新しく彼女を作ってもいいかと思ってたけど、瑠衣が誰とも付き合えなくてこのまま結婚もできなかったら可哀想だと思ったんだよ。瑠衣が誠心誠意ちゃんと整形を隠してたことを謝って、まだ俺のことが好きだっていうならやり直してもいいと思ってる』

 息を止めてそこまで一気に読んでしまったが、瑠衣はゾッと背筋が凍るのを感じ、細く長く息を吐き出した。

 ちょっと……なにこれ。まだ私がつばさのことを好きだって思ってるってこと? 一々上から目線なのも納得いかないけど、全部都合よく解釈されてるのも意味がわからない。

 あと2行だけ綴られた文字に目を移す。

『今週の木曜日、休みだろ? レストランを予約しておいたから19時半に待ってる』

 なんで私の休みを知ってんの!?

 瑠衣は、手紙を持つ手に力がこもりグシャッと握った。皺が寄り、文字が歪む。

 各病棟のシフトは、その病棟のスタッフにのみ配布される。しかし、パソコン内には看護主任が作成したシフトのデータが残っている。
 おそらくそれを見て確認したのだろうと思えた。

 最悪……。シフトも把握されてるなんて……。しかも、私が来る前提なのもありえない。何で彼氏がいるって言ってるのに、よりを戻せると思ってるのよ!

 瑠衣はぐっと顔を歪め、怒りで更に手紙を握り潰した。断りを入れたくても、連絡は取りたくないし、直接会いにも行きたくない。
 つばさのいる病棟のスタッフに伝言を頼むのも面倒だし、このまま行かなければ諦めるのでは……? と考えるが、ふと待ち合わせ場所が珀のレストランだと気付いて頭を抱えた。

 瑠衣は仕事に戻ったが、この事を珀に伝えなければと気が気じゃなかった。いつもならあっという間に昼休憩に入って、時間が足りないと嘆いているはずが、今回はとても長く感じた。
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