婚約者は元アイドル〜まったり過ごすつもりが波瀾万丈⁈〜

こと葉揺

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 翌日、貸し切った室内プールに来ていた。ここも水着の貸し出しがあるので利用することにしたのだが、背中や太ももが隠れるデザインのものは、長ぞでとスパッツタイプのセパレート競泳水着しかなかったのでそれを選んだ。しかしこれもピッタリしてるので身体のラインが出てちょっと恥ずかしかった。

「いや、でも跡見えるよりいいよね…」

 背中にはモモトセがつけたキスマークだらけだったので隠す必要があった。
 とにもかくにも室内プールの脱衣所で着替えを済ませて、中へ入っていった。室内で遮光性もあるプールだったのでモモトセは水着のみで全てさらけ出していた。

「なんか新鮮なモモトセだ」

「ん?何が?」

「いや、裸って何回か見たけど水着って謎に公式で見てもいい感あるよね」

「何その理論…ツヅリの考えることっていつも面白いなぁ。ほらほら俺の体たくさん見てもええんやで」

 少し遠くで話していたがニコニコした顔でモモトセが近づいてきてピタッと止まったと思ったら私のことをジロジロと見始めた。

「……いやぁ、良い。ツヅリの水着のチョイスが逆にエロい」

 私はあまりにも恥ずかしくて顔を真っ赤にしてモモトセのことをポコポコ叩いてしまった。

「かわいいの着ようかと思ったけど、昨日のアレがあるから…」

 私が恥ずかしがっているとモモトセはニコニコと笑顔を絶やさなかった。昨日からずっとご機嫌だ。

「また来よう?その時はまた違う好きな水着着て一緒に遊んだらええやん」

 それからはウォータースライダーに乗ったり私を浮き輪に乗せてモモトセが運んでくれたり、プールサイドで休憩したりして遊んだ。

「ねぇモモトセ。あそこまで競争しない?」

「ええなぁ、負けへんで」

 モモトセは運動神経がいいのでかなり早いだろう。しかし、私も泳ぎは得意なのだ。ここでちょっといいところを見せてみたいと思い勝負を挑んでみた。
 しかし勝負は圧倒的な敗北だった。

「くそー!くやしい絶対勝つつもりだったのに」

「さすがに負けられへんなぁ~」

 プールから上がりプールサイドに座って足だけプールにつけていた。モモトセも隣に座ってきた。

「モモトセってすごい運動神経がいいよね。しかもVRPGの戦いっぷりも強かったし何が訓練したの?」

「あー、アイドルとか芸能レッスンにアクションってのがあってそれをよくやってたからかなぁ…。むしゃくしゃした時体動かすとスッキリしてたから、それに鍛えておかないと、ダンサーの動きについていけれへんかったしな」

 モモトセはぐっと背筋を伸ばした。やはり肉体が美しいと思う。マッチョではないが、細くもなく引き締まっていて美しい。

「何?ジロジロみられると照れるんやけど、えっち」

「プールに来た時は見てって言ってたじゃない。そんな事言う人は触っちゃおーっと」

 すかさずモモトセの脇などをくすぐった。モモトセはやめてと体を捩って避けていたがかまわずくすぐっているとわたしがモモトセを押し倒すような体勢になっていた。

「…ツヅリ、かわいい」

 気がつくと顔をグッと引き寄せられてキスされていた。昨日の一件からモモトセの中でもキスはオッケーになったらしかった。腰に手を置かれてぐっとモモトセの方に引き寄せられた。

「ちゅっ…はぁ、かわいいかわいい」

 モモトセはキスに夢中になっていた。また舌を入れたいのか唇で私の口をふわりと開きその隙を見てまた私の中へ入ってきた。私はその舌が這い回ることに気がとられていたが、モモトセの手が水着の隙間をぬって肌に直接触れていた。腰の辺りを優しく撫でる手つきが体を一段と敏感にさせた。

「なぁ、俺17歳になったやん」

 私の口にキスをしていたが、あきたのか次は首元や耳元をキスしながら話しかけてきた。

「それに、俺ら真剣にお付き合いしてるやん?」

 モモトセの手が私の胸の下あたりの肋骨を撫でていた。

「どこまでしてもいい?なんか自分で距離おいたけど、それに何の意味があるんやろうって昨日思ってしもたんよ。やって俺らは想いが通じ合ってる。そしたら当然触りたいやん?とりあえず、18歳になるまでは最後までせんからツヅリが気持ちいいことだけしてみてもええ?」 

「最後までしない?」

 確かモモトセは精通しておらず“興奮状態“にはならないはずだ。なのに最後までしないとはまるで最後まで出来るってことを意味してる気がした。
 モモトセの目を見ると完全に興奮している顔をしていた。今まではこんな状態でもモモトセに私の処女を奪う資格がないと思っていたので安心していたが、まさかと思い彼の腰の方へ視線を下げると


「?‼︎?⁈⁈」

 そこにはとても興奮しておっきくなっているものが水着越しにうかがえた。

「モモトセッ、ここ、勃たないんじゃ」

「あれ…言ってなかったっけ?俺ツヅリで目覚めてしまったんよ♡責任とって欲しいな♡」

 モモトセは今更何を言っているのだと言わんばかりにニコニコしていて私の顔に犬のようにスリスリと擦り寄ってきた。
 とても嬉しい事だが、拍子抜けしてしまった。あんなに深刻に捉えていたのに簡単に解決してしまった。まぁ、私も今日日まで忘れていたので何も言えないが。
 しかしこれは気軽にイチャつくのは良くないのではと思ってきた。

「あの、私の気持ちいい事だけって言ったけどモモトセはしたくならないの?」

「そりゃあしたいけど、ツヅリは昨日のキスマークだけでいっぱいいっぱいそうやし無理矢理進めたって俺が嬉しいだけやん?2人が心の底から繋がりたいって時にやりたいな、俺は」

「モモトセ…」

 そんなのもうとっくにモモトセと繋がりたいと思っていると言おうとしたとき、プールの使用時間の終わりを知らせるアナウンスが鳴った。

「あらま、楽しいデートは一旦おしまいやね。ほんならシャワーして着替えに行こう」

 私は不完全燃焼な気持ちを抱えたまま帰り支度に向かうのだった。

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