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しおりを挟む「ありがとう、モモトセ君。さぁ悪いようにしないからこちらにおいで」
ツムギさんはモモトセに手を伸ばしていた。ツムギさんの顔はもうマッドサイエンティストと呼ばれてもおかしくないくらいだった。
するとカタリさんが刃物を持ってモモトセに襲いかかった。
「ころすころすころすころす…。結局ナナミが1番大切なんだ」
「カタリ!辞めないか!危ないだろ」
ツムギさんの言葉を全く聞かずに刃物でモモトセを切りつけようと必死だった。私は何とか止めたかったがあまりにもモモトセの立ち回りがうますぎて擦りもしなさそうだった。
容赦なくカタリさんが刃物を持っている手に手刀をきめ刃物を落としたのを思いっきり蹴って手が届かないようにした。そのあとカタリさんを抑え込んで全身を縄で結んでいた。
「やめてよ…酷い。女の子にこんなのするなんて」
「誰が女の子じゃボケ。長生きしとるくせにぶりっ子するな。キショいねん」
「怖いよ。グスッ…ナナミはアタシに優しかった!女性扱いしてくれた」
「ナナミさんと俺は違うって言ってるやろ。頭悪いんか」
モモトセは容赦なかった。近くの木にカタリさんをガチガチに縛り付けるとツムギさんと対峙した。
「カタリさんによると俺全くナナミさんに似てないそうですけど、それでも連れて行きます?」
「ん?見ためと遺伝子情報が概ね同じなら“ナナミ“じゃないか。さっきも言ったけど、ナナミの記憶を入れるから問題ないよ。さぁ2人ともボクの言うことを聞くんだ」
ツムギさんは“オーダー“を使って私たちを従わせようとしてきたが、事前の対策でコンタクトをしていたので効かなかった。
「さすがに対策はしてきているね。困ったなぁ…ボク武闘派じゃないしモモトセ君に絶対勝てないなぁ…」
そういうとツムギさんは私を囮に使うことにしたみたいだった。気づくと私はツムギさんに捕まり頭に銃を突きつけられていた。
「ツヅリ!」
「ははは、流石に動きが止まったなぁ。どうする?言うことを聞くと約束するなら絶対にころさない」
初めて命の危機に立たされて足が震えた。しかも銃口を突きつけてきているのは実の父親だ。目的のためにどうしてここまで残酷になれるのか理解ができなかった。
頭では逃げないと、とかモモトセだけでも逃げてほしいという考えが巡るが恐怖が相まって動けなかった。それが悔しくて腹が立った。
「…何でそこまでしてナナミさんにこだわるん?俺はさておき、ツヅリは自分の子どもやんか。何でそんなことができるんや!親やろアンタは」
「ボクが知らない間にした性行為で出来た子だからね。しかも育児もしてないし。普通の親よりは思い入れも無いかもしれないね」
父の言葉がただただショックだった。親は無条件で子供を愛しているものだという幻想を抱いていた。
するとツムギさんに向かってナイフが飛んでいた。チリッとした痛みを感じた。避ける時に手をかすったようだった。が、傷が瞬間的に治っていた。
もしかしてわたしにも……
「ツヅリを離せ」
どうやらナイフを投げたのはアースィムだった。目が本気で人を殺そうとしていた。
「あかん、アースィム君。こいつはもう言葉が通じへん。何とかして引き剥がすか…俺が…」
「撃つなら撃ってください」
「ツヅリ!!」
「貴方は私に危害を加えようとしている。でもここから逃れるのは難しい。なら撃ってください」
モモトセが私の言葉を聞いて私を何とかしてツムギさんから引き離そうとしたが…遅かった。
「あかん!!ツヅリ!!!」
バンッーーー
その引き金は容赦なく引かれ、銃弾が私の頭を貫いた。目の前が赤く染まる。悶えるほどの痛みとやけたような感覚があったが、同時に治っている感覚があった。
ツムギさんは私から手を離した。自分の目的が達成されなければいくら実の子どもでも不要なのだ、このひとは。
モモトセは倒れて血塗れの私を抱きしめて私の名前をずっと呼んでいた。ないているようだった。
しかし、私は絶対に死なない確信があった。頭の奥に入った銃弾が押し出されてきた。何をせずとも銃弾は外に出て、元通りになった。
「…素晴らしい。素晴らしい素晴らしい素晴らしい!!流石ボクたちの子どもだ!!」
「都合のいい時だけ子ども言うな!なんでそんな酷いことばかり言えるんや…」
モモトセは私を抱きしめてくれた。親に大切にはされていないがここにモモトセがいる。それだけで何とか持ち堪えていた。
「ツムギさん。昔の話をしてくれた時に父親のような発言をしていたじゃないですか。どうして、どうしてそんなこと言うんですか」
ツムギさんはモモトセとアースィムに諭されてもキョトンとしていた。
「だって遺伝子組み換えは生まれた時からのボクの使命だし。ツヅリはただ人生において生まれたおまけってかんじ」
「あかんわ…こいつに喋らせたら」
モモトセが怒りをあらわにしているとアースィムがツムギさんの首を絞めていた。
「あっ…ははぁ、ぼ…くは、こんなのじゃ……し、な、な…い」
「でも苦しいでしょ。タダでは殺さないよ。ツヅリが傷ついた倍嬲らないと気が済まない」
「まぁまて若いの」
トルストイさんがアースィムを止めに来た。
「お前は…」
「よ、久しぶりツムギ!カタリもいい姿じゃん。そのだらしない体縛り付けられてちょっとは見れるようになったかなぁ~」
「ローズ…アンタ相変わらずピンクね」
「ありがとうございます~カタリは相変わらずビッチで何より~。さてハッカイさん。そこで隙を見て逃げようとしているみたいだけど、それはやめましょうなぁ」
トルストイさんはハッカイさんの上に乗っかりそこでスゥと息を吸った。そしたらハッカイさんはまた力が抜けて体の力が完全に抜けて砂にベッタリとくっついていた。
「よし、これで罪のないツヅリちゃんに危害を加えるおじさんは倒したぞ⭐︎」
子どものような体でハッカイさんの上から飛び降りツムギさん方へ歩いてきた。
「ローズヴィ、もしかしてきみのスチールでボクのオーダーを取る気か」
「きっとそうよ!だからアタシこいつのこと仮死冷凍していたのに!いつ目覚めたのよ」
仮死冷凍とは言葉の通りなのだろうか。予想するに両親と知り合いそうなので500年は生きているということになる。見た目はこんなにも可愛らしい男の子であるのに不思議だった。
「もう自分らは時代遅れなんだよな。これからの新しい時代は若者が担っていくの。そのためにこの狂った思想のお年寄りを新しい命に転生させてあげなきゃ」
そういうと容赦なくツムギさんの能力を奪った。あの息を吸っているのは人の能力を奪っているのだろう。ハッカイさんも何か持っていたのかもしれない。
順番にカタリさんのチャームも奪った。
「さて、じゃあ終わりにしようか」
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