45 / 48
十章 神々の系譜
45話
しおりを挟む
【おもな登場人物】
《ミィラス》
聖ドリード教団で若くして聖典楽師となった、孔雀色の瞳が印象的な青年
《ザイル》
太鼓の聖典楽師
《フルーバ》
笛の聖典楽師
《ミオリア》
踊り子
《パルラ》
聖ドリード教団に所属する踊り子で、快活で強気な女性
《ディアン》
ザルバの町で暮らす浮浪少年
《テル》
旅の剣士で、風雅な印象の風来坊
ミィラスはますますぎゅっと目を閉じた。
何を受け入れよと言うのだろうか。これまで散々な目に遭い、それでも許し、乗り越えてきたはずだ。これ以上何を受け入れれば足りるのだ。何を奪われようと倦まず、足を止めなかった。これ以上どこに進めと言うのか。到底償えぬ罪があり、背けたかった目を引き戻した。これ以上何を見よと言うのか。
『僕自身だ それこそが勇気の 根源だ』
『受け入れて』
『この身が砕けようとも 僕は お前を見捨てない』
君は誰だ?
目を開け、そこにぽつねんと立っているのが己の幼少の姿であることに、ミィラスは気づいた。はっとして後ずさると、自分と同じ孔雀色の瞳が、こちらをじっと見つめている。その視線は痛いほど純粋であり、それそのものが痛みを帯びた存在であると悟った。
ミィラスは思わず声を掛けた。
「……痛いのか?」
『痛い でも平気だ』
「どうして、何がそんなに痛い?」
『ここに 傷がある』
小ミィラスが衣服の襟を開くと、無垢な胸元に大きな棘が刺さっていた。子どもの胸を無残に貫くそれは、長い間食い込んでいたのか、皮膚と癒着してしまっていた。
ミィラスは思わず駆け寄って「どうしてこんなものが」とそっと手を触れた。
すると同時に、自らの胸もずきんと痛む。どきっとして胸に手をやり、同じものが自分の胸にも埋まっていると知る。
小ミィラスはきちんと服の襟を戻すと『でも 平気だ』と言った。
「そんな、平気なわけがない。こんな棘が子どもに刺さっているなんて」
ミィラスの言葉に、小ミィラスは言葉を返す。
『でも おまえは平気だったんだろう?』
孔雀色の丸い目が、そう問いかけた。
ミィラスは、その目に魅入られたまま、言葉を失った。足許が失われ、どこまでも落ちていく気がした。けれど永遠に落下することはなく、彼は小さい自分と一緒に、自らがかつて落っことした器の底に着地した。
違う。
青年は、幼い自らの身体を抱きしめ、声を絞り出した。
「違う。違う僕は痛かった、我慢しただけ──」
家族に見捨てられたと感じた。
神の教えを学んでも自信は無かった。
不安だから努力した。
認められても、常に疑っていた。
自分には助けられない人々に、無力感を感じた。
正しいと信じることをやってきた。事実それは正しかった。
達成感はあっても、充足感は無かった。
飢えた獣のように、修行を貪った。
しかし神を貪ることはできなかった。
どうあがいても満たされない──欠けた器。
『お前は 本当は 痛かったのか?』
「──痛かった。本当は辛かったのに傷ごと隠してしまった」
ミィラスが目を見開き、愕然としながら、幼い自分の顔に向き直った。
「他ならぬ僕が君にその棘を突き刺したんだ──」
心の痛みを止めるために、もっと強い痛みで覆い隠したのだ。そのことに気づいた今、自らの胸で生じる鈍痛が、一気に鋭さを増した。心臓が鼓動を止めようとしているのか、身体が引き攣って倒れ込む。
ミィラスは血の色をした砂を掴んだ。その一粒一粒が亡者であったのだろう。小さな嘆きの声で囁いている。そして自らの傷口からも、血の代わりに赤い砂が溢れていた。
この場所に辿り着くまでに、いくつもの苦難を乗り越えてきた。悪意で傷つけてくる者もいれば、手を差し伸べる者もいた。理不尽もあれば幸運もあった。考えれば不思議である。かような運命を辿るのはミィラス以外でも良かったのに、他ならぬ彼がその道を辿ったのだ。
この今にも尽きようとする鼓動、砂となっていく血潮、痛みに呻く身体を作ったのは、己の生い立ちだ。器の底を欠き、満たされようとあがいた末に、今ここでかつての棘に貫かれる精神を育んだのは、己の生き様だ。
ここで足を止め、朽ちていくのだろうか。
ミィラスは身体から流れていく砂が地面に落ちていくのを見つめ、手で己と亡者の砂をかき混ぜた。冥府であれ、今自分が生きている世界だ。ここで永久の死に閉ざされた者たちがいる。その悲しみや怒りに、自身の砂が混ざっていく。
この血潮などすべてくれてやる。だが諦めはしない。全て救ってみせる。その為なら器など砕けてしまえ。
小ミィラスが小さな手を伸ばし、彼の胸に触れる。
『いたいの いたいの とんでいけ どこまでも 僕たちが行くところまで』
そのまじないでは痛みは引かなかったが、不思議と励まされた。ミィラスはどこにでも行ける自分の身体を見下ろす。
この痛みこそが、自分をどこにでも、望む場所へ連れて行ってくれるのならば。
ミィラスは立ち上がり、小さな自分を抱き上げて言った。
「僕と一緒に来てくれ」
『一緒に行って なにをしたい?』
幼い自分の問いに、ミィラスは答える。
『──僕が僕として、そうありたいと望むことを』
すると小ミィラスは、彼の腕に柔らかく抱かれたまま告げる。
『じゃあ 受け入れて たったそれだけ 君は全てを手放して そして全てを手に入れる』
小ミィラスが消えた場所、ミィラスは法衣の襟を開き、その下の衣の襟もはだけさせた。
そこに突き刺さるは一本の棘。
ミィラスはそれに掌を当てると、ぐっと自らの中に押しこんだ。
心臓が破れるのではないかと思った。だがその痛みは、かつて自分が感じたはずのものだ。いまこの痛みを受け入れる勇気こそ、全てを変える勇気だ。
ミィラスは孔雀色の瞳を、輝かしい業を宿した魂を、行き先へ向けた。
先人たちのもとから離れ、彼は駆け出していく。
赤い砂を蹴り、冥府の主のもとへ。
* * *
「我らも最後まで役目を果たそうじゃないか。若い後輩に負けてはおれんぞ」
ザイルがぐるぐると腕を回した。
ミオリアがくすくすと笑う。
「さてはそなた、ミィラスに対してちょっと気の毒だったかなぁとか、思っておろう」
「むっ」
「あの者は、我らが成し遂げられなんだことを、成し遂げにいったのじゃ。同情こそ、あの若者に失礼であろう」
「しかしなぁ、ほら、まだ若いし、きっとヤンチャ盛りだったろうに」
「そなたと一緒にするでないわ。彼のほうが遥かに聡いことじゃ。それに──」
ミオリアは青年の後ろ姿を見る。
「──よほど、欲も愛も深きことよ」
そこへフルーバがため息をつきながら、遠くの地平を指さした。
「そなたら、くっちゃべっとらんで、あれはどうするのだ」
示された先を、目をすがめて見たミオリアは言う。
「ザイルの太鼓ならば、あそこまで聞こえるのではないかのぅ。ほれ、さっさと叩け」
「分かった分かった」
ザイルは逞しい腕を振り上げ、先ほどの演奏とは打って変わって、雷のような爆音を轟かせた。
* * *
「きゃっ! 何の音? 雷でも落ちたの?」
身を竦ませたパルラに、頭を巡らせながらテルが言う。
「うーん、あっちの方角からだな。雷にしてはやけに小気味よく音を刻んでいる気がするけど──」
彼は音の方向にじっと目を凝らした。
「あっ、誰かいる」
「えっ、うそ。私には何も見えないわ」
「テルの兄貴、目が良いんだな!」
赤い大地に墜落した三人は、ひとまず冥府へ飛び込むことに成功したことを理解した。だが喜ぶ間もなく、そこにはミィラスの姿はなく、この陰鬱で果てしない世界で、どうやって彼を探せばいいのか検討もつかなかった。
だがそこへ、合図のように大きな音がしたのだ。まるで彼らに気づけと言っているかのように。
「流石に遠いな。しかも向こうには赤い山みたいなのが伸びているし、そろそろこの世も終わりかもしれないな」
テルが「ははは」と笑う。その声には皮肉や諦めといった乾いた響きはなく、ただ目の前の珍しい景色を面白がっているだけのようだ。
パルラはバシバシとテルの腕を叩いた。
「もう! 何しに来たの!」
「そうだった」
テルは頷いた。悲観もせず、苛々した様子もない。今からでもなんとかなると思っているのだろうか。
「あそこに彼がいることに賭けよう。とある人からの預かり物なのだけれど、ここからだと直接渡しに行くのは時間が掛かりそうだな……」
そう言うと彼は肩をぐるぐると回し、その場で駆け足をしたり屈伸運動をしたりし始めた。
「……何をしているの?」
パルラが胡乱な目で見ていると、テルはさっくりと運動を終え、おもむろに懐からある物を引っ張り出す。それを見たパルラはあんぐりと口を開けた。
「それって──!」
テルは軽く助走をつけると、腕を振り上げ、手に持った物体を勢いよく暗黒の空に投げ放つ。
黄金色の何かが、流星のように軌跡を描いて飛んでいった。
《ミィラス》
聖ドリード教団で若くして聖典楽師となった、孔雀色の瞳が印象的な青年
《ザイル》
太鼓の聖典楽師
《フルーバ》
笛の聖典楽師
《ミオリア》
踊り子
《パルラ》
聖ドリード教団に所属する踊り子で、快活で強気な女性
《ディアン》
ザルバの町で暮らす浮浪少年
《テル》
旅の剣士で、風雅な印象の風来坊
ミィラスはますますぎゅっと目を閉じた。
何を受け入れよと言うのだろうか。これまで散々な目に遭い、それでも許し、乗り越えてきたはずだ。これ以上何を受け入れれば足りるのだ。何を奪われようと倦まず、足を止めなかった。これ以上どこに進めと言うのか。到底償えぬ罪があり、背けたかった目を引き戻した。これ以上何を見よと言うのか。
『僕自身だ それこそが勇気の 根源だ』
『受け入れて』
『この身が砕けようとも 僕は お前を見捨てない』
君は誰だ?
目を開け、そこにぽつねんと立っているのが己の幼少の姿であることに、ミィラスは気づいた。はっとして後ずさると、自分と同じ孔雀色の瞳が、こちらをじっと見つめている。その視線は痛いほど純粋であり、それそのものが痛みを帯びた存在であると悟った。
ミィラスは思わず声を掛けた。
「……痛いのか?」
『痛い でも平気だ』
「どうして、何がそんなに痛い?」
『ここに 傷がある』
小ミィラスが衣服の襟を開くと、無垢な胸元に大きな棘が刺さっていた。子どもの胸を無残に貫くそれは、長い間食い込んでいたのか、皮膚と癒着してしまっていた。
ミィラスは思わず駆け寄って「どうしてこんなものが」とそっと手を触れた。
すると同時に、自らの胸もずきんと痛む。どきっとして胸に手をやり、同じものが自分の胸にも埋まっていると知る。
小ミィラスはきちんと服の襟を戻すと『でも 平気だ』と言った。
「そんな、平気なわけがない。こんな棘が子どもに刺さっているなんて」
ミィラスの言葉に、小ミィラスは言葉を返す。
『でも おまえは平気だったんだろう?』
孔雀色の丸い目が、そう問いかけた。
ミィラスは、その目に魅入られたまま、言葉を失った。足許が失われ、どこまでも落ちていく気がした。けれど永遠に落下することはなく、彼は小さい自分と一緒に、自らがかつて落っことした器の底に着地した。
違う。
青年は、幼い自らの身体を抱きしめ、声を絞り出した。
「違う。違う僕は痛かった、我慢しただけ──」
家族に見捨てられたと感じた。
神の教えを学んでも自信は無かった。
不安だから努力した。
認められても、常に疑っていた。
自分には助けられない人々に、無力感を感じた。
正しいと信じることをやってきた。事実それは正しかった。
達成感はあっても、充足感は無かった。
飢えた獣のように、修行を貪った。
しかし神を貪ることはできなかった。
どうあがいても満たされない──欠けた器。
『お前は 本当は 痛かったのか?』
「──痛かった。本当は辛かったのに傷ごと隠してしまった」
ミィラスが目を見開き、愕然としながら、幼い自分の顔に向き直った。
「他ならぬ僕が君にその棘を突き刺したんだ──」
心の痛みを止めるために、もっと強い痛みで覆い隠したのだ。そのことに気づいた今、自らの胸で生じる鈍痛が、一気に鋭さを増した。心臓が鼓動を止めようとしているのか、身体が引き攣って倒れ込む。
ミィラスは血の色をした砂を掴んだ。その一粒一粒が亡者であったのだろう。小さな嘆きの声で囁いている。そして自らの傷口からも、血の代わりに赤い砂が溢れていた。
この場所に辿り着くまでに、いくつもの苦難を乗り越えてきた。悪意で傷つけてくる者もいれば、手を差し伸べる者もいた。理不尽もあれば幸運もあった。考えれば不思議である。かような運命を辿るのはミィラス以外でも良かったのに、他ならぬ彼がその道を辿ったのだ。
この今にも尽きようとする鼓動、砂となっていく血潮、痛みに呻く身体を作ったのは、己の生い立ちだ。器の底を欠き、満たされようとあがいた末に、今ここでかつての棘に貫かれる精神を育んだのは、己の生き様だ。
ここで足を止め、朽ちていくのだろうか。
ミィラスは身体から流れていく砂が地面に落ちていくのを見つめ、手で己と亡者の砂をかき混ぜた。冥府であれ、今自分が生きている世界だ。ここで永久の死に閉ざされた者たちがいる。その悲しみや怒りに、自身の砂が混ざっていく。
この血潮などすべてくれてやる。だが諦めはしない。全て救ってみせる。その為なら器など砕けてしまえ。
小ミィラスが小さな手を伸ばし、彼の胸に触れる。
『いたいの いたいの とんでいけ どこまでも 僕たちが行くところまで』
そのまじないでは痛みは引かなかったが、不思議と励まされた。ミィラスはどこにでも行ける自分の身体を見下ろす。
この痛みこそが、自分をどこにでも、望む場所へ連れて行ってくれるのならば。
ミィラスは立ち上がり、小さな自分を抱き上げて言った。
「僕と一緒に来てくれ」
『一緒に行って なにをしたい?』
幼い自分の問いに、ミィラスは答える。
『──僕が僕として、そうありたいと望むことを』
すると小ミィラスは、彼の腕に柔らかく抱かれたまま告げる。
『じゃあ 受け入れて たったそれだけ 君は全てを手放して そして全てを手に入れる』
小ミィラスが消えた場所、ミィラスは法衣の襟を開き、その下の衣の襟もはだけさせた。
そこに突き刺さるは一本の棘。
ミィラスはそれに掌を当てると、ぐっと自らの中に押しこんだ。
心臓が破れるのではないかと思った。だがその痛みは、かつて自分が感じたはずのものだ。いまこの痛みを受け入れる勇気こそ、全てを変える勇気だ。
ミィラスは孔雀色の瞳を、輝かしい業を宿した魂を、行き先へ向けた。
先人たちのもとから離れ、彼は駆け出していく。
赤い砂を蹴り、冥府の主のもとへ。
* * *
「我らも最後まで役目を果たそうじゃないか。若い後輩に負けてはおれんぞ」
ザイルがぐるぐると腕を回した。
ミオリアがくすくすと笑う。
「さてはそなた、ミィラスに対してちょっと気の毒だったかなぁとか、思っておろう」
「むっ」
「あの者は、我らが成し遂げられなんだことを、成し遂げにいったのじゃ。同情こそ、あの若者に失礼であろう」
「しかしなぁ、ほら、まだ若いし、きっとヤンチャ盛りだったろうに」
「そなたと一緒にするでないわ。彼のほうが遥かに聡いことじゃ。それに──」
ミオリアは青年の後ろ姿を見る。
「──よほど、欲も愛も深きことよ」
そこへフルーバがため息をつきながら、遠くの地平を指さした。
「そなたら、くっちゃべっとらんで、あれはどうするのだ」
示された先を、目をすがめて見たミオリアは言う。
「ザイルの太鼓ならば、あそこまで聞こえるのではないかのぅ。ほれ、さっさと叩け」
「分かった分かった」
ザイルは逞しい腕を振り上げ、先ほどの演奏とは打って変わって、雷のような爆音を轟かせた。
* * *
「きゃっ! 何の音? 雷でも落ちたの?」
身を竦ませたパルラに、頭を巡らせながらテルが言う。
「うーん、あっちの方角からだな。雷にしてはやけに小気味よく音を刻んでいる気がするけど──」
彼は音の方向にじっと目を凝らした。
「あっ、誰かいる」
「えっ、うそ。私には何も見えないわ」
「テルの兄貴、目が良いんだな!」
赤い大地に墜落した三人は、ひとまず冥府へ飛び込むことに成功したことを理解した。だが喜ぶ間もなく、そこにはミィラスの姿はなく、この陰鬱で果てしない世界で、どうやって彼を探せばいいのか検討もつかなかった。
だがそこへ、合図のように大きな音がしたのだ。まるで彼らに気づけと言っているかのように。
「流石に遠いな。しかも向こうには赤い山みたいなのが伸びているし、そろそろこの世も終わりかもしれないな」
テルが「ははは」と笑う。その声には皮肉や諦めといった乾いた響きはなく、ただ目の前の珍しい景色を面白がっているだけのようだ。
パルラはバシバシとテルの腕を叩いた。
「もう! 何しに来たの!」
「そうだった」
テルは頷いた。悲観もせず、苛々した様子もない。今からでもなんとかなると思っているのだろうか。
「あそこに彼がいることに賭けよう。とある人からの預かり物なのだけれど、ここからだと直接渡しに行くのは時間が掛かりそうだな……」
そう言うと彼は肩をぐるぐると回し、その場で駆け足をしたり屈伸運動をしたりし始めた。
「……何をしているの?」
パルラが胡乱な目で見ていると、テルはさっくりと運動を終え、おもむろに懐からある物を引っ張り出す。それを見たパルラはあんぐりと口を開けた。
「それって──!」
テルは軽く助走をつけると、腕を振り上げ、手に持った物体を勢いよく暗黒の空に投げ放つ。
黄金色の何かが、流星のように軌跡を描いて飛んでいった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる