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第一章
翔子とお兄さん
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神社までの道中、越してきたばかりの翔子にスーパーの特売日や、スーパーよりも商店街にある個人経営の店で買った方が良い物などショウは色々と教えてくれた。
(ショウさんって、すごく面倒見のいいお兄さんって感じ。なんだか話してると安心するなぁ)
ショウの話を聞きながら翔子はこっそりクスッと笑った。赤い鳥居が見え始めた頃、
「俺、先に行ってじいちゃんに話してくる」
とカケルは走って行ってしまった。後を追う様にゆっくりと並んで歩いて行く翔子とショウ。
「今日会ったばかりの女の子をこんなに連れまわしちゃ、いけなかったかな?」
「そんな事ないです。お店でいただいたケーキも紅茶も凄く美味しかったですし、竜神の力のお話も凄く惹かれました。でも、先程カケルさんがおっしゃっていたウロコって……」
【ウロコ】について聞こうとした翔子だったが、ショウと並んで歩いているうちに気が付けば鳥居をくぐり、神社の敷地内に入っていたようだ。
箒をもって境内を掃除していたであろう好々爺然とした一人の老人の横には、まるで宝物を見せるかの様にクシャっとした笑顔で誇らしげに立っているカケルの姿があった。
「翔子さん、うちのじいちゃん。この白蛇神社で神主をしてるんだ。で、じいちゃん、こちらが話していた翔子さん。どうもウロコを持っているみたいなんだけど、俺らと視え方が違ってて……」
「ほぉ……」
「はじめまして。天神翔子と申します」
「はじめまして。天神翔子さん……。今、カケルから少し話を聞いたのですが、昨日越して来たばかりだとか?」
「はい」
「ふむ。ご家族がこの土地の出身ですかな?」
「いえ、特に聞いた事はありません。……と言うか、知りません」
「ん?」
ショウとカケルは違和感を感じたが神主である二人の祖父は
「何か事情があるようですな。どれ、儂も掃除が終わったし社務所でゆっくり話しましょうかね。翔子さん、どうぞおあがりなさい」
と優しく招き入れてくれた。
(ショウさんって、すごく面倒見のいいお兄さんって感じ。なんだか話してると安心するなぁ)
ショウの話を聞きながら翔子はこっそりクスッと笑った。赤い鳥居が見え始めた頃、
「俺、先に行ってじいちゃんに話してくる」
とカケルは走って行ってしまった。後を追う様にゆっくりと並んで歩いて行く翔子とショウ。
「今日会ったばかりの女の子をこんなに連れまわしちゃ、いけなかったかな?」
「そんな事ないです。お店でいただいたケーキも紅茶も凄く美味しかったですし、竜神の力のお話も凄く惹かれました。でも、先程カケルさんがおっしゃっていたウロコって……」
【ウロコ】について聞こうとした翔子だったが、ショウと並んで歩いているうちに気が付けば鳥居をくぐり、神社の敷地内に入っていたようだ。
箒をもって境内を掃除していたであろう好々爺然とした一人の老人の横には、まるで宝物を見せるかの様にクシャっとした笑顔で誇らしげに立っているカケルの姿があった。
「翔子さん、うちのじいちゃん。この白蛇神社で神主をしてるんだ。で、じいちゃん、こちらが話していた翔子さん。どうもウロコを持っているみたいなんだけど、俺らと視え方が違ってて……」
「ほぉ……」
「はじめまして。天神翔子と申します」
「はじめまして。天神翔子さん……。今、カケルから少し話を聞いたのですが、昨日越して来たばかりだとか?」
「はい」
「ふむ。ご家族がこの土地の出身ですかな?」
「いえ、特に聞いた事はありません。……と言うか、知りません」
「ん?」
ショウとカケルは違和感を感じたが神主である二人の祖父は
「何か事情があるようですな。どれ、儂も掃除が終わったし社務所でゆっくり話しましょうかね。翔子さん、どうぞおあがりなさい」
と優しく招き入れてくれた。
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