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20代の話 Deterioration
46.玩具で遊ぼう★
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何と言葉をかけても帰ってくる言葉が同じという事に気がついた時点で私にできたのは考える事自体をやめることだった。問いかけても『仕事はしたくない』『これからの話はしたくない』の一点張り。私自身追求にくたびれてしまった上に、下手に追求するとその後のお仕置きが恐ろしかった。
彼に時間があるせいかあっという間にお仕置きの道具が増えていた。仕事の話をすると、新しいお仕置きの理由になっている。
「ほら、マンコだせ。」
そう言われ拒否すると、鞭が飛んでくる。いつの間にか乗馬するわけでもないのに乗馬用の鞭が、言うことをきかない私のお仕置き道具に加わっていた。
大人しく四つん這いで股間をさらすと、彼は楽しそうに肉棒の形をした玩具を取り出す。何が白い軟膏のようなモノをたっぷりとその先に塗りたくるのを、私が不安げに見つめると彼は妖しく笑う。
「お前は淫乱だから、新しい玩具で遊ぼうな。」
止めるすべのない私の花弁にその先を擦り付け、ズブズブと玩具を埋め込むと、それを固定するベルトを太股に回す。一体こんな道具はどこで入手するのだろうと考える私の奥底で、玩具が動き出す。以前にたような玩具で遊ばれたが、今回は突き刺さった玩具自体が固定して歩く意図ではない大きなものだ。ベルトもわざと半分玩具が突き出す形で、白い肌に食い込む姿に卑猥さが際立つ。奥で響く振動に思わず息が上がる。
「あっ!あん!あっうぅん!!」
「入れただけでよがるのか?淫乱。」
刺激に反応する自分になじりながら彼が今度は胸を弄り始め、先程と同じ白い軟膏をたっぷりと乳首の先にのせる。薄荷のような匂いと先の温度の冷えるような感触に乳首が尖り、彼の指に塗り込まれる刺激にコロコロと硬い乳首が転がった。滑る乳首の先を牛の乳でも搾るように強く摘まみ、グイグイと乳首をつねる。
「あっ、あっ!あっ!」
両方の乳首が乱暴な刺激に硬く尖ったのを見てとると彼は笑いながら乳首を解放した。そして、無造作に玩具の蠢く股間をまさぐり肉芽を摘まむ。
「うくっ!!くぅうんっ!!」
いつの間にか溢れ出していた愛液に肉芽が滑り、その刺激がジンッと子宮まで響くのがわかった。グチョグチョわざとらしく淫らに掻き回す音を立てて、何度も彼が肉芽をまさぐるのに喘ぎが溢れる。隙間から手を突っ込み指の股に玩具を挟むようにして、愛液に濡れた花弁をグニグニグチャグチャと擦りたてた。
「うんっ!うぅん!!あぁんっ!」
一度溢れ始めたと思うと喘ぎか止まらなくなる。恥ずかしい声をあげるきもないのに、弄られると声が止まらない。何時もより熱を持った身体に気がつきながら、突起している部分の感覚の変化に気がつく。やがて、肉芽にも同じものがたっぷりと塗り込まれる感触と同時に私の花弁の奥から変化が沸き上がった。
「あっ!あうっ!あぁんっ!うんっ!」
四つん這いの足が震え突起が擦れると喘ぎが出る。乳首も肉芽も硬く尖ってジンジンと痺れるような痒みを放つ。それが膣の奥底でも花開くように疼き、玩具を疼きに押し当てたい衝動に刈られる。彼は意地悪く笑い四つん這いから座り込むように命令する。
「んあっ!あん!あっ!あはぁん!」
体勢を変える反動で溢れた声に彼が声をたてて笑う。
「はは、変態だな、動くだけで気持ちいいのか?」
言い放つ声の先で開脚した私の股間で蠢く玩具の底を捩じ込むように蹴り込む。卑猥な悲鳴をあげてその刺激に床に尻をつけた私の股間をグリグリと足下にする。痛みを感じるほど捩じ込まれているのに、私はヒイヒイ喘ぎ手を背後について痛いほど開脚し更に股間を差し出す。
「なんだマンコ気持ちいいか?足蹴にされていいのか?」
「いいっ!気持ち、いいっ!!あぁなんで?!気持ちいいっ!!そこグリグリして!」
「ははは、変態だな!マンコ気持ちいいか?」
「はいっ!気持ちいいです!マンコ!」
涎を溢しなからそう叫ぶと、彼は笑いながら尖った乳首を弾く。その刺激に私の口から新しく教え込まれたはしたない喘ぎ声が溢れた。それに気をよくした彼が乳首をつねりあげる。
「あひぃ!!んひぃ!!」
「ああ、変態な声だなぁ、可愛い顔してド変態だな。」
「おふぅっ!!あひぃい!!」
「気持ちいいな、乳首もクリもっと気持ちいいことして欲しいか?雌豚。」
返事をする前に彼の手に小さなスポイトのような器具が握られる。涎を溢している私には反抗できる訳もなく、その先が突起を強く吸い上げた。
「ひぃ!ひぃん!!あひぃ!!いぐぅ!!」
「あぁいやらしいな、いいぞ、いけ、いきまくれ。」
コチコチの乳首が吸引された先で振動の愛撫にのまれる。開脚した足がブルブル震え、股間でくねる玩具を自分で床に押し付けながら失禁する私を笑いながら彼の手がまさぐり肉芽を押し潰す。泣き喘ぐ私にいきり立つ肉棒を突きだし口淫を強いながら、彼が満足げに私を責めたてていく。
※※※
私自身の逃げ場がなかった事もあって私は以前のように仕事に打ち込む時だけが息抜きの場になっていた。
自宅に帰るのが嫌で飲めない酒を職場の同僚と飲み私自身の帰宅時間も確実に遅くなっていく。しかし、相手は特に気にするでもなく、日々をゲームとパソコンだけで過ごしている。
金銭的に余裕もないからただ家にいるだけだと知っていたが、それも私にはどうする事もできないことだった。彼に余計な金銭を渡して何に使うのか予想ができないわけではない。
つい先日やっとのことで一人ではいかないとごねるのを宥めすかし職安に向かうことができた。しかし、自分から辞めたことで三ヶ月は失業保険がでないとハローワークで職員からの説明を聞いた途端に、彼が怒りだし職員向かって怒鳴り散らしたせいで再就職は苦難の道だとしかおもえなかった。
大体そんな当たり前のことも知らず無職になったら直ぐ保険金が貰えると思っていたのだろうか?手続きをする気がないのに、どうやってもらう気だったのだろう。私が言わなければ行く気もない様子だったし、ぐずぐずと一人では行かないとごねられたときは私が怒りだしたかった。自分のことくらい自分でやれよと言いたいと思い起こしてから、そういえば独身の時も税金や携帯代様々なものを滞納していたのに気が付いた。最悪だ、それを払うようにキチンとまとめて整理してやっていたことがあったっけ。
居酒屋帰りの酩酊する思考で怒りを通り越して呆れが沸き上がる。ああ、帰ったらここぞとばかりに有り余った体力で調教というなの憂さ晴らしが始まる。そう思うと更に鈍る自宅に帰る重い足取りの私に不意に声をかけたのはよく知る顔だった。
「ちょっと、ねぇさん、大丈夫?」
久々に聞く声に酩酊している私はキョトンと彼を見つめる。
「酔っぱらってんの?酒弱かったよね?」
コバヤカワが駆け寄りながら私の腕を優しく掴む。私を気遣う声音と彼のように力ずくではない仕草に、一瞬自分が今にも泣きだすのではないかと思う。だが、私は感情すら覆いつくした能面のような表層で青年の顔を見上げ、改めて作った愛想笑いの笑顔を浮かべた。
「大丈夫よォ。」
その声音は体に合わないアルコールのせいで聞く人が聞けば朗らかにすら聞こえるもののような気がした。だが、その表層だけでない心の内までも感じ取ったかのように青年は、私の腕を取って気遣うように歩き出した。道すがら自動販売機で温かいお茶を買って冬の夜気に冷えた私の手に滑り込ませる。
「……ねぇさんの、大丈夫は大丈夫じゃない。」
ふっと言われた言葉に私は黙り込む。
気遣われ慣れないせいか、足取りの覚束無さが身にしみてわかる。それに何を言うでもなく彼は私の手をひきながら、私の顔を立ち止まったまま見下ろした。
「ヤネちゃん、仕事病めて家にこもってるんだろ?ねぇさん、しんどそうだ。」
そんな事ないと愛想笑いのまま言いたいのに言葉が喉に張り付いたような気がした。
そう、実際はそんな事無く、ない。
辛いのだ。
凄く凄く辛い。
そう誰かに言いたいのに、そう誰かに訴えたいのに、私は同僚と一緒に酒を飲んですらもそのことを口にした事はない。私の同僚はまだ私の夫が仕事を辞めたことすら知らない。ただ、毎夜のように飲み歩く私を訝しげに思いはしているかもしれないが、今はまだ誰にもこの話は口にする気もなかった。
コバヤカワがそれを知っているのは彼とシュンイチが友人だったからだし、同時に同じ職場にいた同僚でもあるからだろう。しかし、家に籠り始めて誰かと連絡した節のない彼を思うと、それ以上に友人として青年自身が気にかけていてくれたからなのだろう。
「一緒に家まで送ってく。ねぇさん、酔いすぎだ。足元危ないよ。」
一見華奢に見えるその青年に半分抱えられるようにして歩きながら、私は自分が例えようもなく悲しい気持ちに襲われた事に気がついた。不意に溢れ出した涙が留まる事を知らずに、嗚咽になって零れ落ちても横の青年は何も言わず、ただ自分を支えて夜道を歩いてくれている。
そうして、ただ支えてくれる自分よりも年下のはずの青年を感じながら私は心の中で呟く声を聞いていた。
どうして、彼と先に出会わなかったのかとすら思う。
そうしていれば、今の自分はもっと違う道にいたかもしれないとも思う。
だけど、私が選んだのは道とすら言えず、厳しく冷たい冬の海に沈むようなものだったのだ。
自宅のマンションの前で青年はハンカチがないといったかと思うと彼のコートの袖で私の顔をグシャグシャと拭いて子供のように笑う。それが、帰宅した後、シュンイチが勘ぐらない様にと判断した行為であった事はよく分かったし、それでも泣いたまま帰そうとは思わなかった彼の優しさでもある事に私は心の底から感謝する。
「…ありがと。」
困ったようなそれでいて感謝すら滲む私の声にコバヤカワは微かに笑いながら白い息を吐きながらうんと頷く。
「今度、休みの日にコイズミと二人で遊びに来てもいいかな?ねぇさん。」
その言葉が自分達二人を心配しての言葉だということが痛いほどにわかって、私はほろ苦い笑みを浮かべた。
彼に時間があるせいかあっという間にお仕置きの道具が増えていた。仕事の話をすると、新しいお仕置きの理由になっている。
「ほら、マンコだせ。」
そう言われ拒否すると、鞭が飛んでくる。いつの間にか乗馬するわけでもないのに乗馬用の鞭が、言うことをきかない私のお仕置き道具に加わっていた。
大人しく四つん這いで股間をさらすと、彼は楽しそうに肉棒の形をした玩具を取り出す。何が白い軟膏のようなモノをたっぷりとその先に塗りたくるのを、私が不安げに見つめると彼は妖しく笑う。
「お前は淫乱だから、新しい玩具で遊ぼうな。」
止めるすべのない私の花弁にその先を擦り付け、ズブズブと玩具を埋め込むと、それを固定するベルトを太股に回す。一体こんな道具はどこで入手するのだろうと考える私の奥底で、玩具が動き出す。以前にたような玩具で遊ばれたが、今回は突き刺さった玩具自体が固定して歩く意図ではない大きなものだ。ベルトもわざと半分玩具が突き出す形で、白い肌に食い込む姿に卑猥さが際立つ。奥で響く振動に思わず息が上がる。
「あっ!あん!あっうぅん!!」
「入れただけでよがるのか?淫乱。」
刺激に反応する自分になじりながら彼が今度は胸を弄り始め、先程と同じ白い軟膏をたっぷりと乳首の先にのせる。薄荷のような匂いと先の温度の冷えるような感触に乳首が尖り、彼の指に塗り込まれる刺激にコロコロと硬い乳首が転がった。滑る乳首の先を牛の乳でも搾るように強く摘まみ、グイグイと乳首をつねる。
「あっ、あっ!あっ!」
両方の乳首が乱暴な刺激に硬く尖ったのを見てとると彼は笑いながら乳首を解放した。そして、無造作に玩具の蠢く股間をまさぐり肉芽を摘まむ。
「うくっ!!くぅうんっ!!」
いつの間にか溢れ出していた愛液に肉芽が滑り、その刺激がジンッと子宮まで響くのがわかった。グチョグチョわざとらしく淫らに掻き回す音を立てて、何度も彼が肉芽をまさぐるのに喘ぎが溢れる。隙間から手を突っ込み指の股に玩具を挟むようにして、愛液に濡れた花弁をグニグニグチャグチャと擦りたてた。
「うんっ!うぅん!!あぁんっ!」
一度溢れ始めたと思うと喘ぎか止まらなくなる。恥ずかしい声をあげるきもないのに、弄られると声が止まらない。何時もより熱を持った身体に気がつきながら、突起している部分の感覚の変化に気がつく。やがて、肉芽にも同じものがたっぷりと塗り込まれる感触と同時に私の花弁の奥から変化が沸き上がった。
「あっ!あうっ!あぁんっ!うんっ!」
四つん這いの足が震え突起が擦れると喘ぎが出る。乳首も肉芽も硬く尖ってジンジンと痺れるような痒みを放つ。それが膣の奥底でも花開くように疼き、玩具を疼きに押し当てたい衝動に刈られる。彼は意地悪く笑い四つん這いから座り込むように命令する。
「んあっ!あん!あっ!あはぁん!」
体勢を変える反動で溢れた声に彼が声をたてて笑う。
「はは、変態だな、動くだけで気持ちいいのか?」
言い放つ声の先で開脚した私の股間で蠢く玩具の底を捩じ込むように蹴り込む。卑猥な悲鳴をあげてその刺激に床に尻をつけた私の股間をグリグリと足下にする。痛みを感じるほど捩じ込まれているのに、私はヒイヒイ喘ぎ手を背後について痛いほど開脚し更に股間を差し出す。
「なんだマンコ気持ちいいか?足蹴にされていいのか?」
「いいっ!気持ち、いいっ!!あぁなんで?!気持ちいいっ!!そこグリグリして!」
「ははは、変態だな!マンコ気持ちいいか?」
「はいっ!気持ちいいです!マンコ!」
涎を溢しなからそう叫ぶと、彼は笑いながら尖った乳首を弾く。その刺激に私の口から新しく教え込まれたはしたない喘ぎ声が溢れた。それに気をよくした彼が乳首をつねりあげる。
「あひぃ!!んひぃ!!」
「ああ、変態な声だなぁ、可愛い顔してド変態だな。」
「おふぅっ!!あひぃい!!」
「気持ちいいな、乳首もクリもっと気持ちいいことして欲しいか?雌豚。」
返事をする前に彼の手に小さなスポイトのような器具が握られる。涎を溢している私には反抗できる訳もなく、その先が突起を強く吸い上げた。
「ひぃ!ひぃん!!あひぃ!!いぐぅ!!」
「あぁいやらしいな、いいぞ、いけ、いきまくれ。」
コチコチの乳首が吸引された先で振動の愛撫にのまれる。開脚した足がブルブル震え、股間でくねる玩具を自分で床に押し付けながら失禁する私を笑いながら彼の手がまさぐり肉芽を押し潰す。泣き喘ぐ私にいきり立つ肉棒を突きだし口淫を強いながら、彼が満足げに私を責めたてていく。
※※※
私自身の逃げ場がなかった事もあって私は以前のように仕事に打ち込む時だけが息抜きの場になっていた。
自宅に帰るのが嫌で飲めない酒を職場の同僚と飲み私自身の帰宅時間も確実に遅くなっていく。しかし、相手は特に気にするでもなく、日々をゲームとパソコンだけで過ごしている。
金銭的に余裕もないからただ家にいるだけだと知っていたが、それも私にはどうする事もできないことだった。彼に余計な金銭を渡して何に使うのか予想ができないわけではない。
つい先日やっとのことで一人ではいかないとごねるのを宥めすかし職安に向かうことができた。しかし、自分から辞めたことで三ヶ月は失業保険がでないとハローワークで職員からの説明を聞いた途端に、彼が怒りだし職員向かって怒鳴り散らしたせいで再就職は苦難の道だとしかおもえなかった。
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その声音は体に合わないアルコールのせいで聞く人が聞けば朗らかにすら聞こえるもののような気がした。だが、その表層だけでない心の内までも感じ取ったかのように青年は、私の腕を取って気遣うように歩き出した。道すがら自動販売機で温かいお茶を買って冬の夜気に冷えた私の手に滑り込ませる。
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「ヤネちゃん、仕事病めて家にこもってるんだろ?ねぇさん、しんどそうだ。」
そんな事ないと愛想笑いのまま言いたいのに言葉が喉に張り付いたような気がした。
そう、実際はそんな事無く、ない。
辛いのだ。
凄く凄く辛い。
そう誰かに言いたいのに、そう誰かに訴えたいのに、私は同僚と一緒に酒を飲んですらもそのことを口にした事はない。私の同僚はまだ私の夫が仕事を辞めたことすら知らない。ただ、毎夜のように飲み歩く私を訝しげに思いはしているかもしれないが、今はまだ誰にもこの話は口にする気もなかった。
コバヤカワがそれを知っているのは彼とシュンイチが友人だったからだし、同時に同じ職場にいた同僚でもあるからだろう。しかし、家に籠り始めて誰かと連絡した節のない彼を思うと、それ以上に友人として青年自身が気にかけていてくれたからなのだろう。
「一緒に家まで送ってく。ねぇさん、酔いすぎだ。足元危ないよ。」
一見華奢に見えるその青年に半分抱えられるようにして歩きながら、私は自分が例えようもなく悲しい気持ちに襲われた事に気がついた。不意に溢れ出した涙が留まる事を知らずに、嗚咽になって零れ落ちても横の青年は何も言わず、ただ自分を支えて夜道を歩いてくれている。
そうして、ただ支えてくれる自分よりも年下のはずの青年を感じながら私は心の中で呟く声を聞いていた。
どうして、彼と先に出会わなかったのかとすら思う。
そうしていれば、今の自分はもっと違う道にいたかもしれないとも思う。
だけど、私が選んだのは道とすら言えず、厳しく冷たい冬の海に沈むようなものだったのだ。
自宅のマンションの前で青年はハンカチがないといったかと思うと彼のコートの袖で私の顔をグシャグシャと拭いて子供のように笑う。それが、帰宅した後、シュンイチが勘ぐらない様にと判断した行為であった事はよく分かったし、それでも泣いたまま帰そうとは思わなかった彼の優しさでもある事に私は心の底から感謝する。
「…ありがと。」
困ったようなそれでいて感謝すら滲む私の声にコバヤカワは微かに笑いながら白い息を吐きながらうんと頷く。
「今度、休みの日にコイズミと二人で遊びに来てもいいかな?ねぇさん。」
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