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12月
231.パンジー
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12月27日 月曜日
昨日、礼慈さんにまた会いに来てくださいねと言われはいと答えながら、私は智美君にまたねって手を降った。
帰り際智美君は何時もの皮肉めいた口調ではあるけど、少し微笑みながら今度はケーキのサイズはワンサイズ大きくてもいいなんて言う。もうワンサイズってどう考えてもおかしいよ?だって大体4号のホールケーキサイズなんだからね。4号サイズのケーキって直径12センチで2人から4人でたべるくらいだよ。しかも今日のだって半分智美君が食べてるからね!5号サイズのケーキなんて4人から6人ようなんだからっ!いくら甘いもの好きでも太っちゃうよって私がいったら、頭を使うと糖分が必要だから良いとか言い訳してる。いや、ホールケーキの半分を食べる必要って……あるの?
その後は来た時と同じく敷島さんに乗せてもらって、家まで送ってもらった。敷島さんが帰りの車の中でここのところ、ずっと物思いに耽ってた智美君も礼慈さんも今日は楽しそうでよかったって。だから、またお迎えに来ますから、また来てくださいねって私に頭を下げて帰っていった。
智美君からあの広大なお寺みたいな大豪邸の事は秘密にしてって言われたから、それは誰にも話さない。お家の事は智美君なりの事情があって、隠してることは良く分かったから。だって、あんなに広いのに本当に人の気配がなくって、誰がこのお家をこんなに綺麗に整えてるのか不思議。でも、それが当然なのは普通のことではないって、智美君自身が分かってるんだと思う。でも、ママには智美君の事は少し話してあるって事は、流石に許可してもらった。ちょっと難しい家庭環境で親代わりの人が怪我をしてしまったって位にだけど、年末年始の忙しい時にお家にいく理由は説明しないとならなかったから。帰ってからもママはどうだったか説明しなさいって言うに決まってたし。帰ってからママは黙って私の話を聞いていたけど、それは自分で気持ちを収めるにも時間が必要ねって。私も2人をみていて、ママと同じように感じた。
礼慈さんの状態が落ち着いて初めて、智美君は冷静に色んな事が考えられるようになるんじゃないかな。もしかしたらもう少し見えるようになるかもしれないって話してたし、状態が落ち着かないと智美君だって不安だと思う。
礼慈さんがあの時泣いてるように感じたのは、間違ってないと私は思ってる。礼慈さんは礼慈さんで、目が見えなくなってしまったのに智美君が凄く後悔してるのを知ってて。同時に礼慈さん自身も、凄く智美君にそう感じさせてしまったのを後悔してる。それを今すぐ前向きになれなんて、無理な話だと思う。時間が少しずつ癒してくれるものもある筈。
そう信じていたいなぁ……。
昨日智美君が私をお家に招待してくれたのは、私がケーキで釣ったと言うより智美君が自分は学校でこんな風に暮らしてたよって礼慈さんに教えたかったんだと思うんだ。自分の事を思ってくれた礼慈さんに、友達と軽口を叩いたりする学校での様子を見せるのに私が一番利用しやすかったんだと思う。ああ、利用って言うと嫌な感じに聞こえるかもしれないけど、けして悪い意味じゃない。智美君の友達の中で、一番普段とかわりなく話しかけるのが私って彼が考えたってことで。気を使いすぎることもないし余計な詮索もしない、しかも普通に話してる姿を見せられるって確かに難しい事だ。私が割合能天気だからってのもあるけど、頓珍漢な質問はする割には智美君が行動を予想しやすいって言うのもあるんじゃないかな。だって、敷島さんに聞く質問なんて、予想通り過ぎて敷島さんが笑いだしたくらいだもの。
お部屋の大掃除をしながら、私はクローゼットのワンピースを見上げ考える。だって、雪ちゃんだってあの時あんなに沢山悩んで、少しずつだけど変わってったんだもん。智美君達だってきっと少しずつ変わっていくと信じたい。
あ、写真……
クローゼットの中の苺の花の箱と、鳥飼さんとセンセから受け取った写真を取り出してみる。そうだ、今度智美君が学校に来たら、皆と沢山写真を撮ろう。夏休み一緒に遊んだ時の写真だって何枚かあるし、それもプリントして智美君にアルバムにしてあげたらどうかな。ああでも、礼慈さんがそれを見れないんじゃ智美君の楽しかった記憶にならないかな。それに智美君はあの時のことも鮮明に記憶しているから、写真なんて必要ないのかな。でも、智美君が見ているのと、私達が見ているのは違うんじゃないかと思う。
今は余計なことって思われるかもしれないけど、こうして何年も大事に守っていてくれる人が居たら良いよね。
もし受け取ってもらえなかったら、私とか早紀ちゃんや香苗や孝君や皆が大事にしててくれたら良いんじゃないかなぁ。そんな風に考えた私。後で早紀ちゃん達と相談してみようって考えながら、丁寧に雪ちゃんの写真をクローゼットの中にしまう。この写真も雪ちゃんと衛と三人で見られるように、はやくなるといいなぁ。どうしたら、そうなれるのかなぁなんて考えてたら、ママから大掃除進んでるの?って大きな声。
いけない、全然すすんでないや。
慌てて今やってると答えながら、私は再び大掃除に戻っていた。
昨日、礼慈さんにまた会いに来てくださいねと言われはいと答えながら、私は智美君にまたねって手を降った。
帰り際智美君は何時もの皮肉めいた口調ではあるけど、少し微笑みながら今度はケーキのサイズはワンサイズ大きくてもいいなんて言う。もうワンサイズってどう考えてもおかしいよ?だって大体4号のホールケーキサイズなんだからね。4号サイズのケーキって直径12センチで2人から4人でたべるくらいだよ。しかも今日のだって半分智美君が食べてるからね!5号サイズのケーキなんて4人から6人ようなんだからっ!いくら甘いもの好きでも太っちゃうよって私がいったら、頭を使うと糖分が必要だから良いとか言い訳してる。いや、ホールケーキの半分を食べる必要って……あるの?
その後は来た時と同じく敷島さんに乗せてもらって、家まで送ってもらった。敷島さんが帰りの車の中でここのところ、ずっと物思いに耽ってた智美君も礼慈さんも今日は楽しそうでよかったって。だから、またお迎えに来ますから、また来てくださいねって私に頭を下げて帰っていった。
智美君からあの広大なお寺みたいな大豪邸の事は秘密にしてって言われたから、それは誰にも話さない。お家の事は智美君なりの事情があって、隠してることは良く分かったから。だって、あんなに広いのに本当に人の気配がなくって、誰がこのお家をこんなに綺麗に整えてるのか不思議。でも、それが当然なのは普通のことではないって、智美君自身が分かってるんだと思う。でも、ママには智美君の事は少し話してあるって事は、流石に許可してもらった。ちょっと難しい家庭環境で親代わりの人が怪我をしてしまったって位にだけど、年末年始の忙しい時にお家にいく理由は説明しないとならなかったから。帰ってからもママはどうだったか説明しなさいって言うに決まってたし。帰ってからママは黙って私の話を聞いていたけど、それは自分で気持ちを収めるにも時間が必要ねって。私も2人をみていて、ママと同じように感じた。
礼慈さんの状態が落ち着いて初めて、智美君は冷静に色んな事が考えられるようになるんじゃないかな。もしかしたらもう少し見えるようになるかもしれないって話してたし、状態が落ち着かないと智美君だって不安だと思う。
礼慈さんがあの時泣いてるように感じたのは、間違ってないと私は思ってる。礼慈さんは礼慈さんで、目が見えなくなってしまったのに智美君が凄く後悔してるのを知ってて。同時に礼慈さん自身も、凄く智美君にそう感じさせてしまったのを後悔してる。それを今すぐ前向きになれなんて、無理な話だと思う。時間が少しずつ癒してくれるものもある筈。
そう信じていたいなぁ……。
昨日智美君が私をお家に招待してくれたのは、私がケーキで釣ったと言うより智美君が自分は学校でこんな風に暮らしてたよって礼慈さんに教えたかったんだと思うんだ。自分の事を思ってくれた礼慈さんに、友達と軽口を叩いたりする学校での様子を見せるのに私が一番利用しやすかったんだと思う。ああ、利用って言うと嫌な感じに聞こえるかもしれないけど、けして悪い意味じゃない。智美君の友達の中で、一番普段とかわりなく話しかけるのが私って彼が考えたってことで。気を使いすぎることもないし余計な詮索もしない、しかも普通に話してる姿を見せられるって確かに難しい事だ。私が割合能天気だからってのもあるけど、頓珍漢な質問はする割には智美君が行動を予想しやすいって言うのもあるんじゃないかな。だって、敷島さんに聞く質問なんて、予想通り過ぎて敷島さんが笑いだしたくらいだもの。
お部屋の大掃除をしながら、私はクローゼットのワンピースを見上げ考える。だって、雪ちゃんだってあの時あんなに沢山悩んで、少しずつだけど変わってったんだもん。智美君達だってきっと少しずつ変わっていくと信じたい。
あ、写真……
クローゼットの中の苺の花の箱と、鳥飼さんとセンセから受け取った写真を取り出してみる。そうだ、今度智美君が学校に来たら、皆と沢山写真を撮ろう。夏休み一緒に遊んだ時の写真だって何枚かあるし、それもプリントして智美君にアルバムにしてあげたらどうかな。ああでも、礼慈さんがそれを見れないんじゃ智美君の楽しかった記憶にならないかな。それに智美君はあの時のことも鮮明に記憶しているから、写真なんて必要ないのかな。でも、智美君が見ているのと、私達が見ているのは違うんじゃないかと思う。
今は余計なことって思われるかもしれないけど、こうして何年も大事に守っていてくれる人が居たら良いよね。
もし受け取ってもらえなかったら、私とか早紀ちゃんや香苗や孝君や皆が大事にしててくれたら良いんじゃないかなぁ。そんな風に考えた私。後で早紀ちゃん達と相談してみようって考えながら、丁寧に雪ちゃんの写真をクローゼットの中にしまう。この写真も雪ちゃんと衛と三人で見られるように、はやくなるといいなぁ。どうしたら、そうなれるのかなぁなんて考えてたら、ママから大掃除進んでるの?って大きな声。
いけない、全然すすんでないや。
慌てて今やってると答えながら、私は再び大掃除に戻っていた。
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