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1月
263.ガザニア
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1月28日 土曜日
きらびやかなラッピングのコーナーを眺めながら、自分もどうしようかなと思案にくれていた私に起きた出来事。まあ、正直に言うところ最近顔に思っていることが全部出てるとか、なんだか妙に人との交流が広がったりとか、色々絡まれてるのは理解してるし巻き込まれ体質だと言われてもしょうがない気がしなくもない。気がしなくもないんだけど、別に意図してやった訳ではないんだと力一杯言いたいと思う訳です。
というか、こんな人混みの中で私をロックオンできるなんて、ある意味あなたを誇りにでも思えばいいのかなぁ。腕を捕まれた爪の強さに痛みでギョッとした私の視界にいたのは、なんと保住先輩。うわぁやなとこで接近遭遇っていうか捕獲。
「ちょっと、あんたなんのつもり?」
えー?!何のつもりって買い物です!って言いたいけど、どうみてもそう言うことを言ってる顔じゃない。潔白ですって言いたいけど、実は先輩から何を問い詰められてるかも分かんないんですけど。腕に食い込んだ爪が痛いんで離してほしいんだけど、無理やりラッピングコーナーから引っ張られて人気のないビルの合間に連れ込まれる。えー、何で人気のないとこ態々行くの?!やだっ!
「あんた、何で源川君に何にも言わないのよ?!」
「ええー?!」
ええー?!じゃないわよ!と叫ばれるけど、いや本当にそれっておかしいって思いませんか?だからさ?源川先輩には本命がいるわけだし、私に何をどうしたってポイントにはならないんですってば。それがどうして分かんないのかな?他の女の子は手作りお菓子をお返ししたら、自分がしてるのおかしいって気がついたみたいだよ?あ、保住先輩はお菓子は持ってきてないから知らないのか。いやいや、そうじゃないか。
「折角買ってやったのに!」
……いや、分かってたけどね?あの靴買ってきたことくらい。返せって言い出しそうだけど、サイズが合わない靴を返されても仕方ない気もする。でも、まだ履いてないから返せって言われたら返しますけど?週明けでも。
「あのさぁ、そういう言いがかりがみっともねぇなって思わないの?保住。関係ない子に絡むなよ。」
ホントにって今の声?保住先輩が目を丸くして、私の背後を見てるんどけど、予想しなくてもこの声って。背後から歩み寄る足音がポンポンって私の頭を撫でる。
「悪いな、モモ。俺のせいで絡まれてんだろ?」
まあ、そうとも言うんですけど、随分ニアミスしますよね?何でって思ったら源川先輩が苦笑いしながら後で教えてやると、また私の考えを読んで答える。頭を掻きながら呆れたように源川先輩は口を開いた。
「あのなぁ俺もう結婚する人にプロポーズしてんだよ、保住。」
「ええ?!」
うわぁ!源川先輩が爆弾落とした!って私じゃない!保住先輩私のこと睨まないでよ!
「ばぁか、モモな訳ないだろ?……俺はさぁ年上好みなんだよ。同い年や後輩みたいなガキに、もう興味ないんだよ。」
「えっ………。」
「モモみたいなちっこいの虐める暇あったら、さっさともっと相手のいない男探せって。お前ならその方が早いだろ?」
その言葉に一瞬保住先輩は青ざめて黙りこんでしまった。ちょっとタンマ!!いや、虐めは確かにダメだと思うけど、男探せって言う言い方はいただけない。そりゃ保住先輩は美人だから、彼氏になる人は幾らでもいるって言う意味だろうけどもう少し言い方があると思う。だって保住先輩は保住先輩なりに好きで、まあその気持ちが空回りしちゃっただけなんだよね?私が関係ないのを理解してもらえればいいだけだし、誤解を深めたのは先輩のお気に入り宣言のせいですよね!
「源川先輩が、曖昧な態度するから悪いんですよ!フェロモン垂れ流してるから!フェロモン出すの本命さんだけにすればいいんですよっ!」
「ええ?!モモ何で俺に攻撃?!」
「だ、だってそんな言い方されたら保住先輩の好きが可哀想じゃないですか!そりゃ保住先輩は美人だから直ぐ彼氏出来るけど、好きは好きだし!」
「だけど、俺は一回断ってるんだって!」
「でも!でも、あんな壁ドンされたら、女の子はまだ脈があるかもってなりますよっ!」
「はぁ?!あれは一応話を聞くようにだなぁ!」
何でか口論になった私と源川先輩に、保住先輩は目を丸くしてポカーンとしている。でも、実際にあの壁ドンのお陰で他の子も私にお菓子を貢いで来たわけですし!って口論してたら、突然ブッて背後で笑いだした声に私と源川先輩はキョトンとして振り返った。そこでは保住先輩が腹を抱えて大笑いしていて、私は一体何がそんなに可笑しいのかって先輩を見つめる。
散々笑った保住先輩は、もういい分かったって言って颯爽と帰っていってしまった。何がどう分かったのか個人的に微妙な気はするんだけど、少なくとも笑ってスッキリしたのかなぁ。そう思ってたら源川先輩が、何でか頭を撫でてきてよく分かんないけどまあいいのかなって呟く。それにしても何でこんなにタイミングよくって思ったら、どうやらさっきのお店の中に入る前から私の後を保住先輩は見つけて追いかけてたんだって。それを丁度見かけた坂本先輩が、源川先輩に連絡してくれたみたい。坂本先輩、優しい…って言ったら俺も助けに来たんだけどなぁって源川先輩に不満顔をされた。そう言う子供っぽくて庇護欲を誘うようなフェロモン出すから、勘違いされるんですよって私は言いたい。その自覚がない辺りが源川先輩なんだろうけど、全くこっちの方が振り回されてる。
って考えながら並んで歩いていたら、今日最大の事態が巻き起こってしまった。今回私の腕を背後から掴んだのは、誰でもない雪ちゃんだったのだ。
きらびやかなラッピングのコーナーを眺めながら、自分もどうしようかなと思案にくれていた私に起きた出来事。まあ、正直に言うところ最近顔に思っていることが全部出てるとか、なんだか妙に人との交流が広がったりとか、色々絡まれてるのは理解してるし巻き込まれ体質だと言われてもしょうがない気がしなくもない。気がしなくもないんだけど、別に意図してやった訳ではないんだと力一杯言いたいと思う訳です。
というか、こんな人混みの中で私をロックオンできるなんて、ある意味あなたを誇りにでも思えばいいのかなぁ。腕を捕まれた爪の強さに痛みでギョッとした私の視界にいたのは、なんと保住先輩。うわぁやなとこで接近遭遇っていうか捕獲。
「ちょっと、あんたなんのつもり?」
えー?!何のつもりって買い物です!って言いたいけど、どうみてもそう言うことを言ってる顔じゃない。潔白ですって言いたいけど、実は先輩から何を問い詰められてるかも分かんないんですけど。腕に食い込んだ爪が痛いんで離してほしいんだけど、無理やりラッピングコーナーから引っ張られて人気のないビルの合間に連れ込まれる。えー、何で人気のないとこ態々行くの?!やだっ!
「あんた、何で源川君に何にも言わないのよ?!」
「ええー?!」
ええー?!じゃないわよ!と叫ばれるけど、いや本当にそれっておかしいって思いませんか?だからさ?源川先輩には本命がいるわけだし、私に何をどうしたってポイントにはならないんですってば。それがどうして分かんないのかな?他の女の子は手作りお菓子をお返ししたら、自分がしてるのおかしいって気がついたみたいだよ?あ、保住先輩はお菓子は持ってきてないから知らないのか。いやいや、そうじゃないか。
「折角買ってやったのに!」
……いや、分かってたけどね?あの靴買ってきたことくらい。返せって言い出しそうだけど、サイズが合わない靴を返されても仕方ない気もする。でも、まだ履いてないから返せって言われたら返しますけど?週明けでも。
「あのさぁ、そういう言いがかりがみっともねぇなって思わないの?保住。関係ない子に絡むなよ。」
ホントにって今の声?保住先輩が目を丸くして、私の背後を見てるんどけど、予想しなくてもこの声って。背後から歩み寄る足音がポンポンって私の頭を撫でる。
「悪いな、モモ。俺のせいで絡まれてんだろ?」
まあ、そうとも言うんですけど、随分ニアミスしますよね?何でって思ったら源川先輩が苦笑いしながら後で教えてやると、また私の考えを読んで答える。頭を掻きながら呆れたように源川先輩は口を開いた。
「あのなぁ俺もう結婚する人にプロポーズしてんだよ、保住。」
「ええ?!」
うわぁ!源川先輩が爆弾落とした!って私じゃない!保住先輩私のこと睨まないでよ!
「ばぁか、モモな訳ないだろ?……俺はさぁ年上好みなんだよ。同い年や後輩みたいなガキに、もう興味ないんだよ。」
「えっ………。」
「モモみたいなちっこいの虐める暇あったら、さっさともっと相手のいない男探せって。お前ならその方が早いだろ?」
その言葉に一瞬保住先輩は青ざめて黙りこんでしまった。ちょっとタンマ!!いや、虐めは確かにダメだと思うけど、男探せって言う言い方はいただけない。そりゃ保住先輩は美人だから、彼氏になる人は幾らでもいるって言う意味だろうけどもう少し言い方があると思う。だって保住先輩は保住先輩なりに好きで、まあその気持ちが空回りしちゃっただけなんだよね?私が関係ないのを理解してもらえればいいだけだし、誤解を深めたのは先輩のお気に入り宣言のせいですよね!
「源川先輩が、曖昧な態度するから悪いんですよ!フェロモン垂れ流してるから!フェロモン出すの本命さんだけにすればいいんですよっ!」
「ええ?!モモ何で俺に攻撃?!」
「だ、だってそんな言い方されたら保住先輩の好きが可哀想じゃないですか!そりゃ保住先輩は美人だから直ぐ彼氏出来るけど、好きは好きだし!」
「だけど、俺は一回断ってるんだって!」
「でも!でも、あんな壁ドンされたら、女の子はまだ脈があるかもってなりますよっ!」
「はぁ?!あれは一応話を聞くようにだなぁ!」
何でか口論になった私と源川先輩に、保住先輩は目を丸くしてポカーンとしている。でも、実際にあの壁ドンのお陰で他の子も私にお菓子を貢いで来たわけですし!って口論してたら、突然ブッて背後で笑いだした声に私と源川先輩はキョトンとして振り返った。そこでは保住先輩が腹を抱えて大笑いしていて、私は一体何がそんなに可笑しいのかって先輩を見つめる。
散々笑った保住先輩は、もういい分かったって言って颯爽と帰っていってしまった。何がどう分かったのか個人的に微妙な気はするんだけど、少なくとも笑ってスッキリしたのかなぁ。そう思ってたら源川先輩が、何でか頭を撫でてきてよく分かんないけどまあいいのかなって呟く。それにしても何でこんなにタイミングよくって思ったら、どうやらさっきのお店の中に入る前から私の後を保住先輩は見つけて追いかけてたんだって。それを丁度見かけた坂本先輩が、源川先輩に連絡してくれたみたい。坂本先輩、優しい…って言ったら俺も助けに来たんだけどなぁって源川先輩に不満顔をされた。そう言う子供っぽくて庇護欲を誘うようなフェロモン出すから、勘違いされるんですよって私は言いたい。その自覚がない辺りが源川先輩なんだろうけど、全くこっちの方が振り回されてる。
って考えながら並んで歩いていたら、今日最大の事態が巻き起こってしまった。今回私の腕を背後から掴んだのは、誰でもない雪ちゃんだったのだ。
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