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4月
342.ポトス
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4月17日 月曜日
悪い人ではないとは思うんだよね、五十嵐君って。華やかな明るさは芸能人特有だからだって分かるんだけど、それだけで目を引いてるってことは理解しててそれを上手く利用してもいると思う。今日は智美君がお休みなので、チョコチョコ傍に来て話しかけてくるんだけど。
「源川って先輩が彼氏?」
「違います。」
キット誰かから聞き出したんだなって思いながら、あり得ませんと完全否定しておく。源川先輩は悪い人ではないし優しくて面倒みもいいお兄さんみたいな面もあるけど、去年は大分トラブルメーカーだった訳で。皆からは仲良くていいなぁって言われてるけど、絶対お兄さんにはしたくない。何でかお兄ちゃんと呼ばせたい節も感じるけど、絶対にやだ!ついでに言えば彼氏にはもっとしたくない。いや嫌いじゃないけど、全然嫌いじゃないんだけど、下手すると……あ、凄く手のかかる弟みたいなんだ!思わず独りで納得した私。
「校内にいるの?彼氏。」
「答える必要ないです。」
「いないのにいるって嘘ついてる?」
「何でそんな事する必要ありますか。」
ないなぁって笑う五十嵐君を眺めている他のクラスの子達が、チクチクする視線を投げてくる。やだなぁ、この視線。去年くらいから女の子のこの視線よく理解できるようになっちゃったなぁ、私。しかも、これの原因の男の人は気がつかないんだよね。
「女の子の視線が痛いんですよね、他の子とも均等に差別せず仲良くして下さい。」
「何で宮井さんは喜ばないのかなぁ?こんなにアプローチしてて。」
「五十嵐に魅力がないからだよ。」
あ、香苗の一言に周囲の空気が凍った。でも、正直に言うと私的には五十嵐君は異性として見てないと言うか、他のクラスメイトよりよく知らないわけで。それを魅力がないというなら、確かにそうなんだよね。
「宮井さんの彼氏は魅力的ってこと?」
「少なくとも麻希子が困ることは絶対しないから、今のあんたよりは魅力的だね。」
香苗、もしかして智美君が乗り移ってる?そう言いたくなるような一刀両断に、五十嵐君は困る?って問い返した。香苗はクラスの入り口に屯している他のクラスや学年の子達に、チラリと視線を投げる。
「あのギャラリーの前で麻希子だけ構われたら、麻希子が嫌な思いするとか考えれないの?あんた、芸能人でしょ?少しは状況見なよ。」
「……香苗。」
「麻希子はお人好しだからつきあってくれるけど、見ててウザい。この状況であえてやり続けてるのが、なおさらウザい。」
ひえええ!地味に香苗が怒ってるのに今気がついた。もしかしたら何かあのギャラリーからなんか言われてた?その可能性高いかもと思った私は、慌てて香苗の腕を掴んでバタバタと中庭に連れ出した。
「なぁに?も少し凹ませてやればいいんだよ。あいつ。」
「な、何で怒ってんの?香苗。」
私がそう言ったら丁度早紀ちゃんが追い付いてきて、大丈夫?って問いかける。で、何で怒ってんの?と聞き直したら、目の前の二人から呆れた顔で見つめられたのは何故?
「助けて損した。気がついてないんだ。」
「え?」
「麻希ちゃんたら、全然聞こえてなかったのね。」
二人が心底呆れたように言うのは、実は眺めに来てた子達が結構ヒソヒソ私の事を悪く言っていたのが聞こえていたんだって。久保ちゃんとか瑠璃ちゃん達も嫌な顔して聞いてて、もう限界って香苗があの行動に出たみたい。随分ながいあいだ魂が明後日にいたんだねと早紀ちゃんが苦笑いしていて、香苗が目を細める。
「で、先週からなんでそんなに心ここにあらずな訳?ボンヤリしてるし、ホームルームでは起立しないし。」
「え?またやった?」
「確かに今朝もボーッとしてたわね、麻希ちゃん。」
しまった!それじゃセンセにまた捕まる!うう、ちゃんとしてたつもりなんだけどなぁ。そういう私に全然隠せてなくて皆も心配してるって言う。えええ?皆から?!
「五十嵐になんかされてボーッとしてるのかと思ってたけど。」
あー、それで智美君が結構五十嵐君を阻止してたのかぁって言ったら、あんたそれじゃ智美が可哀想って香苗に言われてしまった。う、智美君には後で謝っておきます。そんなにボーッとしてるつもりなかったんだけどなぁ……それにしても皆でそんなに心配してくれたなんて、友達って本当に永遠の財産だねって誤魔化してみたけど、駄目だった。どうやら早紀ちゃんや香苗や智美君は先月のことがあってボーッとしてるんじゃって心配もしてたみたい。あ、そ、そうか、そこでも心配かけてるから、余計追求なんだ。違うと言ったら香苗の視線が変わってしまったのは何故?
「で?何があったわけ?従兄さんと。」
あうっ!なんでそこって言ったら、ここまで来たらそれしかないでしょって香苗が腕組みで言う。早紀ちゃんまでそうねぇって同意しちゃうし、ふえええ!心配もあって全く二人の追求の手が弛まなーい!
「そ、その、えっと……。」
うう、これってどこまで話していいものなの?って言うか話さないと駄目なもの?!何でもないから温かく見守ってって言うのは駄目ですか?駄目?ううう、どうしたらいいのーっ!
「この三人で隠し事はなしね?麻希子。」
うっ!その言葉は殺し文句だよ!香苗っ!
悪い人ではないとは思うんだよね、五十嵐君って。華やかな明るさは芸能人特有だからだって分かるんだけど、それだけで目を引いてるってことは理解しててそれを上手く利用してもいると思う。今日は智美君がお休みなので、チョコチョコ傍に来て話しかけてくるんだけど。
「源川って先輩が彼氏?」
「違います。」
キット誰かから聞き出したんだなって思いながら、あり得ませんと完全否定しておく。源川先輩は悪い人ではないし優しくて面倒みもいいお兄さんみたいな面もあるけど、去年は大分トラブルメーカーだった訳で。皆からは仲良くていいなぁって言われてるけど、絶対お兄さんにはしたくない。何でかお兄ちゃんと呼ばせたい節も感じるけど、絶対にやだ!ついでに言えば彼氏にはもっとしたくない。いや嫌いじゃないけど、全然嫌いじゃないんだけど、下手すると……あ、凄く手のかかる弟みたいなんだ!思わず独りで納得した私。
「校内にいるの?彼氏。」
「答える必要ないです。」
「いないのにいるって嘘ついてる?」
「何でそんな事する必要ありますか。」
ないなぁって笑う五十嵐君を眺めている他のクラスの子達が、チクチクする視線を投げてくる。やだなぁ、この視線。去年くらいから女の子のこの視線よく理解できるようになっちゃったなぁ、私。しかも、これの原因の男の人は気がつかないんだよね。
「女の子の視線が痛いんですよね、他の子とも均等に差別せず仲良くして下さい。」
「何で宮井さんは喜ばないのかなぁ?こんなにアプローチしてて。」
「五十嵐に魅力がないからだよ。」
あ、香苗の一言に周囲の空気が凍った。でも、正直に言うと私的には五十嵐君は異性として見てないと言うか、他のクラスメイトよりよく知らないわけで。それを魅力がないというなら、確かにそうなんだよね。
「宮井さんの彼氏は魅力的ってこと?」
「少なくとも麻希子が困ることは絶対しないから、今のあんたよりは魅力的だね。」
香苗、もしかして智美君が乗り移ってる?そう言いたくなるような一刀両断に、五十嵐君は困る?って問い返した。香苗はクラスの入り口に屯している他のクラスや学年の子達に、チラリと視線を投げる。
「あのギャラリーの前で麻希子だけ構われたら、麻希子が嫌な思いするとか考えれないの?あんた、芸能人でしょ?少しは状況見なよ。」
「……香苗。」
「麻希子はお人好しだからつきあってくれるけど、見ててウザい。この状況であえてやり続けてるのが、なおさらウザい。」
ひえええ!地味に香苗が怒ってるのに今気がついた。もしかしたら何かあのギャラリーからなんか言われてた?その可能性高いかもと思った私は、慌てて香苗の腕を掴んでバタバタと中庭に連れ出した。
「なぁに?も少し凹ませてやればいいんだよ。あいつ。」
「な、何で怒ってんの?香苗。」
私がそう言ったら丁度早紀ちゃんが追い付いてきて、大丈夫?って問いかける。で、何で怒ってんの?と聞き直したら、目の前の二人から呆れた顔で見つめられたのは何故?
「助けて損した。気がついてないんだ。」
「え?」
「麻希ちゃんたら、全然聞こえてなかったのね。」
二人が心底呆れたように言うのは、実は眺めに来てた子達が結構ヒソヒソ私の事を悪く言っていたのが聞こえていたんだって。久保ちゃんとか瑠璃ちゃん達も嫌な顔して聞いてて、もう限界って香苗があの行動に出たみたい。随分ながいあいだ魂が明後日にいたんだねと早紀ちゃんが苦笑いしていて、香苗が目を細める。
「で、先週からなんでそんなに心ここにあらずな訳?ボンヤリしてるし、ホームルームでは起立しないし。」
「え?またやった?」
「確かに今朝もボーッとしてたわね、麻希ちゃん。」
しまった!それじゃセンセにまた捕まる!うう、ちゃんとしてたつもりなんだけどなぁ。そういう私に全然隠せてなくて皆も心配してるって言う。えええ?皆から?!
「五十嵐になんかされてボーッとしてるのかと思ってたけど。」
あー、それで智美君が結構五十嵐君を阻止してたのかぁって言ったら、あんたそれじゃ智美が可哀想って香苗に言われてしまった。う、智美君には後で謝っておきます。そんなにボーッとしてるつもりなかったんだけどなぁ……それにしても皆でそんなに心配してくれたなんて、友達って本当に永遠の財産だねって誤魔化してみたけど、駄目だった。どうやら早紀ちゃんや香苗や智美君は先月のことがあってボーッとしてるんじゃって心配もしてたみたい。あ、そ、そうか、そこでも心配かけてるから、余計追求なんだ。違うと言ったら香苗の視線が変わってしまったのは何故?
「で?何があったわけ?従兄さんと。」
あうっ!なんでそこって言ったら、ここまで来たらそれしかないでしょって香苗が腕組みで言う。早紀ちゃんまでそうねぇって同意しちゃうし、ふえええ!心配もあって全く二人の追求の手が弛まなーい!
「そ、その、えっと……。」
うう、これってどこまで話していいものなの?って言うか話さないと駄目なもの?!何でもないから温かく見守ってって言うのは駄目ですか?駄目?ううう、どうしたらいいのーっ!
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