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二度目の5月
378.エリゲロン
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5月21日 日曜日
衛は少しずつ落ち着いてきている感じだけど、今日はお願いされて公園に一緒にきている。かけっこの練習を密かにするっていうから、うん、遠くから見守ります。流石に一緒に走る練習は出来ないなぁ。案外早いし、そして体力的に凄い……小学生の体力って底なし?
「早い?」
「早い!さっきより一秒早いよ。」
うーん、スマホのストップウォッチとはいえ、五十メートルで一秒って凄くない?衛がゼェゼェしながら私の隣に座って休憩してるのに、私はこれなら一着になれるねって笑うと衛は少し不満そうに呟く。
「でもね、徒競走は順位つかないんだよ?まーちゃん。」
「え?そうなの?」
「おかしいよね、六年生の競争では順位がつくのに、二年生は一年生と一緒でつかないんだよ。子供扱いだよ。」
あー、なるほど徒競走の順位って確か問題になったらしいんだよね。足が早い遅いで順位をつけるのはどうかって。私の時は順位があったけどなぁ、いつからそう変わったんだろ?それにしても全部の学年じゃなくて六年生は順位がつくの?なんで?ってよくよく聞いたら、六年生の競争って言うのは騎馬戦をやるらしい。それは確かに明確に勝ち負けがあるもんね。
「そうかもしれないけど、走ってるのは見てるから応援できるよ?」
「そうだけど、一番でも一番じゃないみたいで変だよ。」
難しいとこだよね、私なんか足が遅いからいっつも一番の香苗が羨ましかったし、かけっこ苦手だったから順位なんて要らないって思ってたけど。今になるとそれも思い出だもんね。
「香苗ちゃんってかけっこ一番だったの?まーちゃん。」
興味津々で話しかけてくる衛にそうだよって教えてあげる。あ、そうなの、いつのまにか衛は香苗と香苗ちゃん・衛ちゃんって呼びあってるし、早紀ちゃんとも早紀ちゃん・衛君って呼びあってるんだ。なんか衛が香苗ちゃん・早紀ちゃんって呼んでるの聞くと、可愛いんだよ?二人も衛の呼び方が可愛くって悶絶しながら、一口食べる?って昨日もだいぶ衛に自分のパフェとかケーキを食べさせてた。
衛ちゃんって、前も思ったけど智美バリに食べるようになりそうだよね?
って香苗にこっそりと言われたのはさておき。衛にとってはお姉ちゃんができたみたいな気分らしい。って、あれ?私はお姉ちゃんじゃないの?って内心思ったのはここだけの話。
「今も早い?」
「今はどうかなぁ?もっと早い子が一杯いるからね。」
「そうなんだ……。」
神妙な顔で言う衛に運動会のお弁当は何がいい?って聞く。
「えーとね、卵焼き、甘いの。」
「うん、後は?」
「唐揚げでしょ?後お稲荷さんでしょ、後はねぇ。」
んー、こういうところはヤッパリまだまだお子ちゃまだ。お弁当リクエストは聞いてると、完璧に子供が好きなおかずばっかりだもんね。唐揚げにタコさんウインナーにって、好きなもの一杯かんがえてる。お重に作るからいいけど、かなりボリュームありそうだなぁ。そんなことを笑いながら二人で話してたら、遠くから同級生かな?衛ーって大きな声がかかって、衛が視線をあげた。相手はいつも見る貴史君ではない子だけど、クラスメイトなのかな?元気に手を降ってるのに、衛がちょっと行ってくるねって駆け出す。二年生になって交遊関係も少し広くなったのかなぁ。そうだよね、もう黄色い安全帽子被ってないんだもんね、下の子達がいるから一つお兄さんになってるんだし。気がつくと身長だけじゃなくて、体も少しだけ大きくなったような気がする。男の子だもん、これからどんどん背ものびるんだろうなぁ、智美君も一気に身長伸びたんだしね。
大きくなったなぁ、なんか急に成長したみたいに感じちゃう。
こうやって私と公園に一緒にいくってのもだんだんと少なくなるのかもしれないし、衛だって一人で出掛けたり友達と遊んだりするようになっていくんだろうしね。だって今は雪ちゃんが入院してるから家に来てるけど、そうじゃなかったら一人でお留守番するのも増えてる。そんな風に色々考えながら衛の背中を眺めていると、少しだけなんだけど寂しくなってしまう気もする。
これって、あれかな?お母さんの心境ってやつ?
お母さんか。もしもだけど雪ちゃんと今結婚したら、今の衛のお母さんになるんだよね。衛は早くお嫁さんになってよって言ってるけど、一緒に住むとかってなっても嫌じゃないってことなのかな。まあちょくちょくお家には行ってるし、私の家にも泊まりに来てるから、衛としてはそれほど違和感のないことなのかもしれない。
「お姉さん、衛君の彼女ですか?」
へ?突然目の前に立った小学生の女の子に、唐突にそんなことを問いかけられたのに一瞬私は固まった。衛君って衛のこと?衛君の彼女?彼女って恋人の彼女ってこと?衛の?え?
目の前の女の子とクリクリに髪を巻いた可愛い子だけど、少し勝ち気そうな感じだ。私がポカーンとしていると、衛が遠くからあーっ!!っていいながら駆けつけてくる。
「なに変なこと聞いてんの?!恵ちゃんてば!!」
あー、この子が清子ちゃんとの永遠のライバル・恵ちゃんかぁ。衛がプンプンしながら私の前に立ち恵ちゃんから庇うのに、恵ちゃんの方は不機嫌そうに腕を組んでいる。
「変じゃないもん!恵が一緒に練習しようって言ったのに、衛君ってば断ってこの人と来たんじゃない。」
え?なにお誘い断ってたの?衛ってばもてるなぁって違った、私と来たから怒らせちゃったのか。うーん、これってどう返答したらいいのかなぁ。
「まーちゃんは、雪の奥さんになって僕のママになってくれる約束なんだよ!僕の大事な人なんだから、そんな風に言わないでよ!かけっこの練習見せたかったんだもん!」
おおお?!衛?!い、いや、間違ってはいないんだけど、大胆宣言された私はなんと反応していいのやら。子供の話なんだけども、しかも恵ちゃんって子はママって言葉に反応したみたいで、なんか急に大人しくしおらしくなっちゃうし。衛のママなの?って何人からも聞かれるし。こ、答えに困る……その予定ねって苦笑いするしかないのは仕方ないよね?
衛は少しずつ落ち着いてきている感じだけど、今日はお願いされて公園に一緒にきている。かけっこの練習を密かにするっていうから、うん、遠くから見守ります。流石に一緒に走る練習は出来ないなぁ。案外早いし、そして体力的に凄い……小学生の体力って底なし?
「早い?」
「早い!さっきより一秒早いよ。」
うーん、スマホのストップウォッチとはいえ、五十メートルで一秒って凄くない?衛がゼェゼェしながら私の隣に座って休憩してるのに、私はこれなら一着になれるねって笑うと衛は少し不満そうに呟く。
「でもね、徒競走は順位つかないんだよ?まーちゃん。」
「え?そうなの?」
「おかしいよね、六年生の競争では順位がつくのに、二年生は一年生と一緒でつかないんだよ。子供扱いだよ。」
あー、なるほど徒競走の順位って確か問題になったらしいんだよね。足が早い遅いで順位をつけるのはどうかって。私の時は順位があったけどなぁ、いつからそう変わったんだろ?それにしても全部の学年じゃなくて六年生は順位がつくの?なんで?ってよくよく聞いたら、六年生の競争って言うのは騎馬戦をやるらしい。それは確かに明確に勝ち負けがあるもんね。
「そうかもしれないけど、走ってるのは見てるから応援できるよ?」
「そうだけど、一番でも一番じゃないみたいで変だよ。」
難しいとこだよね、私なんか足が遅いからいっつも一番の香苗が羨ましかったし、かけっこ苦手だったから順位なんて要らないって思ってたけど。今になるとそれも思い出だもんね。
「香苗ちゃんってかけっこ一番だったの?まーちゃん。」
興味津々で話しかけてくる衛にそうだよって教えてあげる。あ、そうなの、いつのまにか衛は香苗と香苗ちゃん・衛ちゃんって呼びあってるし、早紀ちゃんとも早紀ちゃん・衛君って呼びあってるんだ。なんか衛が香苗ちゃん・早紀ちゃんって呼んでるの聞くと、可愛いんだよ?二人も衛の呼び方が可愛くって悶絶しながら、一口食べる?って昨日もだいぶ衛に自分のパフェとかケーキを食べさせてた。
衛ちゃんって、前も思ったけど智美バリに食べるようになりそうだよね?
って香苗にこっそりと言われたのはさておき。衛にとってはお姉ちゃんができたみたいな気分らしい。って、あれ?私はお姉ちゃんじゃないの?って内心思ったのはここだけの話。
「今も早い?」
「今はどうかなぁ?もっと早い子が一杯いるからね。」
「そうなんだ……。」
神妙な顔で言う衛に運動会のお弁当は何がいい?って聞く。
「えーとね、卵焼き、甘いの。」
「うん、後は?」
「唐揚げでしょ?後お稲荷さんでしょ、後はねぇ。」
んー、こういうところはヤッパリまだまだお子ちゃまだ。お弁当リクエストは聞いてると、完璧に子供が好きなおかずばっかりだもんね。唐揚げにタコさんウインナーにって、好きなもの一杯かんがえてる。お重に作るからいいけど、かなりボリュームありそうだなぁ。そんなことを笑いながら二人で話してたら、遠くから同級生かな?衛ーって大きな声がかかって、衛が視線をあげた。相手はいつも見る貴史君ではない子だけど、クラスメイトなのかな?元気に手を降ってるのに、衛がちょっと行ってくるねって駆け出す。二年生になって交遊関係も少し広くなったのかなぁ。そうだよね、もう黄色い安全帽子被ってないんだもんね、下の子達がいるから一つお兄さんになってるんだし。気がつくと身長だけじゃなくて、体も少しだけ大きくなったような気がする。男の子だもん、これからどんどん背ものびるんだろうなぁ、智美君も一気に身長伸びたんだしね。
大きくなったなぁ、なんか急に成長したみたいに感じちゃう。
こうやって私と公園に一緒にいくってのもだんだんと少なくなるのかもしれないし、衛だって一人で出掛けたり友達と遊んだりするようになっていくんだろうしね。だって今は雪ちゃんが入院してるから家に来てるけど、そうじゃなかったら一人でお留守番するのも増えてる。そんな風に色々考えながら衛の背中を眺めていると、少しだけなんだけど寂しくなってしまう気もする。
これって、あれかな?お母さんの心境ってやつ?
お母さんか。もしもだけど雪ちゃんと今結婚したら、今の衛のお母さんになるんだよね。衛は早くお嫁さんになってよって言ってるけど、一緒に住むとかってなっても嫌じゃないってことなのかな。まあちょくちょくお家には行ってるし、私の家にも泊まりに来てるから、衛としてはそれほど違和感のないことなのかもしれない。
「お姉さん、衛君の彼女ですか?」
へ?突然目の前に立った小学生の女の子に、唐突にそんなことを問いかけられたのに一瞬私は固まった。衛君って衛のこと?衛君の彼女?彼女って恋人の彼女ってこと?衛の?え?
目の前の女の子とクリクリに髪を巻いた可愛い子だけど、少し勝ち気そうな感じだ。私がポカーンとしていると、衛が遠くからあーっ!!っていいながら駆けつけてくる。
「なに変なこと聞いてんの?!恵ちゃんてば!!」
あー、この子が清子ちゃんとの永遠のライバル・恵ちゃんかぁ。衛がプンプンしながら私の前に立ち恵ちゃんから庇うのに、恵ちゃんの方は不機嫌そうに腕を組んでいる。
「変じゃないもん!恵が一緒に練習しようって言ったのに、衛君ってば断ってこの人と来たんじゃない。」
え?なにお誘い断ってたの?衛ってばもてるなぁって違った、私と来たから怒らせちゃったのか。うーん、これってどう返答したらいいのかなぁ。
「まーちゃんは、雪の奥さんになって僕のママになってくれる約束なんだよ!僕の大事な人なんだから、そんな風に言わないでよ!かけっこの練習見せたかったんだもん!」
おおお?!衛?!い、いや、間違ってはいないんだけど、大胆宣言された私はなんと反応していいのやら。子供の話なんだけども、しかも恵ちゃんって子はママって言葉に反応したみたいで、なんか急に大人しくしおらしくなっちゃうし。衛のママなの?って何人からも聞かれるし。こ、答えに困る……その予定ねって苦笑いするしかないのは仕方ないよね?
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