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6月
27.アストランチア
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穏やかに日々が過ぎて週末の金曜日。あれから香苗は休んだままだし、LINEはブロックしてあるから私も気にしてない。見たら恐ろしい事になってそうだけど、既読もつかないから諦めてくれるのを内心期待している。もう、私に話さないで木内梓にLINEすればいいんだよ。
家に帰ってみると家の中から、雪ちゃんの奥さんの連れ子宇野衛が家の奥から勢いよく駆け出してきた。衛は今年小学校に入ったばかりだけど、昔から凄い人見知りでなかなか人には懐かない。うちの家族でもパパでもママでもなく一番私に懐いていて、私が目の前にいれば私にべったりだ。
義理の父親に当たる従兄の宇野 智雪に言わせれば、何処か私が死んだ衛のママに似ているらしい。でも、私も雪ちゃんの奥さんにはほんの数えるくらい少ししか会った事がないからそれがどうかはわからない。
ママが何時か雪ちゃんの奥さんの事を話していて、雪ちゃんの奥さんはママよりずっと年上で、雪ちゃんより20才以上も年上だったって。ママは結婚した時にはもう奥さんは病気がわかっていたんじゃないかって言ってたけど、それでも結婚するほど雪ちゃんが大好きだったんだって思うと私は奥さんって凄い好い人だったんだろうなって思う。
「まー来てたんだ?雪ちゃんはお仕事?」
うんうんと頷く衛はまだ小さいとは言え、片足に張り付くみたいにしてまとわりついて私を見上げる。
可愛いんだけど、歩きづらい。
愛の渇きっていうかママがいない分愛情が足りないんだろうか。その年ってママにまだたくさん甘えたいだろうし、義理とはいえお父さんの雪ちゃんはあんなポヤヤンだから衛は甘えにくいのかも。やっぱりまだ父親役に雪ちゃんでは、馴染みきってないのかもしれない。
「まー、歩けないよ。」
「まーちゃん、雪は、僕が学校でお友達作れないと困るの?」
凄く神妙な顔で聞いてくる衛の顔を見下ろす。
まだ衛は雪ちゃんの事を雪って呼んでる。お父さんともパパとも呼べない衛の気持ちは凄く複雑なんだろうな。だって、雪ちゃんが衛のママと結婚して一緒に暮らし始めてほんの2ヶ月かそこらで彼女は病気で入院しちゃったんだもん。それから奥さんが亡くなるまでは、ビックリするくらいあっという間のことだった。だから、衛が3人家族だったのは半年も無かったはずだ。
まるで足をそのままよじ登るんじゃないかってくらいしっかりしがみ付いてる衛を引き剥がしながら、しゃがみ込んで同じ目線になる。
「まーは学校楽しい?」
「楽しくない…。」
そうだよね、通い始めたばっかりじゃ、知らないことばっかりで不安だよ。しかも、衛は人見知りだから余計聞きたいことも聞けないし、知らない人の中でポツンとしてるんだろうなぁ。雪ちゃん、そこまで気が回らないしなぁ。
「学校に慣れて楽しくなるとお友達も出来るよ?だから頑張って楽しくしようね。」
「どうすればいいの?」
うーん、どうしたらいいのかな?少し考えてみるけど私も大してい考えがあるわけじゃない。私は小学校の時どうしてたんだっけ?流石に小さすぎてあんまり記憶にないかも。でもそんな私の頭の中にふっと頭の中に、綺麗な早紀ちゃんの笑顔が浮かんで私は思わす微笑んだ。
「じゃあね?朝会ったら誰でもいいから元気におはようって大きな声で言ってごらん?出来る?」
少し衛は俯いて考え込んだ。
人見知りの衛にはやっぱりハードル高い?難しいかな?そう思った瞬間、何だか少し決心したようなキラキラの眼で衛は真っ直ぐに私の顔を覗き込む。
「うん…頑張ってみる、僕。まーちゃんもそうしたの?」
素直なその言葉に私はそうだよと笑いながら、柔らかい猫っ毛の髪をしたその頭をぽんぽんと撫でてやった。衛は嬉しそうに、それでも決意したと手を胸の前で握りながら頑張るともう一度宣言する。
可愛いなぁ、衛は。
衛のママはどんな風に思って病気してたのかな?こんなに可愛いから病気で辛いのより悲しかったんじゃないかなって思う。当たり前みたいに一緒にいられるはずだったのに、こんな風にあっという間にお別れしなきゃならないなんて、人間って弱いものなんだなぁ。
「まーちゃん、まーちゃんママがね、まーちゃんいいならまーと一緒に寝て良いって!まーちゃん、まーと寝るのいいよね?!」
あはは、「ま」ばっかり。衛も麻希子も衛が呼ぶときまーとまーだから仕方がないんだけど、私の事をまーちゃんって最初読んでたのは雪ちゃんなのだ。今でこそ麻希ちゃんって呼ぶようになったけど、結婚する前はずっとまーちゃんだった。要約すると麻希子、麻希子のお母さんがね、麻希子が良いって言ったら衛も一緒に寝て良いって言ってる。麻希子は衛と寝るのでいいよね?だ。
私は小さい頭を腕でガシッと抱え込み衛の小さな頭をワシャワシャと乱暴に撫で回す。
「寝ても良いけど、おねしょするなよーっ!!」
「きゃははは!おねしょなんかまーしないもん!まーちゃんこそおねしょするなよーっ!」
「何おーっまーちゃんはとっくにおねしょは卒業したんですぅ!まーとは違いますぅ!!」
その言葉にほんとー?!って衛の尊敬のキラキラ視線が、おかしくって可愛くって仕方がない。こんな弟だったら何時でも欲しい!
家に帰ってみると家の中から、雪ちゃんの奥さんの連れ子宇野衛が家の奥から勢いよく駆け出してきた。衛は今年小学校に入ったばかりだけど、昔から凄い人見知りでなかなか人には懐かない。うちの家族でもパパでもママでもなく一番私に懐いていて、私が目の前にいれば私にべったりだ。
義理の父親に当たる従兄の宇野 智雪に言わせれば、何処か私が死んだ衛のママに似ているらしい。でも、私も雪ちゃんの奥さんにはほんの数えるくらい少ししか会った事がないからそれがどうかはわからない。
ママが何時か雪ちゃんの奥さんの事を話していて、雪ちゃんの奥さんはママよりずっと年上で、雪ちゃんより20才以上も年上だったって。ママは結婚した時にはもう奥さんは病気がわかっていたんじゃないかって言ってたけど、それでも結婚するほど雪ちゃんが大好きだったんだって思うと私は奥さんって凄い好い人だったんだろうなって思う。
「まー来てたんだ?雪ちゃんはお仕事?」
うんうんと頷く衛はまだ小さいとは言え、片足に張り付くみたいにしてまとわりついて私を見上げる。
可愛いんだけど、歩きづらい。
愛の渇きっていうかママがいない分愛情が足りないんだろうか。その年ってママにまだたくさん甘えたいだろうし、義理とはいえお父さんの雪ちゃんはあんなポヤヤンだから衛は甘えにくいのかも。やっぱりまだ父親役に雪ちゃんでは、馴染みきってないのかもしれない。
「まー、歩けないよ。」
「まーちゃん、雪は、僕が学校でお友達作れないと困るの?」
凄く神妙な顔で聞いてくる衛の顔を見下ろす。
まだ衛は雪ちゃんの事を雪って呼んでる。お父さんともパパとも呼べない衛の気持ちは凄く複雑なんだろうな。だって、雪ちゃんが衛のママと結婚して一緒に暮らし始めてほんの2ヶ月かそこらで彼女は病気で入院しちゃったんだもん。それから奥さんが亡くなるまでは、ビックリするくらいあっという間のことだった。だから、衛が3人家族だったのは半年も無かったはずだ。
まるで足をそのままよじ登るんじゃないかってくらいしっかりしがみ付いてる衛を引き剥がしながら、しゃがみ込んで同じ目線になる。
「まーは学校楽しい?」
「楽しくない…。」
そうだよね、通い始めたばっかりじゃ、知らないことばっかりで不安だよ。しかも、衛は人見知りだから余計聞きたいことも聞けないし、知らない人の中でポツンとしてるんだろうなぁ。雪ちゃん、そこまで気が回らないしなぁ。
「学校に慣れて楽しくなるとお友達も出来るよ?だから頑張って楽しくしようね。」
「どうすればいいの?」
うーん、どうしたらいいのかな?少し考えてみるけど私も大してい考えがあるわけじゃない。私は小学校の時どうしてたんだっけ?流石に小さすぎてあんまり記憶にないかも。でもそんな私の頭の中にふっと頭の中に、綺麗な早紀ちゃんの笑顔が浮かんで私は思わす微笑んだ。
「じゃあね?朝会ったら誰でもいいから元気におはようって大きな声で言ってごらん?出来る?」
少し衛は俯いて考え込んだ。
人見知りの衛にはやっぱりハードル高い?難しいかな?そう思った瞬間、何だか少し決心したようなキラキラの眼で衛は真っ直ぐに私の顔を覗き込む。
「うん…頑張ってみる、僕。まーちゃんもそうしたの?」
素直なその言葉に私はそうだよと笑いながら、柔らかい猫っ毛の髪をしたその頭をぽんぽんと撫でてやった。衛は嬉しそうに、それでも決意したと手を胸の前で握りながら頑張るともう一度宣言する。
可愛いなぁ、衛は。
衛のママはどんな風に思って病気してたのかな?こんなに可愛いから病気で辛いのより悲しかったんじゃないかなって思う。当たり前みたいに一緒にいられるはずだったのに、こんな風にあっという間にお別れしなきゃならないなんて、人間って弱いものなんだなぁ。
「まーちゃん、まーちゃんママがね、まーちゃんいいならまーと一緒に寝て良いって!まーちゃん、まーと寝るのいいよね?!」
あはは、「ま」ばっかり。衛も麻希子も衛が呼ぶときまーとまーだから仕方がないんだけど、私の事をまーちゃんって最初読んでたのは雪ちゃんなのだ。今でこそ麻希ちゃんって呼ぶようになったけど、結婚する前はずっとまーちゃんだった。要約すると麻希子、麻希子のお母さんがね、麻希子が良いって言ったら衛も一緒に寝て良いって言ってる。麻希子は衛と寝るのでいいよね?だ。
私は小さい頭を腕でガシッと抱え込み衛の小さな頭をワシャワシャと乱暴に撫で回す。
「寝ても良いけど、おねしょするなよーっ!!」
「きゃははは!おねしょなんかまーしないもん!まーちゃんこそおねしょするなよーっ!」
「何おーっまーちゃんはとっくにおねしょは卒業したんですぅ!まーとは違いますぅ!!」
その言葉にほんとー?!って衛の尊敬のキラキラ視線が、おかしくって可愛くって仕方がない。こんな弟だったら何時でも欲しい!
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