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7月
63.セイヨウイワナンテン
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気持ちの落ち着かないまま迎えてしまった週末。どんよりした曇り空は私の心そのままで、今にも雨が振りだしそうだ。明日衛のおねだりでピクニックする予定だけど、こんな気持ちで楽しくなんて出来るのだろうか。今の私は早紀ちゃんの事も雪ちゃんの事も、自分の事すらすっきりしていない。その上こんな悩みだらけの状況なのに、もう直ぐ夏休みになってしまう。今のこのままの状態で夏休みにはいったら、私と早紀ちゃんはどうなっちゃうんだろう。夏休みになってもこのまま何も変わんないのか、それとも凄く変わってしまうのか私にはわからない。
※※※
前日、気がついてしまった休憩の教室の喧騒の中で、私は主のいない寂しげな席を眺める。早紀ちゃんは今どうしてるのか、何処にいるのか私にはわかんない。こんな時私はどうしたらいいんだろう。
教室に戻ってきた叫ぶような木内梓のけたたましい怒りの声とその一団の笑い声が凄く耳に障る。早紀ちゃんの悪口で盛り上がるその声が凄く癇に障って仕方がない。
「節制とかって言う言葉を知らないないの?節度とかさあぁ?」
「大人しい顔して、色仕掛けしてんだよ、最悪ーっ!」
「澄ました顔してもうやることやってんでしょ?!」
違う、早紀ちゃんはそんな子じゃない。
そんな事を思いながらも、何も出来ないで座ったままの自分が凄く嫌だ。何かしなきゃって思ってるのに悔しくて悲しくて泣きたくなる私の視線と、その話の傍にいるのに口を開いていない香苗の暗い視線が突然かち合う。香苗の目は何でかそんな事したくない、やめたいっていってるような気がして私は息を飲んだ。今までと違う香苗の悲しそうな視線は、やがて諦めたように俯いて私の視線をを解放する。
そんな時ふと教室の中に戻って来た真見塚君と偶然真っ直ぐに目があった。真見塚君の何かいいたそうな視線。私に何か言いたそうに見つめているのに、私も問いかけてしまえばいいのに、真見塚君の真っ直ぐな視線の鋭さに一瞬たじろいでしまう。
私はどうしたらいいの?
ただそう思いながらその視線を見つめ返した私には、まだどうしたらいいのか全然わからないままでいた。真見塚君は暫くして視線を木内梓達に少し向けると、何も言わずに席に歩いていく。木内梓達の騒ぐ声は耳に入っている風だけど、何かしようとは考えていないみたいだった。
その後で香坂君が杖をつきながら戻ってきて、少し不思議な視線でまた木内梓を眺める。その視線はまるで何かを見透かしているみたいで、木内梓達も一瞬黙りこんだけど香坂君が視線をそらしたから最初のように騒ぎ始めていた。
全部見ていて、私は何もできないまま早紀ちゃんが目を真っ赤にして戻るまで座ったままだ。本当に私は何にもできないままだった。
※※※
そのまま、私は結局トボトボと帰宅してしまった。真っ赤な目をした早紀ちゃんとは何も話せていないし、何で泣いたのかも何が起きているのかも直接話すことができていない。
LINEとかで話をするのも考えたけど、早紀ちゃんの顔を見ながらでないと、きっと早紀ちゃんは本当の事どころか大丈夫ってしか言わない気がする。
私が真見塚君みたいに合気道とか出来たら直ぐ様助けに走っていけるんだろうか。でも、私にそんな事出来たとして、真見塚君みたいに躊躇うこともなく真っ直ぐに歩いて行けるんだろうか。
きっと自分が虐められても辛いけど、大事な友達が虐められてるって知るのも凄く辛い。助けたいのにどうしたら助けられるのか分からない。
先生に助けて貰う?でも、土志田先生はずっとクラスの事を見てる訳じゃない。真見塚君に助けて貰うにしたって、相手が女の子じゃ真見塚君だって合気道を使うわけにはいかないし。
そこまで考えてから、私は自分の考えている事に気がついて目を見開いた。私が考えているのは全部真見塚君や土志田先生みたいに誰かに助けて貰う事ばかりで、自分が何かすることじゃない。私は怖いから誰かに助けて貰うことばかり考えているのが、何だか凄く腹立たしくなった。泣きたいのに泣くのもただ逃げているみたいで、私はクッションを何ともボスボスと叩きながら唸った。
何とかしたいよ!何とか!!
ウンウン唸りながらクッションを叩いているうちに、いつの間にか私は泣き出し始めている。何とかって何なのと自分でも思う。こんな時雪ちゃんだったらどうするんだろう。そんなことを泣きながら私は思っていた。
※※※
前日、気がついてしまった休憩の教室の喧騒の中で、私は主のいない寂しげな席を眺める。早紀ちゃんは今どうしてるのか、何処にいるのか私にはわかんない。こんな時私はどうしたらいいんだろう。
教室に戻ってきた叫ぶような木内梓のけたたましい怒りの声とその一団の笑い声が凄く耳に障る。早紀ちゃんの悪口で盛り上がるその声が凄く癇に障って仕方がない。
「節制とかって言う言葉を知らないないの?節度とかさあぁ?」
「大人しい顔して、色仕掛けしてんだよ、最悪ーっ!」
「澄ました顔してもうやることやってんでしょ?!」
違う、早紀ちゃんはそんな子じゃない。
そんな事を思いながらも、何も出来ないで座ったままの自分が凄く嫌だ。何かしなきゃって思ってるのに悔しくて悲しくて泣きたくなる私の視線と、その話の傍にいるのに口を開いていない香苗の暗い視線が突然かち合う。香苗の目は何でかそんな事したくない、やめたいっていってるような気がして私は息を飲んだ。今までと違う香苗の悲しそうな視線は、やがて諦めたように俯いて私の視線をを解放する。
そんな時ふと教室の中に戻って来た真見塚君と偶然真っ直ぐに目があった。真見塚君の何かいいたそうな視線。私に何か言いたそうに見つめているのに、私も問いかけてしまえばいいのに、真見塚君の真っ直ぐな視線の鋭さに一瞬たじろいでしまう。
私はどうしたらいいの?
ただそう思いながらその視線を見つめ返した私には、まだどうしたらいいのか全然わからないままでいた。真見塚君は暫くして視線を木内梓達に少し向けると、何も言わずに席に歩いていく。木内梓達の騒ぐ声は耳に入っている風だけど、何かしようとは考えていないみたいだった。
その後で香坂君が杖をつきながら戻ってきて、少し不思議な視線でまた木内梓を眺める。その視線はまるで何かを見透かしているみたいで、木内梓達も一瞬黙りこんだけど香坂君が視線をそらしたから最初のように騒ぎ始めていた。
全部見ていて、私は何もできないまま早紀ちゃんが目を真っ赤にして戻るまで座ったままだ。本当に私は何にもできないままだった。
※※※
そのまま、私は結局トボトボと帰宅してしまった。真っ赤な目をした早紀ちゃんとは何も話せていないし、何で泣いたのかも何が起きているのかも直接話すことができていない。
LINEとかで話をするのも考えたけど、早紀ちゃんの顔を見ながらでないと、きっと早紀ちゃんは本当の事どころか大丈夫ってしか言わない気がする。
私が真見塚君みたいに合気道とか出来たら直ぐ様助けに走っていけるんだろうか。でも、私にそんな事出来たとして、真見塚君みたいに躊躇うこともなく真っ直ぐに歩いて行けるんだろうか。
きっと自分が虐められても辛いけど、大事な友達が虐められてるって知るのも凄く辛い。助けたいのにどうしたら助けられるのか分からない。
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そこまで考えてから、私は自分の考えている事に気がついて目を見開いた。私が考えているのは全部真見塚君や土志田先生みたいに誰かに助けて貰う事ばかりで、自分が何かすることじゃない。私は怖いから誰かに助けて貰うことばかり考えているのが、何だか凄く腹立たしくなった。泣きたいのに泣くのもただ逃げているみたいで、私はクッションを何ともボスボスと叩きながら唸った。
何とかしたいよ!何とか!!
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