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しんや
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屈辱的な食事の後、流石に体力の限界が近い俺を雪兎は手早く洗い、ベッドに放り込んだ。
食事、風呂、就寝。という順番は至って普通で、薄明かりが無いと眠れないなんていうのも非常識なことではない。非常識で異常なのは俺の身体の疼きだけ、薬の強力さと持続時間だけ。
「んっ、ふっ、ふっ……んっ! んんっ……ふーっ……」
俺はベッドにうつ伏せになり、枕に顔を埋め、シーツに性器を擦り付けていた。肉球付きの分厚いグローブをはめた手では上手く快楽が得られず、こうやって腰を擦り付けている方が絶頂が早いのだ。
痛いくらいに勃った乳首も一緒に擦れるし、腰を動かすから尻尾飾りも微かに揺れる。太腿を擽る尻尾の毛、前立腺を僅かに刺激する張形、その二つがいい具合の快楽を与えてくれた。
「ん…………もっかい……」
後ろの玩具が刺激を与え過ぎると動けなくなって、全く刺激が与えられないと物寂しい。だから少し焦らすくらいが薬の効いた今の身体には丁度良い。
「ん、ふっ……んんっ、んーっ! んっ……」
いつもなら妄想を元に自慰をするところだが、薬のせいで敏感になった身体はただ刺激するだけで容易く絶頂するし、何より考える頭が無い。思考が蕩けてしまって、瞼の裏に雪兎の顔を浮かべるだけで精一杯だ。
「ポチー……? もう寝た?」
いや、声も再現出来ている。このまま雪兎に虐められる妄想が出来れば満足度が高まるのだが……
「ポチ? 何……物足りなかったの?」
毛布が捲られる感覚があって、腰を止めて顔を上げる──オレンジ色にしたはずの灯は白く輝いて部屋を照らしていた。
「ぁ……ゆき、さま? 本物……?」
「本物って何さ、また僕オカズにしてたの?」
「しようとは、したんですけど……頭すぐふわふわになっちゃって」
雪兎は風呂に入るだとかデザートを楽しむだとか言っていたから、少しの間ならいいだろうと思っていたが、どうやら俺は思っていたより長く自慰に耽っていたらしい。
「本っ当に効き目すごいねー……変な副作用無いっての嘘なんじゃないの……」
「ぁっ……あ、ユキ様ぁ……もっと…………ひぁんっ!」
雪兎の手が背を撫でる。枕を抱き締めているせいで上に出張った肩甲骨を掴むように撫で、背筋を指でなぞり、尻尾飾りの毛を軽く引っ張った。
「急に……それ、さわっちゃ、ダメぇ……」
「あはっ、可愛い顔して可愛い声出して……ダメって言ったら逆効果なの知ってるでしょ? まだして欲しいの?」
「ぁ、あっ! んっ! ゃ、ぁあっ、やぁっ!」
くい、くい、と不規則に尻尾飾りの毛が色んな方向に引っ張られ、凹凸が中を刺激する。
「ちょっと尻尾触っただけでこんなに感じるなんて、ポチったら本当に淫乱なわんちゃん。今日一日ほとんど気持ちいいことしてたでしょ? それでもまだ欲しいの?」
「はい……ユキ様ぁっ……ください」
「何が欲しいの?」
「あっ、ぁ……なんれも……いいれす……ひぁっ、まって、まだ話して……ひぁんっ!」
尻尾飾りを弄ぶ手が激しさを増して、俺は言葉を奪われる。媚びることすら出来ずに勝手に漏れる声を聞かせて、欲しがり続けた。
「……鞭、やってみようか」
「はぁっ、はぁっ……むち? って……叩く、やつ……?」
「そ、ド淫乱なポチを躾けるにはぴったりでしょ? 飼い主にねだってばっかりのバカ犬にはお仕置きしないと」
「おしおき……」
雪兎の手が尻尾飾りを離れ、尻を撫でる。むにむにと力強く揉まれ、また声を上げる。
「この欲張りなお尻引っぱたくの、僕以外も誘惑しちゃうダメなペットには優しいくらいだよね? どう? ポチ、鞭欲しい?」
雪兎の手が身体から離れ、寂しさと疼きが同時に沸き上がる。
「ほしい、です。お仕置き……してください」
「うん! そう来なくっちゃ! どうせ鞭でのお仕置きは決めてたことだし、薬効いてる間に慣れた方がいいよね。今しっかり覚えて、薬抜けた後も感じるようになってね」
雪兎が部屋を出ていき、足音が遠ざかり、俺は再び腰を揺らし始めた。
未知の快楽を予告されて熱くなった身体が勝手に快楽を求めて、雪兎を待とうという理性が負ける。
帰ってきた足音を聞いても腰は止まらなかった。
食事、風呂、就寝。という順番は至って普通で、薄明かりが無いと眠れないなんていうのも非常識なことではない。非常識で異常なのは俺の身体の疼きだけ、薬の強力さと持続時間だけ。
「んっ、ふっ、ふっ……んっ! んんっ……ふーっ……」
俺はベッドにうつ伏せになり、枕に顔を埋め、シーツに性器を擦り付けていた。肉球付きの分厚いグローブをはめた手では上手く快楽が得られず、こうやって腰を擦り付けている方が絶頂が早いのだ。
痛いくらいに勃った乳首も一緒に擦れるし、腰を動かすから尻尾飾りも微かに揺れる。太腿を擽る尻尾の毛、前立腺を僅かに刺激する張形、その二つがいい具合の快楽を与えてくれた。
「ん…………もっかい……」
後ろの玩具が刺激を与え過ぎると動けなくなって、全く刺激が与えられないと物寂しい。だから少し焦らすくらいが薬の効いた今の身体には丁度良い。
「ん、ふっ……んんっ、んーっ! んっ……」
いつもなら妄想を元に自慰をするところだが、薬のせいで敏感になった身体はただ刺激するだけで容易く絶頂するし、何より考える頭が無い。思考が蕩けてしまって、瞼の裏に雪兎の顔を浮かべるだけで精一杯だ。
「ポチー……? もう寝た?」
いや、声も再現出来ている。このまま雪兎に虐められる妄想が出来れば満足度が高まるのだが……
「ポチ? 何……物足りなかったの?」
毛布が捲られる感覚があって、腰を止めて顔を上げる──オレンジ色にしたはずの灯は白く輝いて部屋を照らしていた。
「ぁ……ゆき、さま? 本物……?」
「本物って何さ、また僕オカズにしてたの?」
「しようとは、したんですけど……頭すぐふわふわになっちゃって」
雪兎は風呂に入るだとかデザートを楽しむだとか言っていたから、少しの間ならいいだろうと思っていたが、どうやら俺は思っていたより長く自慰に耽っていたらしい。
「本っ当に効き目すごいねー……変な副作用無いっての嘘なんじゃないの……」
「ぁっ……あ、ユキ様ぁ……もっと…………ひぁんっ!」
雪兎の手が背を撫でる。枕を抱き締めているせいで上に出張った肩甲骨を掴むように撫で、背筋を指でなぞり、尻尾飾りの毛を軽く引っ張った。
「急に……それ、さわっちゃ、ダメぇ……」
「あはっ、可愛い顔して可愛い声出して……ダメって言ったら逆効果なの知ってるでしょ? まだして欲しいの?」
「ぁ、あっ! んっ! ゃ、ぁあっ、やぁっ!」
くい、くい、と不規則に尻尾飾りの毛が色んな方向に引っ張られ、凹凸が中を刺激する。
「ちょっと尻尾触っただけでこんなに感じるなんて、ポチったら本当に淫乱なわんちゃん。今日一日ほとんど気持ちいいことしてたでしょ? それでもまだ欲しいの?」
「はい……ユキ様ぁっ……ください」
「何が欲しいの?」
「あっ、ぁ……なんれも……いいれす……ひぁっ、まって、まだ話して……ひぁんっ!」
尻尾飾りを弄ぶ手が激しさを増して、俺は言葉を奪われる。媚びることすら出来ずに勝手に漏れる声を聞かせて、欲しがり続けた。
「……鞭、やってみようか」
「はぁっ、はぁっ……むち? って……叩く、やつ……?」
「そ、ド淫乱なポチを躾けるにはぴったりでしょ? 飼い主にねだってばっかりのバカ犬にはお仕置きしないと」
「おしおき……」
雪兎の手が尻尾飾りを離れ、尻を撫でる。むにむにと力強く揉まれ、また声を上げる。
「この欲張りなお尻引っぱたくの、僕以外も誘惑しちゃうダメなペットには優しいくらいだよね? どう? ポチ、鞭欲しい?」
雪兎の手が身体から離れ、寂しさと疼きが同時に沸き上がる。
「ほしい、です。お仕置き……してください」
「うん! そう来なくっちゃ! どうせ鞭でのお仕置きは決めてたことだし、薬効いてる間に慣れた方がいいよね。今しっかり覚えて、薬抜けた後も感じるようになってね」
雪兎が部屋を出ていき、足音が遠ざかり、俺は再び腰を揺らし始めた。
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帰ってきた足音を聞いても腰は止まらなかった。
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