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幼馴染の彼氏の安全のために嘘をついてみた
太い腕に抱き締められ、たくましい胸筋に顔を押し付けさせられ、自分にはない雄としての強さを主張される。
「ん、んぅうっ……ん、んん……!」
力強い指にスラックスと下着の上かる尻穴の入口をこねられ、甘えた声を漏らしてしまう。
「……分かったか? ノゾムは俺のものだ。お前のような地味な女に取れると思うな」
「ゃ、あぁっ……せん、ぱっ……」
少し前までミチの陰茎をしゃぶっていて尻穴が疼いていた。それなのに入口だけをこねられては更に焦れったくなってしまう。
「お熱いねーご両人、悪いけど今から晩飯なんだ、後にしてくれ」
レンがそうめんの入った透明の大きな器を持ってやってくる。器は机の真ん中を占拠し、俺達に涼しさを与えた。
「薬味もあるから心配すんなよ、今持ってくる」
「……待て、茶髪。何故この女を呼んだ? この女の目的は何だ? お前がノゾムを紹介してやるとでも言ったのか?」
「んなわけねぇじゃん」
深いため息をついたレンはミチの肩に腕を回す。
「この子は俺の彼女。な、みっちゃん」
ミチのふわふわした柔らかい頬に唇を一瞬触れさせる。ミチは声にならない悲鳴を上げて顔を真っ赤にし、レンから離れようと弱々しく抵抗する。
「…………そうだったのか、悪かった。すまなかったな、ミチコ……だったか」
「じゃ、薬味取ってくる……あ、みっちゃん。量多いから手伝ってくれ」
レンがミチを引っ張って室内へ戻っていく、きっと口裏合わせをするのだろう。
「……あの茶髪は俺とお前が付き合ってるのを知ってるのだから、奴が恋人を呼ぶのは当然だな。少し神経質になってる……ごめんな、ノゾム」
二人を見て触発されたのかセンパイは身を屈めて俺の頬にキスをした。俺はセンパイのことも好きなはずなのに、その行為で抱いたのは「レンの唇はもっと柔らかいのだろう」という下衆な感想のみだった。
「…………愛してる」
レンが俺の頬にキスしてくれたことなんてあったっけ?
「……今日も明日も快晴だ、七夕日和だな。笹……願いごとを書くんだったな、お前との未来は願うまでもなく約束されてる……お前を養うため、出世しますようにとでも書こうか?」
もしかしたらレンは本当にミチを好きになってしまったんじゃないか? 俺のことを好きだったレンは、俺が酷い裏切りばかりしてしまったから、俺に愛想を尽かして──あぁ、よく聞く話だ、恋愛相談をしている者とされている者がくっつくなんて。
「も、持ってきたよ……」
ミチも顔を赤くしていた。俺のことが好きだと言っていたくせに、レンにキスされて照れていた。満更でもなかったんじゃないのか? 酷い裏切りばかりの俺よりも優しいレンに乗り換えたくなるのは当然の思考だ。
「あ、やべ、箸忘れた」
「お、おつゆも……ぁ、ぼ、僕も一緒に行く……」
浮気者めと罵る権利は俺にはない。俺と居るよりよっぽど幸せだ。二人がくっついてくれたら残る問題は担任だけになる、俺にとってもいいことだ。
だったらなんだ? ミチは俺の彼氏だし、レンは俺の初恋の人だ。その二人がくっつくなんて許せない。
「……ノゾム? どこへ行く」
「ちょっと、トイレ」
自分が最低なのは分かっている、ガキなのも、バカなのも、何もかも分かっているのに心が納得してくれない。
「レン、ミチ」
「お、もち。割り箸でいいよな、そうめんだし」
スーパーやコンビニでもらえる割り箸を未開封のまま溜めているようで、レンはそれを漁っている。ミチは麺つゆを両手で抱えている、可愛いミチを俺は引っ張った。
「つ、つつ、月乃宮くん……? 何? わっ……!? ぁ、あぅぅ……何ぃ……」
ミチの頬にキスしてやった。レンがしたのと同じ位置だ。
「ははっ……なんだよもち、嫉妬か? 心配しなくてもみっちー取ったりしねぇよ、俺の趣味じゃないし……形州に暴れられちゃ迷惑だからってだけだ」
ミチはレンにキスされた時よりもずっと照れている。顔は耳まで赤くなっているし、少しふらついた。
「ぅ、うぅ……ぅ~!」
麺つゆのボトルを俺の爪先の上に落とし、両手で顔を覆ってウッドデッキの方へ走っていった。意図せず二人きりになり、幼馴染のはずの俺達の間に気まずい空気が流れる。
「レン……お前、場を収めるためだけにキスするんだな。尊敬するよ」
俺がどれだけ願ってもキスの一つもしてくれなかったくせに。
「俺はガキだからそんな大人な真似出来ないな……なぁ、レン……レンっ、なんで、なんで……? なんで俺には、全然っ……なんでミチにばっかり優しいんだよっ! なんで、なんでぇ……なんで振り向いてくれないんだよぉ……」
「もち」
「レン……」
「最悪だよ」
穏やかなタレ目にじとっと睨まれる。稀にレンが怒る時の仕草で、怖くて、俯いてしまう。
「俺は今日、お前と昔みたいに友達として遊びたかった。最期の思い出としてさ。なのにお前は形州連れてくるし、俺押し倒すし服壊すし、ミチの恋人のフリしただけでキレて嫌味言ってくるしさ……最悪だよ」
「お、れ……レンが、好きなんだ」
「そうかよ、悪かったな応えられなくて」
「え……? や、やだっ! やだ、レン……! 嫌だっ、待ってくれ!」
俺の横を通り抜けようとしたレンの肩を掴み、冷蔵庫に押し付ける。
「やだ、嫌だぁ……レン、お願いレン、俺のこと好きになって、お願い……なぁ、好きでいてくれたんだろ? 好きに戻ってくれよぉっ……俺なんでもするから、レンっ……レン、何したら俺のこともっかい好きになってくれる?」
「もち……」
茶色いタレ目は潤んでいる。俺が襲っているせいだろうか?
「もち、ごめんな……もちの気持ち嬉しいよ。でも、ダメなんだ」
「なんでっ!? なんでダメなのっ、なんでレンだけ俺のこと好きになってくれないんだよぉっ! みんな俺のこと好きになったのに、みんな俺をレイプしたのにぃっ! なんで、なんでレンだけ!」
「もち…………ぁ」
俺を哀れんでいるような優しげな瞳は俺の背後へと向く。振り返ればセンパイが立っていた。
「………………簡単なパズルだった」
センパイは握り締めていた拳を開き、ピンク色の紙くずを床に散らした。俺がさっき書いた短冊だ、レンに破られた「レンと結婚したい」という願いだ。ウッドデッキに散っていた破片を拾い集めたのだろう。
「セ、センパイ……あの、俺っ」
すぐにセンパイに駆け寄り、弁解を考える。
そんな俺への罰が今下るなんて、こめかみへの強烈な打撃が加えられるなんて、夢にも思っていなかった。
「ん、んぅうっ……ん、んん……!」
力強い指にスラックスと下着の上かる尻穴の入口をこねられ、甘えた声を漏らしてしまう。
「……分かったか? ノゾムは俺のものだ。お前のような地味な女に取れると思うな」
「ゃ、あぁっ……せん、ぱっ……」
少し前までミチの陰茎をしゃぶっていて尻穴が疼いていた。それなのに入口だけをこねられては更に焦れったくなってしまう。
「お熱いねーご両人、悪いけど今から晩飯なんだ、後にしてくれ」
レンがそうめんの入った透明の大きな器を持ってやってくる。器は机の真ん中を占拠し、俺達に涼しさを与えた。
「薬味もあるから心配すんなよ、今持ってくる」
「……待て、茶髪。何故この女を呼んだ? この女の目的は何だ? お前がノゾムを紹介してやるとでも言ったのか?」
「んなわけねぇじゃん」
深いため息をついたレンはミチの肩に腕を回す。
「この子は俺の彼女。な、みっちゃん」
ミチのふわふわした柔らかい頬に唇を一瞬触れさせる。ミチは声にならない悲鳴を上げて顔を真っ赤にし、レンから離れようと弱々しく抵抗する。
「…………そうだったのか、悪かった。すまなかったな、ミチコ……だったか」
「じゃ、薬味取ってくる……あ、みっちゃん。量多いから手伝ってくれ」
レンがミチを引っ張って室内へ戻っていく、きっと口裏合わせをするのだろう。
「……あの茶髪は俺とお前が付き合ってるのを知ってるのだから、奴が恋人を呼ぶのは当然だな。少し神経質になってる……ごめんな、ノゾム」
二人を見て触発されたのかセンパイは身を屈めて俺の頬にキスをした。俺はセンパイのことも好きなはずなのに、その行為で抱いたのは「レンの唇はもっと柔らかいのだろう」という下衆な感想のみだった。
「…………愛してる」
レンが俺の頬にキスしてくれたことなんてあったっけ?
「……今日も明日も快晴だ、七夕日和だな。笹……願いごとを書くんだったな、お前との未来は願うまでもなく約束されてる……お前を養うため、出世しますようにとでも書こうか?」
もしかしたらレンは本当にミチを好きになってしまったんじゃないか? 俺のことを好きだったレンは、俺が酷い裏切りばかりしてしまったから、俺に愛想を尽かして──あぁ、よく聞く話だ、恋愛相談をしている者とされている者がくっつくなんて。
「も、持ってきたよ……」
ミチも顔を赤くしていた。俺のことが好きだと言っていたくせに、レンにキスされて照れていた。満更でもなかったんじゃないのか? 酷い裏切りばかりの俺よりも優しいレンに乗り換えたくなるのは当然の思考だ。
「あ、やべ、箸忘れた」
「お、おつゆも……ぁ、ぼ、僕も一緒に行く……」
浮気者めと罵る権利は俺にはない。俺と居るよりよっぽど幸せだ。二人がくっついてくれたら残る問題は担任だけになる、俺にとってもいいことだ。
だったらなんだ? ミチは俺の彼氏だし、レンは俺の初恋の人だ。その二人がくっつくなんて許せない。
「……ノゾム? どこへ行く」
「ちょっと、トイレ」
自分が最低なのは分かっている、ガキなのも、バカなのも、何もかも分かっているのに心が納得してくれない。
「レン、ミチ」
「お、もち。割り箸でいいよな、そうめんだし」
スーパーやコンビニでもらえる割り箸を未開封のまま溜めているようで、レンはそれを漁っている。ミチは麺つゆを両手で抱えている、可愛いミチを俺は引っ張った。
「つ、つつ、月乃宮くん……? 何? わっ……!? ぁ、あぅぅ……何ぃ……」
ミチの頬にキスしてやった。レンがしたのと同じ位置だ。
「ははっ……なんだよもち、嫉妬か? 心配しなくてもみっちー取ったりしねぇよ、俺の趣味じゃないし……形州に暴れられちゃ迷惑だからってだけだ」
ミチはレンにキスされた時よりもずっと照れている。顔は耳まで赤くなっているし、少しふらついた。
「ぅ、うぅ……ぅ~!」
麺つゆのボトルを俺の爪先の上に落とし、両手で顔を覆ってウッドデッキの方へ走っていった。意図せず二人きりになり、幼馴染のはずの俺達の間に気まずい空気が流れる。
「レン……お前、場を収めるためだけにキスするんだな。尊敬するよ」
俺がどれだけ願ってもキスの一つもしてくれなかったくせに。
「俺はガキだからそんな大人な真似出来ないな……なぁ、レン……レンっ、なんで、なんで……? なんで俺には、全然っ……なんでミチにばっかり優しいんだよっ! なんで、なんでぇ……なんで振り向いてくれないんだよぉ……」
「もち」
「レン……」
「最悪だよ」
穏やかなタレ目にじとっと睨まれる。稀にレンが怒る時の仕草で、怖くて、俯いてしまう。
「俺は今日、お前と昔みたいに友達として遊びたかった。最期の思い出としてさ。なのにお前は形州連れてくるし、俺押し倒すし服壊すし、ミチの恋人のフリしただけでキレて嫌味言ってくるしさ……最悪だよ」
「お、れ……レンが、好きなんだ」
「そうかよ、悪かったな応えられなくて」
「え……? や、やだっ! やだ、レン……! 嫌だっ、待ってくれ!」
俺の横を通り抜けようとしたレンの肩を掴み、冷蔵庫に押し付ける。
「やだ、嫌だぁ……レン、お願いレン、俺のこと好きになって、お願い……なぁ、好きでいてくれたんだろ? 好きに戻ってくれよぉっ……俺なんでもするから、レンっ……レン、何したら俺のこともっかい好きになってくれる?」
「もち……」
茶色いタレ目は潤んでいる。俺が襲っているせいだろうか?
「もち、ごめんな……もちの気持ち嬉しいよ。でも、ダメなんだ」
「なんでっ!? なんでダメなのっ、なんでレンだけ俺のこと好きになってくれないんだよぉっ! みんな俺のこと好きになったのに、みんな俺をレイプしたのにぃっ! なんで、なんでレンだけ!」
「もち…………ぁ」
俺を哀れんでいるような優しげな瞳は俺の背後へと向く。振り返ればセンパイが立っていた。
「………………簡単なパズルだった」
センパイは握り締めていた拳を開き、ピンク色の紙くずを床に散らした。俺がさっき書いた短冊だ、レンに破られた「レンと結婚したい」という願いだ。ウッドデッキに散っていた破片を拾い集めたのだろう。
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