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教え子と子作りに励んでみた
意識が朦朧としている間に風呂場に運ばれる。軽く身体を流され、湯船に入れられ、胡乱な世界が輪郭を取り戻す。
「ん……せん、せ?」
「ノゾム、おはよう」
「……俺、身体どろどろだけど」
「いいんだよ、銭湯でもないんだから」
腹に溜められたままの精液が出てきて湯船に浮いたら最悪だろう。しかし、早めに出さなければ腹痛の元だ。
「前はここでノゾムに殴られたっけ」
「……ごめん」
「いいよ。あの時はノゾムの気持ち無視してたから、今度こそあんなヘマはしない」
シャワーヘッドは担任の手にある、きっとずっと離さないだろう。他に凶器になりそうな物は見当たらない。ヘマとは俺が暴力的な手段に出るほど俺を追い詰めることではなく、俺に反撃のチャンスを与えること、か──彼は俺のことを考えているふうに話すが俺の心なんて気にしていない。
「センセ、なんで俺のこと好きなの?」
センパイは「見た目が好みだから」で、ミチは「昔助けられたから」で、レンは「幼馴染で昔プロポーズされたから」と、みんな何故俺を好きなのかに納得がいく理由がある。担任にはない。
「なんでって……可愛いからだよ」
「……俺が髪の色変えたり、ピアス外したりしても?」
「僕はあまりそのファッション好きじゃないから、むしろ嬉しいかな」
担任は女子人気の高いくせっ毛のマッシュヘアを濡らし、ぺったりとしたオールバックに変えた。陰鬱さが消えてますます爽やか好青年、見た目と性格のギャップが気に入らない。
「……前にも言ったよね? 先生は君を更生させようと思ったんだ。片親で愛情が足りずにグレてしまった可哀想で可愛いノゾム、俺が愛してあげないとって……最初は教師としてだったのに、お前に本気になってしまって、あなたと家族を作りたくなった」
演技臭くもないのに声色と一人称と二人称が目まぐるしく変わる。だから話が入ってこない。
「片親だからって愛情足りないなんて……そんな偏見、教師としてどうかと思うぞ」
「もちろん両親が揃わなきゃダメだなんて言うつもりはない。ただ、ノゾムは愛情に飢えていた」
「そんなことない、俺は、ちゃんと……」
俺は母性に溢れた愛情を得て成長した。
「怖い映画見たあとは一緒に寝てもらったし、怪我したら手当てしてもらったし、耳掃除してもらったし、頭撫でてもらったし手繋いでもらったしっ、俺はちゃんと愛されて育った!」
「……お母さんに?」
「…………まま、に」
「ママ? そう……本当に?」
「まま……ままは、俺のこと愛してくれてる、甘やかしてくれたっ! 昨日だって……! えらいって、いい子って、褒めてくれた!」
母がしてくれなかったこと全部、ままがしてくれた。
「褒めて、くれた……まま、ちゃんと、えらいって……」
「…………ごめんね。そんなに取り乱すと思わなかったよ。大丈夫だよ、僕とちゃんとした家族作ろうね」
「ま、ま……ままに、会いたい……ままぁ……」
「そうだ、俺のことは旦那様って……ぁー、あなた、とかでもいいかな。考えておくよ。ノゾムは俺の子供を産むんだよ」
浴槽の縁で居眠りするように拗ねた俺の頭を撫でて、担任は深いため息をつく。
「…………僕もお母さんに認めてもらいたかったな。私はちゃんと認められていた。俺はあんな母親大嫌いだし。お母さんは僕のこと嫌ってたから。母は私のことは好きだったはず。俺は家族と縁を切った」
一人で話しているようには聞こえない担任の独り言が気になって顔を上げると、彼は呟くのをやめて微笑んだ。
「俺とちゃんとした家族作ろうな、ノゾム」
熱い風呂にのぼせた俺はどう答えたのか、意識もしていなければ記憶もしなかった。
風呂上がり、担任のスウェットを借りてダイニングで夕飯の完成を待つ。
「…………あ、そうだ根野セン。変なもの入れないでくれよ」
椅子に座って冷たい麦茶を飲んでぼうっとしていたが、以前食べた担任の手料理を思い出してキッチンへ見に行った。
「ぁ」
担任はちょうど手の甲を包丁で切りつけて鶏肉に血を絡めているところだった。
「隠し味つけてるところなんだから見にこないで欲しかったな」
「その気持ち悪い隠し味やめろよっ! そんな飯なら俺食べないからな!」
「え……? えっ? そ、そんなぁ……なんで?」
「俺カニバ趣味なんかねーもん! 他のは? 何か混ぜたのか?」
レンジでは何かを温めているし、蓋が閉じてあり中は見えないが鍋もある。既に調理が始まっているもの達を指差すと担任は目を逸らした。
「……正直に言わないなら俺もう帰る」
「そんなっ、お泊まりしてくれるんじゃなかったの!?」
「変なもん食わせるような家に泊まりたくな、い……お、お前その指どうしたんだよ!」
左手の薬指から大量の血が溢れているのに気付き、手首を掴んでよく見てみると薬指の爪がなかった。
「…………つ、爪。お前、爪は?」
担任は無言でミキサーを見た。スムージーらしきものが入っているが、まさか……?
「ほ、他……何入れたんだよ」
「………………ちょっとだけ、髪の毛と唾液と……あっ、ちょっとノゾム、勝手にそんなところ開けないでよ!」
「俺もうコレ食べる! お前の飯なんか絶対食べないからな!」
「そ、そんなぁっ……」
俺は戸棚を漁ってすぐに見つけたインスタントラーメンを作るため、ポットを掴もうとした。しかしポットは担任に奪われる。
「……なんだよ、返せよ」
「なんで……? なんでそんな意地悪するの? ノゾムが喜びますようにって頑張って作ってたんだよ? いっぱいいっぱい痛い思いしたのに……なんでそれをそんな簡単に裏切れるんだよっ!」
空のポットが頭に振り下ろされた。インスタントラーメンを落としてその場に座り込み、ぐわんぐわんと揺れる感覚のある頭を腕で庇う。
「食べてよ……ねぇ、食べてよ、美味しいよ、美味しく作ったよ、前は美味しく食べてくれたじゃん……ミートスパゲティは嫌いみたいだったけど。ちゃんと作ってるのになんでインスタントの方がいいなんて言うんだよっ!」
ポットを投げつけられる。今度も頭を狙ったらしく、頭を庇う腕に当たった。
「…………飲んで」
爪や髪を入れたと教えられたばかりのスムージーが目の前に突き出される。血まみれの手で持っているせいで現在進行形で血液がトッピングされていく。
「や、やだっ……」
「なんで?」
「だからっ、カニバ趣味なんかないんだよっ! なんで自分を食べさせたがるんだよ意味分かんねぇよぉっ! 爪なんかめちゃくちゃ痛そうだし……なんでそこまでして俺にそんなもん食わせたいんだよぉっ!」
「好きだから。ほら飲んで、飲んでよ、ねぇ飲んで」
薄緑色に赤色が乗ったスムージーを押し付けられる。器を受け取ると立ち上がった担任は包丁を持ち、また俺の前に屈んで瞬きせずに俺を見つめた。
「……や、野菜嫌い」
「野菜嫌いでも飲めるように味付けしたよ」
断り続ければそのうち包丁が俺の身体に突き立つのだろう。俺は仕方なくスムージーを一口飲んだ。
「…………美味しい」
「よかった。他の料理もすぐ完成させるから、向こうで座って待ってて」
スムージーを持ってダイニングに移動し、少しずつ本当に美味しいスムージーを飲む。どうせ断れないのなら、ここから移動するべきではなかった。知らなければただ美味しい料理だったし、殴られることもなかった。
「頭怪我してんのに殴りやがって……」
頭蓋骨のヒビを探って頭皮を撫でたが、具合が少しも分からないまま料理が完成し、俺の目の前に並べられた。担任は箸を持たずに救急箱を開けている。
「…………センセ。俺がする」
危なっかしいやり方に黙っていられず、俺は担任の左手の傷の手当をした。爪を剥がした薬指は特に酷く、見ているだけで痛くて目が潤んだ。
「……はい、出来た。他は怪我してないよな?」
「う、うん……ありがとう」
担任は困惑した顔で左手のガーゼと包帯を眺めている。その表情を見て俺の頭にいいアイディアが浮かんだ。
「なぁ根野セン、俺もう根野センが怪我するのやだな」
「え?」
「根野センが痛くなるの嫌だ、これからたくさんご飯食べさせてもらえるなら……その度に怪我するってことだろ? そんなの嫌だ、こんな痛々しい傷……ダメだ」
担任はぽかんと口を開け、目も見開いている。
「……根野セン、普通の料理でいいよ。俺。根野センから直接……その、だ、唾液と、精液は……もらえる、から」
「………………僕が怪我するの嫌なの?」
「う、うん、それはマジで……痛そうだし」
「……えへへっ」
担任は無邪気に笑うと俺を抱き締めた。料理が冷めるなんて言って離れると嬉しそうに目を細めて自分の左手に唇を寄せるようになる。
「……成功、かな。それはそれとして、こっちは…………はぁっ」
今晩の料理は食べなければならない。俺は先程の光景を忘れ、担任の傷から目を逸らし、知らなければ美味しいだけの料理を完食した。
歯磨きも終わって眠る頃、俺はまた服を脱いでいた。仰向けの担任の上に跨り、根元まで挿入された肉棒による快感に身悶えしていた。
「……っ、ふ……うぅ……んん……」
「ノゾム、ほら、動いてごらん」
「う、うん……動くっ、動くから……お尻、叩かないで。感じちゃう……」
腰振りを促す軽い尻叩きに快感を覚え、更に強く担任の陰茎を締め付ける。もう形が覚えてしまいそうだ。
「う、動く……よ? ぁ……はっ、ぁっあっあっああっやばぁっ! ぁ、あっ、かぁっ、カリがっ、なか、ぞりぞり……いつもより、しゅごいぃっ!」
騎乗位をするには敏感過ぎる身体に無茶を言い、腰を持ち上げる。腸壁がカリに引っ掛けられて強い快感を覚えていると、担任の右手が俺の腰骨を掴む。
「次は下ろすんだよ。ほらっ」
「あっ、ひゃあぁああんっ!?」
ごりごりっ、どんっ……と、陰茎が俺の最奥を突く。腸壁を擦り上げられるのはもちろん、結腸口を押し上げるようにされたのも強い快感で、俺は全身を痙攣させて絶頂を迎えてしまった。
「ふふ……ノゾム、そんな調子じゃ私の精液はあげられないよ?」
「や、だ……欲しい。ちょぉだいっ」
「なら頑張って」
「むりぃ……」
ぐすぐすと鼻を鳴らして泣き言を言う俺の腰をごつごつとした手が掴む。担任のものではない、もっと男らしい荒れた手だ。
「ゃ、やめっ……やぁああんっ! あぁんっ! ぁひんっ! ひぃんっ! イぐっ、イっちゃうぅっ! すぐイぐぅうぅぅっ!」
「わっ……急に激しくなったね」
見えない手に腰を掴まれて無理矢理腰を上下させられ、自分の体重で結腸口を責められる。
「イっだっ、ぁああっ! イったのぉっ、イったのにぃいっ……! またイくぅうっ! ぃやあっ、もぉイくのやらぁあっ、ぁあんっ! やだっ、ぁああっ……早くイってよせんせぇっ!」
「そう言われても、ぁ……そろそろ出そう、かもっ……はぁっ、ぁっ……!」
「奥で出してっ、一番奥ぅっ……あぁあんっ!」
俺の身体をすり抜けた見えない手が内側から結腸口を拡げ、担任の精液を腹の奥深くに受ける。その射精の勢いでも感じてしまい、俺の体の痙攣はなかなか終わらなかった。
「ん……せん、せ?」
「ノゾム、おはよう」
「……俺、身体どろどろだけど」
「いいんだよ、銭湯でもないんだから」
腹に溜められたままの精液が出てきて湯船に浮いたら最悪だろう。しかし、早めに出さなければ腹痛の元だ。
「前はここでノゾムに殴られたっけ」
「……ごめん」
「いいよ。あの時はノゾムの気持ち無視してたから、今度こそあんなヘマはしない」
シャワーヘッドは担任の手にある、きっとずっと離さないだろう。他に凶器になりそうな物は見当たらない。ヘマとは俺が暴力的な手段に出るほど俺を追い詰めることではなく、俺に反撃のチャンスを与えること、か──彼は俺のことを考えているふうに話すが俺の心なんて気にしていない。
「センセ、なんで俺のこと好きなの?」
センパイは「見た目が好みだから」で、ミチは「昔助けられたから」で、レンは「幼馴染で昔プロポーズされたから」と、みんな何故俺を好きなのかに納得がいく理由がある。担任にはない。
「なんでって……可愛いからだよ」
「……俺が髪の色変えたり、ピアス外したりしても?」
「僕はあまりそのファッション好きじゃないから、むしろ嬉しいかな」
担任は女子人気の高いくせっ毛のマッシュヘアを濡らし、ぺったりとしたオールバックに変えた。陰鬱さが消えてますます爽やか好青年、見た目と性格のギャップが気に入らない。
「……前にも言ったよね? 先生は君を更生させようと思ったんだ。片親で愛情が足りずにグレてしまった可哀想で可愛いノゾム、俺が愛してあげないとって……最初は教師としてだったのに、お前に本気になってしまって、あなたと家族を作りたくなった」
演技臭くもないのに声色と一人称と二人称が目まぐるしく変わる。だから話が入ってこない。
「片親だからって愛情足りないなんて……そんな偏見、教師としてどうかと思うぞ」
「もちろん両親が揃わなきゃダメだなんて言うつもりはない。ただ、ノゾムは愛情に飢えていた」
「そんなことない、俺は、ちゃんと……」
俺は母性に溢れた愛情を得て成長した。
「怖い映画見たあとは一緒に寝てもらったし、怪我したら手当てしてもらったし、耳掃除してもらったし、頭撫でてもらったし手繋いでもらったしっ、俺はちゃんと愛されて育った!」
「……お母さんに?」
「…………まま、に」
「ママ? そう……本当に?」
「まま……ままは、俺のこと愛してくれてる、甘やかしてくれたっ! 昨日だって……! えらいって、いい子って、褒めてくれた!」
母がしてくれなかったこと全部、ままがしてくれた。
「褒めて、くれた……まま、ちゃんと、えらいって……」
「…………ごめんね。そんなに取り乱すと思わなかったよ。大丈夫だよ、僕とちゃんとした家族作ろうね」
「ま、ま……ままに、会いたい……ままぁ……」
「そうだ、俺のことは旦那様って……ぁー、あなた、とかでもいいかな。考えておくよ。ノゾムは俺の子供を産むんだよ」
浴槽の縁で居眠りするように拗ねた俺の頭を撫でて、担任は深いため息をつく。
「…………僕もお母さんに認めてもらいたかったな。私はちゃんと認められていた。俺はあんな母親大嫌いだし。お母さんは僕のこと嫌ってたから。母は私のことは好きだったはず。俺は家族と縁を切った」
一人で話しているようには聞こえない担任の独り言が気になって顔を上げると、彼は呟くのをやめて微笑んだ。
「俺とちゃんとした家族作ろうな、ノゾム」
熱い風呂にのぼせた俺はどう答えたのか、意識もしていなければ記憶もしなかった。
風呂上がり、担任のスウェットを借りてダイニングで夕飯の完成を待つ。
「…………あ、そうだ根野セン。変なもの入れないでくれよ」
椅子に座って冷たい麦茶を飲んでぼうっとしていたが、以前食べた担任の手料理を思い出してキッチンへ見に行った。
「ぁ」
担任はちょうど手の甲を包丁で切りつけて鶏肉に血を絡めているところだった。
「隠し味つけてるところなんだから見にこないで欲しかったな」
「その気持ち悪い隠し味やめろよっ! そんな飯なら俺食べないからな!」
「え……? えっ? そ、そんなぁ……なんで?」
「俺カニバ趣味なんかねーもん! 他のは? 何か混ぜたのか?」
レンジでは何かを温めているし、蓋が閉じてあり中は見えないが鍋もある。既に調理が始まっているもの達を指差すと担任は目を逸らした。
「……正直に言わないなら俺もう帰る」
「そんなっ、お泊まりしてくれるんじゃなかったの!?」
「変なもん食わせるような家に泊まりたくな、い……お、お前その指どうしたんだよ!」
左手の薬指から大量の血が溢れているのに気付き、手首を掴んでよく見てみると薬指の爪がなかった。
「…………つ、爪。お前、爪は?」
担任は無言でミキサーを見た。スムージーらしきものが入っているが、まさか……?
「ほ、他……何入れたんだよ」
「………………ちょっとだけ、髪の毛と唾液と……あっ、ちょっとノゾム、勝手にそんなところ開けないでよ!」
「俺もうコレ食べる! お前の飯なんか絶対食べないからな!」
「そ、そんなぁっ……」
俺は戸棚を漁ってすぐに見つけたインスタントラーメンを作るため、ポットを掴もうとした。しかしポットは担任に奪われる。
「……なんだよ、返せよ」
「なんで……? なんでそんな意地悪するの? ノゾムが喜びますようにって頑張って作ってたんだよ? いっぱいいっぱい痛い思いしたのに……なんでそれをそんな簡単に裏切れるんだよっ!」
空のポットが頭に振り下ろされた。インスタントラーメンを落としてその場に座り込み、ぐわんぐわんと揺れる感覚のある頭を腕で庇う。
「食べてよ……ねぇ、食べてよ、美味しいよ、美味しく作ったよ、前は美味しく食べてくれたじゃん……ミートスパゲティは嫌いみたいだったけど。ちゃんと作ってるのになんでインスタントの方がいいなんて言うんだよっ!」
ポットを投げつけられる。今度も頭を狙ったらしく、頭を庇う腕に当たった。
「…………飲んで」
爪や髪を入れたと教えられたばかりのスムージーが目の前に突き出される。血まみれの手で持っているせいで現在進行形で血液がトッピングされていく。
「や、やだっ……」
「なんで?」
「だからっ、カニバ趣味なんかないんだよっ! なんで自分を食べさせたがるんだよ意味分かんねぇよぉっ! 爪なんかめちゃくちゃ痛そうだし……なんでそこまでして俺にそんなもん食わせたいんだよぉっ!」
「好きだから。ほら飲んで、飲んでよ、ねぇ飲んで」
薄緑色に赤色が乗ったスムージーを押し付けられる。器を受け取ると立ち上がった担任は包丁を持ち、また俺の前に屈んで瞬きせずに俺を見つめた。
「……や、野菜嫌い」
「野菜嫌いでも飲めるように味付けしたよ」
断り続ければそのうち包丁が俺の身体に突き立つのだろう。俺は仕方なくスムージーを一口飲んだ。
「…………美味しい」
「よかった。他の料理もすぐ完成させるから、向こうで座って待ってて」
スムージーを持ってダイニングに移動し、少しずつ本当に美味しいスムージーを飲む。どうせ断れないのなら、ここから移動するべきではなかった。知らなければただ美味しい料理だったし、殴られることもなかった。
「頭怪我してんのに殴りやがって……」
頭蓋骨のヒビを探って頭皮を撫でたが、具合が少しも分からないまま料理が完成し、俺の目の前に並べられた。担任は箸を持たずに救急箱を開けている。
「…………センセ。俺がする」
危なっかしいやり方に黙っていられず、俺は担任の左手の傷の手当をした。爪を剥がした薬指は特に酷く、見ているだけで痛くて目が潤んだ。
「……はい、出来た。他は怪我してないよな?」
「う、うん……ありがとう」
担任は困惑した顔で左手のガーゼと包帯を眺めている。その表情を見て俺の頭にいいアイディアが浮かんだ。
「なぁ根野セン、俺もう根野センが怪我するのやだな」
「え?」
「根野センが痛くなるの嫌だ、これからたくさんご飯食べさせてもらえるなら……その度に怪我するってことだろ? そんなの嫌だ、こんな痛々しい傷……ダメだ」
担任はぽかんと口を開け、目も見開いている。
「……根野セン、普通の料理でいいよ。俺。根野センから直接……その、だ、唾液と、精液は……もらえる、から」
「………………僕が怪我するの嫌なの?」
「う、うん、それはマジで……痛そうだし」
「……えへへっ」
担任は無邪気に笑うと俺を抱き締めた。料理が冷めるなんて言って離れると嬉しそうに目を細めて自分の左手に唇を寄せるようになる。
「……成功、かな。それはそれとして、こっちは…………はぁっ」
今晩の料理は食べなければならない。俺は先程の光景を忘れ、担任の傷から目を逸らし、知らなければ美味しいだけの料理を完食した。
歯磨きも終わって眠る頃、俺はまた服を脱いでいた。仰向けの担任の上に跨り、根元まで挿入された肉棒による快感に身悶えしていた。
「……っ、ふ……うぅ……んん……」
「ノゾム、ほら、動いてごらん」
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腰振りを促す軽い尻叩きに快感を覚え、更に強く担任の陰茎を締め付ける。もう形が覚えてしまいそうだ。
「う、動く……よ? ぁ……はっ、ぁっあっあっああっやばぁっ! ぁ、あっ、かぁっ、カリがっ、なか、ぞりぞり……いつもより、しゅごいぃっ!」
騎乗位をするには敏感過ぎる身体に無茶を言い、腰を持ち上げる。腸壁がカリに引っ掛けられて強い快感を覚えていると、担任の右手が俺の腰骨を掴む。
「次は下ろすんだよ。ほらっ」
「あっ、ひゃあぁああんっ!?」
ごりごりっ、どんっ……と、陰茎が俺の最奥を突く。腸壁を擦り上げられるのはもちろん、結腸口を押し上げるようにされたのも強い快感で、俺は全身を痙攣させて絶頂を迎えてしまった。
「ふふ……ノゾム、そんな調子じゃ私の精液はあげられないよ?」
「や、だ……欲しい。ちょぉだいっ」
「なら頑張って」
「むりぃ……」
ぐすぐすと鼻を鳴らして泣き言を言う俺の腰をごつごつとした手が掴む。担任のものではない、もっと男らしい荒れた手だ。
「ゃ、やめっ……やぁああんっ! あぁんっ! ぁひんっ! ひぃんっ! イぐっ、イっちゃうぅっ! すぐイぐぅうぅぅっ!」
「わっ……急に激しくなったね」
見えない手に腰を掴まれて無理矢理腰を上下させられ、自分の体重で結腸口を責められる。
「イっだっ、ぁああっ! イったのぉっ、イったのにぃいっ……! またイくぅうっ! ぃやあっ、もぉイくのやらぁあっ、ぁあんっ! やだっ、ぁああっ……早くイってよせんせぇっ!」
「そう言われても、ぁ……そろそろ出そう、かもっ……はぁっ、ぁっ……!」
「奥で出してっ、一番奥ぅっ……あぁあんっ!」
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