いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました

ムーン

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幼馴染と一緒に首塚まで行ってみた

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見下し慣れた目で俺を見下し、社長は自慢げに言い放った。

「アレの名前は八年前からポチだよ」

俺にもレンにも理解出来ていないのに、彼は俺達に背を向けた。また車に乗ったのだ。

「如月、月乃宮、乗れ。如月は仕事の勉強、月乃宮は誤解を解いてあげる」

レンに手を引っ張られて黒い高級車に乗り、到着したのは首塚のある空き地だ。と言ってももう首塚は土台しか残されていないが。

「降りろ」

彼の声には逆らい難い。言われるがままに降り、空き地の中心へ向かった。

「お兄さんっ……!」

あの日と同じ結界が描かれており、その中に拘束された従兄が転がされていた。二人の部下が結界の横に立っている。

「如月、問題を出す、答えろ」

「あ、は、はいっ!」

「僕の霊能力は睨んだモノを霊体実体問わず破裂させる。怪異に肉体を乗っ取られたバカ犬に使えばどうなる?」

「え……えーっと」

怪異が体を乗っ取っている従兄は俺達を口汚く罵っているが、社長にそれを気にする素振りはない。大事な恋人じゃないのか?

「遅い。正解は、バカ犬がミンチになる……だ。だから僕はこのままじゃ攻撃できない。第二問、じゃあどうする?」

「え……あっ、まずあの人の身体から追い出す!」

「部分点、アレは人じゃなく犬だ。第三問、どうやって追い出す?」

「えー……塩をかける?」

「不正解。正解発表は実技で行う、よく見ておくこと」

社長は結界の前まで歩むとじっと従兄を見つめた。次の瞬間、金属製の拘束具が弾け飛んで彼は自由の身になり、結界を殴った。

「結界を解け」

「え……し、しかし、当主様、それは危険では」

「二度言わせる気?」

部下の二人は冷や汗を垂らし、結界に向かって同時に聞き取れない言葉を唱え始める。社長は一歩、二歩と結界から遠ざかり、止まった。

「感じるぜ……相当強い霊能力者だな。喰えば栄養つきそうだ! さぁ……結界が解けるまで、三、二ぃ……いちっ!」

「おすわり」

結界が解けて社長に飛びかかった従兄は何故か彼の目の前に犬のように座った。

「は……!? な、何しやがったお前っ!」

「君が入ってるのは僕の犬だぞ。意識の有無に関係なく僕の命令を最優先するに決まってるだろ」

「な、何言ってんだ……?」

「そして、君が彼の名前を奪えるわけもない……彼の名前は主人である僕のもの。彼が何と名乗ろうが、その名前は名前の意味を為さない」

社長は従兄の首に巻かれた赤い首輪を外すと同時に彼の胸を蹴り、地面に背をつけさせると彼の腹を思いっきり踏みつけて言った。

「吐け、犬」

従兄の身体から無数の手首が溢れ出し、次々に破裂して消えていく。

「げほっ、げほっ…………ご主人様! ご主人様、おかえりなさい!」

従兄が意識を取り戻した……? どういうことだ、彼は名前を怪異に知られて死んだんじゃなかったのか? 社長の意味の分からない理論は本当で、彼は死んでなんていなかったのか? 俺の悩みは徒労だったんだ。

「お兄さん……! よかった……生きてたんだ、俺、早とちりして……」

社長の自信に溢れた表情の意味が分かった。さぁ、感動の再会が見られるぞ……そう期待していた俺の目に映ったのは信じられないものだった。社長は再び従兄の腹を踏みつけたのだ。

「ぅぐっ……!」

「簡単な仕事を失敗し、考えてやった代替案もことごとく失敗し、挙句の果てに後始末を任せる……一体どんな脳の構造をしているのか是非拝みたいよ、学会騒然間違いなしだ」

「はい……社長。頭かち割ってやってください」

「……嫌だよ、靴と服が汚れるだろ」

「ちょ、ちょっと……何してるんですかあなた!」

「黙ってろ金髪ピアス! ご主人様が話してんだろ!」

社長は顔を上げて怒鳴った従兄の腹を踏みつけ、ぐりぐりと押し回す。

「口が悪い。話し方は躾けてやったはずなんだけどな、忘れた?」

「申し訳ございません……」

「忘れたのかって聞いてるんだけど」

「わ、忘れました……忘れましたので、躾けてやってください……」

深いため息をついた社長は従兄の胸や腹を執拗に踏みつけた。ミチが受けていたイジメよりも酷い暴力だ。何度も何度も踏みつけ、蹴りつけ、疲れた様子で従兄から一歩離れる。あまりにも苛烈で俺は指一本も動かすことが出来なかった。

「相変わらず硬い体」

「はっ……ぁ、ぁあ……痛い……」

「立て、二足歩行だ」

「はい……」

ゆっくりと立ち上がった従兄の足は震えていた。修験者の霊との戦いで何度頭を殴られても果敢に立ち向かった彼が、細身で低身長の社長に踏まれてそんなにもダメージを負うものだろうか。

「三回?」

「いえ……五回です」

「あぁ、そう。変わらず変態で安心したよ」

「もっと踏んでください……」

社長は踵を返し、車へと歩く。その後を従兄がふらふらと着いていく。

「如月! 二台目で家まで送る。その後の授業は追追連絡する」

「は、はいっ!」

立ち止まって振り返ったかと思えばレンへの言葉だ。従兄は一度も振り返らない、二人とも俺なんて居ないかのように振る舞っている。

「あのーご主人様、帰るんですか? 俺、國行に会っときたいんですけど」

「久しぶりの主人よりずっと一緒にいた甥っ子が大事?」

「いえ! ご主人様が誰よりも何よりも大切です!」

「よろしい」

呆然と立ち尽くしていると柔らかい手が俺の手を握った。

「レン……」

「帰ろうぜ。二台目って……多分アレだろ、とっとと行こう」

「俺、何が何だか」

「ししょーはとんでもないドSなわけ、んで秘書さんは犬扱いに大満足のドMなんだろ」

呆れた様子のレンに手を引かれ、社長達が乗るらしい車の後ろに停められた二台目の車へと向かう。俺はレンの手を振りほどいて従兄の服を掴んだ。

「お兄さんっ! あの……ありがとう、ございました。俺あなたが死んじゃったと思ってて……」

「あなたのために死ぬわけないじゃないですか、自惚れすぎですよ。そもそも犬は主人の許可なく命を捨てられません」

「なんか傷付きます……えっと、真尋さん……は、偽名だったんですね?」

従兄の影から社長がぬっと顔を出す。美顔の冷たい表情は見る者の心にマゾヒストの芽を出させる魅力がある。

「君の家の所有者は君?」

「へ? いや……母です」

「怪異は本人が持つ本名を知ることで魂に干渉できるようになるんだ、それは知ってるね? この犬の本名は真尋で合ってる。けど、名前の所有者は僕だ。君の家を持っているのがが君のお母さんなのと同じ。僕は新しい名を与えることで本名を奪ってるんだよ」

「奪われちゃいました」

「黙れ。名前を教えても死にはしないからって何度も何度も怪異飲み込んで……! その肉体は皮膚の一片まで僕の所有物だぞ! 変なものを入れるな!」

「怪異吐かされるのって、こう……嘔吐とは違った快感がありまして。それに洗浄のため、清めた水に溺れさせられるでしょう? アレ……最っ高!」

怪異が体に入るって毒物飲んじゃったみたいな扱いなのかな……?

「ご主人様に髪掴んでもらってザバザバ顔沈められるのもいいですし、水車に括りつけられてグルグル回されるのもいいですし、単純に重しつけて深いとこに沈められるのもっ……! あぁ! 考えるだけでイきそうっ……!」

従兄は自らの身体を抱き締めて恍惚とした笑顔を浮かべている。

「この変態! しかも勝手に怪我して……どうせまた「ご主人様の命令で来てるからこれは実質ご主人様からの痛み!」とか言って余分にボコボコされたんだろ!」

「よくお分かりで」

「怪我治るまでSMプレイはナシだからね。心霊治療は最低限に済ませ、自然治癒に任せること、いいね」

「そんなっ、酷い……! ご主人様の鬼畜ぅ……」

あれ……? もしかして、意味が分からない思考回路をしている厄介人間、従兄の方なのか? ドSな社長に振り回されているのではなく、自らの性癖に忠実に生きているだけなのか? 

「そうだ、月乃宮、言っておくことがある。君の霊媒体質は不可逆的なものだ、君は自然と霊を惹き付ける体質になったんだ」

「あと、その辺に立ってる浮遊霊とかも見えるようになるはずですよ。今までは強いのが傍にいて隠れてただけなんで。ほら、目の前にゾウがいたらその向こうのライオン見えないでしょ?」

「え……? 俺、幽霊とかからは解放されたんじゃ」

社長と従兄は顔を見合わせ、それから俺を見つめて「ナイナイ」と息ぴったりに首を横に振った。

「そんなぁっ! えっ、えっ……お、御札! 御札とか数珠とかください!」

「御札は一枚十万、数珠はランクによって違うけど最低で五十万。サイトで売ってるから自分で買って」

「後でURL送りますね」

「買えませんよそんな高いの!」

従兄はニヤリと笑って「ですよね」と媚びた声で言い、車に詰んでいたらしい書類を俺に渡した。

「あなたの霊媒体質は非常に質が良くなるはずです。霊を惹き付ける能力はマイナスのように捉えられますが、ゴキブリホイホイ的なものと考えれば素晴らしいモノです! 我が社でその才能を活かしてみませんか?」

「社員なら数珠やその他オカルトグッズが支給されるよ」

「書類に必要事項を記入して郵便で送ってくださいねー。それではさようなら」

「えっ……? ぁ、さ、さようなら」

二人は車に乗り込むとあっという間に行ってしまった。

「もちー、まだかー?」

レンがもう一台の車から顔を出す。

「い、今行く……」

従兄が死んだと思って落ち込んでいたのも、従兄が社長に暴力を振るわれるのを止めようとしたのも、バカらしいくらいに清々しく解決した。
しかし代わりの悩みが増えた、この手の中の書類だ。俺の人生はもう決まってしまっているらしい。
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