いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました

ムーン

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幼馴染に怪異を吐き出させてみた

食道を埋め尽くしているタコのようなイカのような何か。不味い水の効力により実体化し、俺の体内から出ていこうとしているそれを吐き出すには酷い苦痛を味わう。吐くものが液体ではなく固体なのだ、嘔吐だとか胃洗浄だとかの比ではない。

「國行! しっかり押さえとけ!」

口から足先だけを出したそれを従兄が掴み、引っ張る。吸盤が内蔵の粘膜壁にへばりつく苦痛まで加わり、暴れ出すとセンパイに力任せに押さえ付けられた。

「ノ、ノノ、ノゾムくん……! ききっ、如月くんっ! ノ、ノ、ノゾムくん死んじゃうぅっ!」

「落ち着けミチ! さっさと引っ張り出した方が楽なんだ……多分。間違っても邪魔するなよ」

胃も喉も口も弾力のある生臭い肉で埋まっているから声が出ない。叫び声を上げずにのたうち回ろうとしてセンパイに押さえ付けられている俺の姿は、ミチからすれば見るに堪えないものなのだろう。

「何か、突っかかってる……! 背中叩け!」

「……っ、俺は無理だ。如月!」

「あっ、あぁ! ごめんもち!」

ドンッと背中を手のひらで強く叩かれ、胃に溜まっていたモノが蠢く。今口から出ているのはタコかイカの足の先、喉を埋め尽くしているのはその足。なら、体は? 他の足は? 答えは感覚で分かった。



経った今まで喉を埋めていたモノの数倍の大きさの歪な玉が胃から口へと向かう。引きずり出される。目玉がひっくり返り、口の端が裂ける。

「よしっ、出っ……! たぁっ!」

涙でボヤけた視界に、化学汚染された泥のような不気味な色の塊が見えた。タコのようなイカのような気持ちの悪いそれを引っこ抜いた従兄はその勢いのまま派手に尻もちをつく。

「げほっ、げほ、ぉえっ……」

「……! ノゾム……ノゾム、大丈夫か」

嘔吐感が終わらない。俺は酷く咳き込み、胃液を吐き出した。慌てたレンが寄せてくれた洗面器に黄緑っぽい液体が溜まる。

「うっわ何この色霊障!?」

「…………胆汁が混ざってるだけだ。脱水や胃腸炎でこうなる」

「へー……詳しいな」

「……以前セフレに逃げられた後、こうなった」

「お前メンタルの不調が腹に来るタイプなのかよ。ってかセフレにフラれた程度で吐くほどダメージ食らうなよ」

「ぉえっ、けほっ、げほ……昔のっ、男の話ぃ……やめ、てよ……う、ぷっ……ぉええっ……!」

とん、とんっ、と背中を叩かれる。びちゃびちゃと洗面器に胃液が落ちる音が恥ずかしい。吐瀉物なんて見ないで欲しい、大好きな人達にこんなところ見られたくない。

「そうだぞ昔の男の話とかするなよ形州! せ、先輩……空気読めねぇなぁ! もっちぃ~、その点俺は昔の男とか居ないぞ! 幼稚園児の頃からお前一筋だ!」

「わぁあああっ! ぅうぅっ、うごうごっ、うぅごっ動いてる動いてる動いてるぅ!」

霞んだ視界にうねうねと動く、タコのようなイカのような形容しがたい骨のない何か。それに怯えるミチの声。

「師匠早くやっちゃってください!」

「今やったらヘドロが部屋中に飛び散って全員ドロドロになるけど」

「ごめんなさいもう急かしません!」

「ブルーシート」

社長が物の名前を言うだけで、転んでいた従兄が部屋の隅に用意していたそれを広げ、怪異を包む。

「どうぞ!」

ゴミ袋のように怪異を包んだブルーシートが内側から押されてぐねぐねうねうねと蠢いている。社長はゴーグルを装着すると、ブルーシートの隙間から中を覗いた。

「おっ……やったか? やりましたか師匠!」

ブルーシートが一瞬ボンッと膨らんだ。社長が顔を上げるとゴーグルに紫っぽい泥のような物がべっとりと付着していた。

「うん……やったよ」

外したゴーグルをブルーシートの中に投げ入れ、師匠は顔を上げた。

「捨ててきて」

従兄はブルーシートの端を縛って巾着のようにし、朝のゴミ捨てのように何でもない顔をして部屋を出ていった。

「やっぱり本体は弱かったね、引っ張り出してからは何も仕掛けられなかったみたいだ。僕は楽でよかったけど……君達はそうでもないみたいだね、特に君」

社長の人差し指は俺に向いている。

「霊力を根こそぎ持っていかれて四肢が動かない……昏睡による若干の脱水に、実体化した怪異に内臓を傷付けられたはずだ」

ゆっくりと近付いてきた社長はその場に屈むと、俺の吐瀉物を見下ろした。手で仰いで匂いを嗅ぎ、目を閉じる。

「なっ、何っ、嗅がないでくださっ、ぁ、げほっ、ぉえ……かはっ……はぁっ、はぁ……」

「これでも表の顔は製薬会社の社長だ、医学の心得もある程度ある。匂いは結構重要なんだ。君達変態の基準で恥ずかしがらないで欲しいね、不愉快だ」

「師匠、もちの体調は……」

「重症だ、すぐに設備のある場所へ移送しよう」

俺はその後、すぐに病院らしき施設へ移送された。途中意識を失ったので詳しくは分からないが、起きた今腕を見てみると点滴を打たれていた。

「はぁ……」

最後に海で遊びたかったな。とため息をつきながら白い天井を見上げる。

「起きましたか」

ぬ、と従兄の顔が視界に割り込んできた。

「うわっ……お兄さん。あの、ここ……病院ですよね。俺……今どんな感じなんですか?」

「脱水や衰弱、荒れた内臓の方は通常の治療で治っていくと思われます。問題は霊力の方ですね、怪異に吸われちゃった分です」

「霊力……」

「霊力の手っ取り早い回復方法、分かりますよね?」

体調不良に寝起きが重なったぼんやりとした頭では上手く考えられず、ボーッと従兄を眺める。

「他者の体液の摂取、特に命そのものとも言える血液や、命の素となるものは効率的です。ここまで言えば分かりますね」

「はぁ……」

「まぁ、夏休みが終わるまでには退院出来るでしょう」

「夏休み……そっか、夏休み終わりかぁ」

「ところで、数日前から鬼電な根野なんですが……」

「え……? あっ」

そういえば、週に一回会いに行くと約束した根野のところへ行けていない。海が楽しくてすっかり忘れていた。

「こちらで適当に薬の投与や精神科医の派遣を行って落ち着かせておきますので、退院後は学業優先で……彼のところへは土日に行ってください」

「学業優先とか、あなたに関係あるんですか?」

「良識的な大人ぶらせてくださいよ」

良識的な大人はそれっぽい台詞で説得して学業優先を自発的にさせようとするものだ。特に俺が学校に行かなければならない理由は、従兄や社長にはないらしい。まぁ、当然だけれど。

「学校……嫌なんですよね、高校デビューってバレたし、輪姦されたし…………今はセンパイのだから、センパイがシメてくれるから、大丈夫だけど……センパイ居なくなったら、俺、どうなるんでしょう」

「國行の卒業後が心配ですか? 彼、留学するつもりらしいですしね。どれくらい海外に居る気かは知りませんが……しばらくは長期休暇にちょっと顔見せるくらいになるんでしょうか」

「イジメられる……それも、かなり酷く。どうしよう……」

「國行に行かないでって泣きついてみたらどうです? 地元に居れば睨みも効くでしょう」

「嫌ですよそんなのっ! 俺のせいで死のうとしちゃったり、手怪我させたり……俺、俺センパイの人生、センパイの夢……壊しかけてっ、これ以上迷惑かけたくない! あと一年、センパイに頼るのだってやだ……センパイに守ってもらわないと、どうにもならない俺が嫌なの……どうしよう、俺、どうしたら……センパイ居なくなっても、大丈夫なんだろ」

泣き喘ぎながらの言葉を聞いて、従兄はニタリと笑った。

「よかった、國行が居なきゃ虐められるからどこにも行かないでなんて言うクズじゃなくて。心配要りませんよ、あなたに仇なす者全て呪ってしまう鬼があなたの人生に憑いていますし……國行のお友達があなたの面倒を見るかもしれません」

「先輩達……?」

「さぁ、國行の交友関係はあまり把握していないので」

「先輩達が睨み効かせてくれるならありがたいけど、やっぱり申し訳ないなぁ……でも、レンに呪わせるよりずっとマシ……そんなことして欲しくない。人を呪わば穴二つって言うじゃないですか」

「人同士、ならね」

レンは人間として生きながらにして怪異に堕ちた稀有な存在だ。

「レン、呪いの反動とか……ないんですか?」

「呪いとは言っちゃいましたが、実質祟りに近いので……ノーリスクでしょう。あなたに危害を加えて如月様に呪われるのは、あなたが首塚を壊したのと同じように……像や碑を穢すのと同じように、そうされて当然ということです」

「なる、ほど……呪っちゃうことで、なんか……レンが、どうにかなるとかは……本当にないんですか?」

「溜めさせるより発散させた方がいいと思うので、むしろ呪わせといた方がいいんじゃないですかね?」

倫理観どうなってるんだろうこの人。

「質問は以上ですかね? 以上でなくても一旦締め切りますね、俺も暇ではないので……」

「あっ、ま、待って!」

部屋を去ろうというのか立ち上がった従兄を呼び止める。

「最後の質問! これだけ答えていってください、お願いします! センパイとレンとミチはどこですか?」

従兄はくすりと笑って俺のベッドの脇を指差した。三つ並んだ簡素な作りのパイプ椅子、真ん中に座ったセンパイは腕を組んで眠っており、レンとミチはその両脇でセンパイにもたれて眠っていた。
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