いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました

ムーン

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後輩が友達になろうと言ってくれた

仰向けに寝かされて、ボーッと天井を見上げる。会話以外にやることと言えばそれだけだ。せめて手だけでも動けばスマホでゲームでも出来たのだが。

「ノ、ノノ、ノゾっ、ノゾム、くんっ……さ、寒くない? 暑くは……?」

「ん……今は大丈夫、ありがとな」

話し続けていないと退屈だ。けど、話し続ける体力はない。時々こうやって息を休めないと疲れてしまう。まるでマラソンでも走り終えた後みたいに。

「ごごごっ、ごめんねっ、は、話してないと、暇かなって僕っ、いっぱい話しかけてっ……つ、つつ、疲れっ、ささ、させちゃってっ」

「大丈夫……けほっ」

「わぁああっ! へ、返事しないで! もう返事しなくていいよぉっ!」

「あぁ……ごめんな、ありがとうな」

「はっ、は、話さないでぇ!」

目を潤ませて、腕を振り回して……これが高校生男子の仕草か? こんなことをしてもぶりっ子特有の鬱陶しさがないんだから、不思議だ。顔が可愛いからだろうか、背が低いからだろうか、計算のぶりっ子じゃなく、天然に思えてしまうんだ。

「ぼ、ぼぼぼっ、僕ももう話さない……!」

それともそう思えるのは俺がミチに惚れているからだろうか。虐められていたくらいだし、他人から見ればウザったいのかも。

「…………」

「話さない、話さないっ……」

静かだ。暗示じみた独り言を終えたミチが黙り込むと、もう何も聞こえない。いや、鉛筆が紙の上を走る音は聞こえる。

「ミチ……」

「話さないっ!?」

「首、そっち向けてくれ。二人が立ってたら見えるけど、座ってたら天井しか見えないんだ。寂しい」

「わっ、わっ、分かった!」

ガラス製品でも扱うような手つきで、ミチはゆっくりと俺に横を向かせた。ベッドの柵越しではあるものの二人がよく見える。

「ありがとう……」

「う、うんっ、もう話しちゃダメだよっ」

続けて話していたから息が切れただけだ、疲れが引いたら話したい。そう伝えるのは息が整ってからにしよう、とりあえずは二人を眺めるだけに……ミチ、すっごい見てくる。ちょっと居心地悪いな。

「ミチ……」

「はっ、話しちゃダメだったらぁ! なに? かっ、痒い?」

「ゃ、静かなの嫌だし暇だから……でも、話すの疲れたし……よければ二人で話しててくれ」

「えっ……!?」

大好きな人だから、他の男と話しているのを見ると嫉妬心が湧いてしまうけれど、大好きな人達同士が仲良く話しているのを見ると嬉しくもなる。

「ひ、ひひっ、他人に見せるような面白い話なんか出来ないよぉっ」

「ふつーに、話してくれたら……はぁ……いい、から」

「あっあっ辛そう! わわ、分かった! 分かったから、もう話しちゃダメ! かか、形州せんぱぁい……はっ、は、話して」

弱々しく呼ばれたセンパイはイルカなどが描かれた可愛らしい表紙のスケッチブックを膝に置き、鉛筆を緩く握ったままミチの方を向いた。

「…………」

「…………」

ミチは緊張していてセンパイは無口。弾んだ会話が出来るとは思えない。

「………………」

「………………」

でも、たどたどしい会話を眺めるのも面白いものだ。少し性格が悪い楽しみ方かな?

「……………………」

「……………………」

いつまで見つめ合ってるんだよこの二人。

「…………」

「あっ……!?」

痺れを切らしたセンパイはスケッチブックに向き直った。

「ははっ、は、話してよぉ! ノっノっノっ、ノゾムくんがお願いしてるんだぞぉっ!」

「…………分かっているが、何を話せばいいか」

「そ、そそっ、それは、僕も同じ……分かんない……」

ミチはチラチラと俺を見る。釣られてか、センパイの視線も俺に向いた。それから二人は見つめ合い、黙り、ほぼ同時に俯いた。不器用な男達だ、俺とならずっと話していられるくせに。

「……………………餡子が、好きだ」

「へっ……? えっ、あっ、僕いちごミルク……」

「……そうか」

「ぅ、うっ、うん……」

「…………」

好きな甘いものは? みたいな話をするつもりだったのかな、センパイ。互いに一つ言い合って、終わり? どこの店のがいいとか、どんなお菓子に使われているのがいいとか、餡子の方は広げようがあるだろうに。いちごミルクはあんまり広がらないけど。

「………………次はお前が話題を振れ」

「えっ!? えっ、えっ、えっ……ぁ…………と、友達っ、友達……僕の、友達は、如月くん……だけ」

ミチは窓の外を見て思い付いたような様子だった、友の文字が入った看板でもあったのだろうか。窓に後頭部を向けているので俺には分からない、窓の方を向いていても寝転がっていては低くて看板なんて見えないだろうけど。

「……友達。俺には…………俺にも、一人だけだな」

「えっ」

「…………何故驚く、ノゾム」

「も、も、もう休めたの? 息辛くない?」

話に参加する気はなかったのに、うっかり声が出てしまった。

「大丈夫……ゃ、えっと……ほら、あの三人、センパイの友達だと思ってたから……一人だけとか、意外だなって」

あの三人でなければ誰だ? 他にセンパイと親しいヤツなんて知らない、あの三人のうちの一人だけってことはないだろうし。

「…………アイツらは、友人とは少し違う」

「しゃ、しゃしゃっ、舎弟っ?」

「……そんな言葉よく知ってるな。まぁ、そうだな。それが近い……俺が強いと知って、勝手につきまとい始めた。ゲイで、ブツが大きいと知ると、乱交に誘ってきた」

「えぇ……あ、あの人達もそういう感じなんだ」

「…………あぁ、アイツらは三人で付き合ってる。俺達みたいのじゃなく、タチネコは気分で変えて……俺が捕まえたオナホとヤってると隣で盛り出すから、鬱陶しかったな。好みでない男が隣でヤってると萎える……」

「好みじゃないってことは、乱交はしなかったんですか?」

「……あぁ。髪を染めてピアスを空けてくれば一度くらいは抱いてやると言ったんだが、ヤツら自分のファッションにはこだわりがあるらしくてな。そこまで俺とヤりたい訳でもなかったんだろうが」

三人が絡み合っている姿は見たことがあるような……あまりよく覚えていないけど。明るくて優しくて楽しくて、いい人達だ。ああいう友達が居るといい人生になるんだろう、だからセンパイの友達はあの人達であって欲しかった。

「じゃあ、センパイの唯一の友達って?」

「……エロ本の趣味が合ってな、たまに情報を共有したり……感想を話したり……本を貸したり借りたり…………そういう関係だ」

「ぉ、お、男の子って感じだね」

「……そうか?」

「その人金髪じゃないんですよね?」

「…………何を心配してる?」

それまで無表情で話していたセンパイが、ニィと口元を僅かに歪めた。意地の悪い笑顔だ、俺に言わせたいことがあるらしい。言ってやろうじゃないか。

「センパイ盗られるの」

「……! ふ…………」

「ま、まま、まっ、満足そうにしやがってぇ……! ぅうぅ……僕も友達が如月くんだけじゃなかったらノゾムくんにヤキモチしてもらえたのにぃ!」

そう悔しがるなミチ、俺はいつだって二人の仲の良さに妬いている。

「…………俺はお前一筋だよ、ノゾム。俺の友人は黒髪だ、それにバカでクズだ。正直嫌いだし、お前には絶対に会わせたくない」

「友達なんですよね?」

「……友達だ。会う度に違うと言われるが」

「む、む、向こうも嫌ってるんだ……? な、なんでお互い嫌いなのに、友達なの?」

「…………本の趣味が合う。それに、俺だって一人くらい友人が居ると言いたい……俺の喧嘩の強さに屈服するようなヤツや、それを慕うようなヤツじゃなく……俺が強くなくても同じ関係を築けるようなヤツじゃないと、友人とは呼べないだろう。だから仕方なく」

仕方なくで友人を作るのは、せいぜい入学式や新学期、ペアワークで困った時じゃないのか? センパイの口ぶりじゃたまにしか会ってないみたいだし、学校で頻繁に話す仲ではなさそうだ。知っていたつもりだったが、変わった人だなぁ。

「友達…………か、かか、形州せんぱいっ、僕とか如月くんは……友達、じゃない? 歳下だしっ、ライバルだし、ダメかな……」

「……いや、友人も歳下だし、一度男を取り合ったことがある。問題ない」

「な、ななっ、ならさ、そんな嫌な人とじゃなくてっ、僕達と友達ってことにしようよ! ス、ストレス抱えてまで、仕方なく友達で居ることないよ、ストレス溜めたらノゾムくんにも悪影響だよ」

「…………いいな、それ。じゃあ今からお前が俺の友達だ、如月にも後で確認するか……絶交してくる、ちょっと待ってろ」

センパイはスケッチブックを座面に置き、スマホを持って病室を後にした。

「えっちょっえっえっ……い、行っちゃった。よかったのかな、アレで……あっノゾムくん、暑くない? 寒くは?」

「平気、ありがとうな」

「…………ただいま、絶交してきた」

「早っ!?」

吃音が吹っ飛ぶほどの衝撃か?

「……今日限り友達じゃないと言ったら、そもそも友達じゃないと言われ、切られた。腹が立つ。今度会ったら殴る」

「ダメですよ。もう暴力振るわないって約束じゃないですか、センパイ」 

「…………お前には見せない」

「そっ、そそ、そういう問題じゃないよぉっ!」

その通りだと頷く──首動かないや。センパイは苛立ちを紛らわすように頭をガリガリと掻き、ため息をつきながら椅子に腰を下ろした。その怒気にミチはすっかり萎縮して、またもや無音の時が来た。
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