過労死で異世界転生したのですがサキュバス好きを神様に勘違いされ総受けインキュバスにされてしまいました

ムーン

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じっくりと眺められて

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三人全裸で身を寄せ合って眠る。右側に寝転がったカタラの二の腕に頭を置き、もう片方の彼の腕に抱き締められながら、左側に寝転がったシャルを抱き締める。シャルもカタラの腕に頭を乗せている。

「ん……にぃ、さん……」

先程の復讐としてシャルの頬を伸ばして離して遊んでいると眠りが浅くなったのか俺を呼んだ。寝言なら返事はしない方がいいだろう。

「にぃ、さ…………す、き……」

眠っているのにふにゃっと笑い、幼い寝顔に戻る。純粋に、ただただ純粋に、可愛い。
カタラも何か寝顔を言ってくれないか、そう考えた俺は彼の腕の中で反転し、あまり伸びない頬を引っ張った。

「ん~……」

さぁ、何か言うかな?

「……やめろピカピカクソサイコ」

めっちゃ罵られた。なんて流暢な寝言だ。反論したいが寝言に返事をしてはいけないと聞いた覚えがある、俺も大人しく眠ろう。
眠りやすい姿勢を探し、見つけ、目を閉じた瞬間、扉が開いた。

「三人とも……あれ、寝てるのか」

入ってきたのは査定士のようだ。目を開けずにいると薄い毛布をかけられた感触があった。続けて頭羽を擽るように撫でられ、反射的に揺らしてしまう。

「…………無事でよかった」

愛おしげな声色に、優しい手つき。それに応えたくなった俺は頬を撫でていた手に手を添え、目を開けた。

「起こしてしまったかい? すまないね、眠っていていいよ」

「……あんまり眠くない」

そう言いながら二人の隙間を抜け出してベッドを下り、毛布を整えてから査定士の腕に絡みついた。

「さっき、ネメシスが来た時……守ってくれて嬉しかった」

「杞憂だったようだけどね。私は前に君をとても酷い目に遭わせた、君を守るのは当然なんだよ」

そういえば査定士はいつネメシスが実は敵ではなかったと分かったのだろう。深く考えると上を向くクセは浮遊する目玉こと録画機器のレコードアイを見つけた。

「さ、私は書類仕事があるからね、弟とお友達と眠っていなさい」

「……邪魔しないから」

「…………ふふ、私に甘えてくれるんだね、嬉しいよ。着いてきなさい」

廊下に出て数十秒、自分が全裸であることをゆっくりと理解し、恥ずかしくなってきた。査定士は後ろを向いていないし使用人は今家に居ないのに、俺は胸を手で覆い、性器を腰羽で隠した。

「……さ、ここだよ。君が面白いものは何もないと思うけど、ゆっくりしておいき」

渡された薄い毛布を体に巻き、ふかふかの一人がけソファに座って仕事机についた査定士を見つめる。特に面白くないので立ち上がって彼の背後の本棚を眺めると、俺を買った小説家シャルリルの本を見つけた。

「シャルリルの本って面白い?」

「趣味が悪いね。だが、文はいい」

ノベルゲームは好きだが、ノベルは苦手だ。数行ごとに表示してくれるなら読めるが、何十行も文字が並んでいると目が滑って読むのが嫌になる。

「漫画とかないの?」

「君が面白いものはないと言っただろう?」

キィ……と音を立てて椅子を回し、振り返った査定士は俺の尻を毛布の上から撫でた。

「……仕事にならないな。あぁ、君が悪いと言っているんじゃなくてね、息子のように可愛がっていた彼が奇妙な大怪我をして、少し混乱していてね……たった今自分がどんな文字を書いたかも分からないようじゃ、仕事にならないよね」

査定士の手は毛布を捲り、直接尻を撫で回してきた。その手つきは俺が寝たフリをしていた時とは違い、欲を孕んでいる。査定士の肉欲を感じ取った俺の呼吸は荒くなり、下腹は疼き、自然と毛布を床に落としていた。

「私を癒してくれるかな。君達兄弟を保護したのは私の意思だが、君のお友達は君の意思で家に入れている。だから、そのお礼をしてくれるかい?」

「……はい」

「ありがとう。ならそのまま、後ろを向いていて。絶対にこちらを向かず、立ったまま……分かったね?」

何をする気だろう。俺は早く抱いて欲しいのだが、お礼である以上は言われたようにしなければ。査定士は椅子から降り、本棚に向かう俺の後ろに膝立ちになった。むにむにと尻を揉み、頬を擦り寄せている。

「あぁ……本当、素晴らしいよ君は。もちもちぷりぷりすべすべふわふわ……赤子でもここまで素晴らしくはないね」

「そ、そりゃ……インキュバス、だし」

赤子の尻を撫で回したことがあるのだろうか。ただの比喩だとは思うが、あったとしたら怖い。

「あぁ、一度でもインキュバスやサキュバスと交わった人間はそれ以降人間とでは満足出来なくなるらしいね。恐ろしい習性だよ」

とうとう舌が触れる。尻肉を掴んで割れ目を開き、穴の縁をぴちゃぴちゃ音を立てて舐め始めた。

「ゃ……そんな、とこっ……舐めちゃ、だめ……」

「ダメ? そう」

舌が離れ、中指が穴の中に入ってきた。じっくりと指を回して異物感を俺に意識させ、こりっと前立腺を擦った。

「ひぁっ……!」

「君のは分かりやすいねぇ、インキュバスは人間のより大きいとは言うけれど……それにしても。弄って欲しくて目立たせてるのかな?」

「そ、んなっ……ぁ、あっ、あぁあっ……それっ、とんとん……やばい……」

とんっとんっ、と指の腹で軽く叩かれる。もっと強くして欲しいと思いながらも、この微弱な快感をもっと楽しみたいとも思ってしまう。きっと査定士は俺が言うまで指の動きは変えないのだろう、どうねだろうか考えていると扉が開いた。

「兄さん……?」

「シャルっ……!」

寝ぼけ眼のシャルが目を擦りながらやってきた。足取りは覚束無いのに服はしっかりと着ていて、全裸で穴をほじくられている自分と比べて恥ずかしくなった。
  
「あぁサク、振り向いたね? 絶対にこちらを向くなと言ったのに」

「え? い、いやでも、今のは……」

「言い訳無用。お仕置きだよ、サク」

指が抜かれ、立ち上がった査定士に優しく頭を撫でられる。ずっと紳士的だった彼の「お仕置き」という言葉は俺の頭で上手く消化出来ず、シャルに抱き締められるまでボーッとしていた。

「兄さんに何する気ですか?」

「大したことじゃないよ。ちょっと恥ずかしいだけだ」

俺を抱き締めるシャルの腕は微かに震えている。査定士もそれに気付いたようでシャルの頭を撫でた。

「大丈夫、君にもサクにも痛いことはしないよ。お仕置きという言葉が怖かったかな? そうだね、なら、罰ゲームとかで……」

飼い主に撫でられる犬のように頭羽を下げて大人しくしていたシャルは突然頭羽で査定士の手を叩き、俺を強く抱き締めた。

「……罰ゲームの方が嫌なんだね」

「シャル……? シャル、どうしたんだ?」

頼りになる俺の弟がこんなにも怯える姿なんて見たことがない。怯えているのに俺を庇うようにしているのがいじらしい。

「君は地下で一体どれだけ虐められたんだ……可哀想に。大丈夫、大丈夫……私が守ってあげる、君達兄弟の安全は私が保証するよ」

落ち着きなく揺れていた尻尾の揺れが穏やかになり、頭と腰の羽がまた下がった。

「サク、君も撫でてあげて」

「あ、はい……シャル、大丈夫だぞ。今度こそ兄ちゃんが守ってやるからな」

そんなこと出来る訳もないのに、それ以外に言うことが思い付かなかった。俺が何度か背を撫でるとシャルはようやく呼吸を落ち着けて俺から離れた。

「さてと、サク……約束を破ったからには相応のことをしてもらわないとね」

査定士はシャルを気にしながら言葉を選び、俺に軽い罰ゲームを求めた。

「あれ不可抗力なのに……何すればいいんだよ」

「ここに座って自慰行為をしなさい」

先程まで自分が座っていた仕事用の椅子を指し、査定士はいつも通りの優しげな笑みを浮かべた。眼鏡の奥で細められる瞳を見つめ、俺はシャルと隠れた地下室にSM用の道具があったのを思い出し、査定士の趣味を察した。

「わ、分かった……」

腰を下ろすと肘置きに足を置くよう言われ、シャルと査定士の目に性器と後孔を晒す。椅子の上でM字に開脚し、熱くなった頬を手の甲で冷ました。

「あぁ……可愛らしいね、やっぱり君は恥ずかしがる顔が何より可愛らしい。羞恥心を飢えが上回って恥ずかしがりながらねだるのもいいけれど、食事でもないのに淫らな行為をさせられて顔を赤くするのがたまらない。本心ではそこまで嫌がっていないのを自覚するのがまた恥ずかしい……そんな顔だね、サクは淫らな恥ずかしがり屋さんだ」

「…………おじさん」

「なんだい、シャル。羞恥は与えているけど痛みはない、怒らないで欲しいな」

「あなたは僕の感情を完全に言葉にしてくれました、尊敬します……!」

もう怒って査定士に襲いかかってくれた方がマシだった。その感動は分かるよ、前世の俺はそこそこオタク趣味があったからね、言語化上手い同好の士って尊敬するよね、でも俺が対象なのは納得がいかない。

「さぁ、サク、始めて」

「兄さん……お願いします」

顔から火が出そうだ。やらなくたって二人は俺に暴力を振るわない、だからこそだ。比較的善良な彼らの頼みなら聞いてやりたい。俺は自分の性格を恨みつつ、早く終わらせてしまおうと目を閉じて性器に手を這わせた。しかしその手は査定士に止められてしまった。
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