過労死で異世界転生したのですがサキュバス好きを神様に勘違いされ総受けインキュバスにされてしまいました

ムーン

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インキュバスである証明

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痙攣が治まらない、どんどん酷くなっていく。どんどん後孔が拡げられて、取り返しのつかないことになっていく。

「イっ、ぐぅうぅうっ! はぁっ、は、ひっ、ひぐっ! んぅゔっ! た、たす、けっ、ぁああぁあっ!?」

「はぁーっ……すっげぇ、ちゃんとセックスできてる。これもらってすぐ女抱いた時は、腹破っちまって三分もできなかったからな……流石インキュバス、名器だなぁ?」

「ゃ、あっあぁああっ! ぁ、うっ、俺っ、俺、にんげっ、んぁあっ!? こわれりゅっ、こわれりゅぅっ、やらぁあっ!」

軍人なら魔物と戦ったこともあるだろう。捕獲したこともあるのだろう。その身体を弄り回すことなんて、性的な欲求でなくても研究目的でやるに決まってる。

「いい餌場見つけたなぁ? インキュバスさんよ、サクとか名乗ってたか? 勝手に湧いてくるてめぇらが名乗るなんて生意気なんだよっ!」

「しっぽもっ、はねもぉっ、ないじゃんっ、んんぅゔっ……! ぅ、あっ、俺っ、にんげん……らもんっ……」

何度も突かれるうちに俺の後孔は男の陰茎の形になった。しかしそれは普段のようにほぐれたり慣れたりした訳ではない。ピアスホールがピアスを外しても残るように、男専用の穴が傷跡として完成したのだ。

「人間? バカ言うな、こんっな腹の伸びる人間がいるかよ!」

「イぐぅぅうっ!? ぁ、あっ……ひぃっ!? ゃ……お、なか、なにこれぇ……」

男は挿入の角度を変え、ごぢゅっ……と腹側に突き上げた。へその上がぼこっと膨らむ様子はアルマに抱かれている時とは比べ物にならないほど恐ろしく、目を閉じてしまった。

「おい、説明しろよ、この腹はなんだ? あぁ?」

SFホラー映画で宇宙生命体が人間に寄生し、腹を突き破って出てくるシーンで一時停止。今の俺の腹はそんなふうになっていて、男はぼこっと膨らんだ腹の突起を掴んだ。

「ひぐっ! ゃ、あっ……イぐぅうっ、やらっ、イく、イくぅっ……」

「すっげぇなインキュバス、挿入したまんま自分でシコれるぞ」

インキュバスの皮膚は薄い。筋肉も人間に比べれば圧倒的に密度が低く、脂肪は見た目に必要な分しかないし脂肪らしい働きはしていない。
つまり、俺の腹は男の陰茎をコンドームのように覆っており、男は俺の腹越しに自分の陰茎を撫で回している。

「やめでっ、もぉ、やめてよぉおっ……ごめんなさいっ、ごめん、なしゃいいっ……ゆるしてっ、抜いてぇ……」

「もう一回聞くぞ、お前はインキュバスだな?」

「は、いっ……そぉれすっ…………ほ、ほんとのこと言ったから、もぉやめて……」

「インキュバスならセックス好きだろ? ヤってやるから感謝しろ」

男は手を俺の腰に戻し、アザが残りそうなくらいに強く掴んで腰振りを再開した。

「あぁあああっ!? やだっ、やらぁああっ! イぐっ、イぐぅぅうっ!? なんれっ、痛いっ、ぐる、しぃっ……なんれ、イくのぉぉっ……あ、ひっ! あ、あっ、ぁ、あ……」

人間どころかまともな生き物の陰茎とは思えない。無数のイボが腸壁を引っ掻き、巨根は俺の内臓を引きずり出そうとする。痛いのに、苦しいのに、気持ちよくて仕方ない。

「インキュバスのくせに壊れんなっ!」

「あぐっ! ぅ、あっ!? ひ、ィっ……あぁああーっ!? もぉやらっ、もぉやぁああっ! イぐのやらぁぁっ! あるまっ、あるまぁあっ!」

強過ぎる快楽と苦痛に意識が飛びかけたが、腹を殴られて正気に戻される。

「はぁーっ……いっぺん出すぞ」

「ぁ、やっと……ぁ、んっ、ぐぅうっ!? ふ、ふっ、ふぅっ、ぅうっ……は、はれつっ、すりゅ……は、はやく抜いてぇっ…………ぅぷっ、ぅ、ぉええっ……」

どぼどぼと流し込まれる精液の量も異常だ。一発で口まで逆流した。アルマに抱かれた時に逆流した経験はあるが、あれは確か五発以上抜かずに出されたはずだ。オーガで五発以上だぞ? こいつは人間だろ?

「ん、ゔっ……ぅああっ!」

萎えた陰茎がずるずると引き抜かれたが、ぼっかり開いたままの穴が塞がる気配はなく、外気が体内に触れる。

「ある、ま……あるまぁ…………あ、る……ま……」

「……あるま? なんだそりゃ」

「たすけ……て……あるま……」

「おい、なんだって聞いてんだぞ」

這いずってでも逃げようとシーツに爪を立てていたが、手首から先にしか力が入らず身体は全く動かなかった。シーツを引っ掻きながらうわ言を呟く俺の髪を掴んで持ち上げた男は、もう片方の手で俺の頬をパンパンと叩いた。

「あるま、ってなんだ?」

「……だんな、さま」

「旦那様ぁ? お前の飼い主か……? 髪染めるまでは自力で出来ても、羽と尻尾の処理は自力じゃ無理だもんな……だが、ここの店長はアルマなんて名前じゃねぇし……おい、もっとちゃんと……あぁクソ、ぶっ壊れてんのか? インキュバスのくせに一回でダメになるとかふざけんなよ」

ぼすんっとベッドに頭を落とされる。衝撃で少量の精液を口から吐き、その味に疑問を覚える。

「こ、れ……せーえき、じゃ、ない……?」

精液らしい味もしないけれど、味は感じるから体液ではある。けれど知らない味だ。どんどん吸収して腹が縮んでいくのに危機感を覚える、得体の知れないものを飲んで大丈夫だろうか……と。

「ぅ…………さ、く……サクっ!? サク、大丈夫か!?」

ピンクの髪が視界に入る。黒い眉の下の黒い瞳に俺が映り込む。先輩が目を覚ましたらしい。

「……お客様、暴力もありましたので店側に報告させていただきます。今回の時間も切り上げさせていただきますので」

「あー待て待て、ちょっとこれ見ろ」

男は脱ぎ捨てたズボンのポケットからサバイバルナイフのような刃渡りの刃物を取り出し、俺の二の腕に突き立てた。

「ぁっ……ぅ……」

痛いと叫ぶ体力はない。

「なっ……お前っ! サクに何を!」

「見てみろって」

ナイフが引き抜かれ、血が溢れる。たっぷりと精液を注がれたばかりの俺の魔力は満タンで、ナイフが刺された傷はすぐに塞がった。

「…………え?」

「分かっただろ? こいつは魔物、インキュバスだ」

「い、いや、違う……インキュバスは髪がピンクなんだ、羽とか尻尾もあって……」

男は半開きの俺の口の中に無遠慮に指を突っ込み、俺の舌をつまんで引っ張り出した。

「んぅー……」

「ほら、この顎の下どころか喉まで届きそうな舌はインキュバスだろ? ほーかーにーもー……ほら、目、よく見てみろ、ハート模様がある」

先輩はじっと俺の目を見つめる。縋るような表情は怯えた表情に変わる。

「髪なんか染めりゃいいだけだ、てめぇみたいにな。羽と尻尾は不思議だよな、元々の欠損なのか? 切って傷口焼いてるって感じでもねぇしな……」

「…………サクをどうするんですか?」

「あぁ? 魔物なんだから殺処分に決まってんだろ。普段ならその前に連れて帰って遊ぶんだけどなー……こいつ、もう壊れてるしな」

「…………………………させない」

先輩は俺の頭をぎゅうっと抱き締め、男を睨みつける。

「あぁ? なんだ、欲しいのか? 一定以上の広さの土地持ってねぇと魔物を飼う許可なんか出せねぇんだぞ。それに、そいつは壊れてる」

「……サクは俺と結婚するんだ! 約束したんだ、ここを辞めたら一緒に暮らすって!」

そんな約束してない。

「…………あぁ、そっか。魅入られたか。可哀想に」

男はナイフを握り直す。その刃渡りは長く、刃は鋭く、人間の首を簡単に切ってしまえそうだ。

「たまに居るんだよなぁ、魔物に魅入られちまう奴……そういう奴は現場判断で殺処分だ。いやぁ……人間バラすのは久しぶりだな」

男は嫌らしい笑みを浮かべてナイフを振りかぶる。俺は目を閉じた先輩を庇おうと起き上がり、頭にナイフを受けた。頭蓋骨を削って頭皮をこそげ落としたナイフは勢い余ってベッドに刺さる。

「外しちまった…………ん?」

白いシーツの上に頭皮ごと俺の黒髪が落ちている。頭皮の痛みから推測するに、ナイフを受けたのはちょうど羽が生えていた位置だ──そう認識するが早いか、左頭羽が再生した。ネメスィが詰めていた細胞が今えぐられてしまったのだろう。

「へぇ……? どうやって隠してんのか分からねぇが、出し方は分かったな」

再生したばかりの羽を掴まれ、ろくに動けない身体に激痛が与えられることを察し、俺はそっと目を閉じた。
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