過労死で異世界転生したのですがサキュバス好きを神様に勘違いされ総受けインキュバスにされてしまいました

ムーン

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もう無理……

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立ったカタラの首に腕を絡め、彼の細い腰に足を絡め、魔力の糸に吊られて抱かれる。

「ぁ、あっ! しゅきっ、かたらぁっ……きもちぃっ、かたら、かたらぁ……!」

キスを交わして俺の唾液を飲んだカタラは異常な興奮状態にあり、自分自身の糸で吊った俺に抱きつくようにして腰を振っている。

「サク、サク、サクっ……っ、ぁ……はぁっ、サク……!」

射精の瞬間には腰の動きは止まるが、すぐにまた動き出す。ぱちゅぱちゅと水音を鳴らして突き上げられるのは最高だし、俺に興奮しているカタラの顔も最高だ。

「は、ぁぅっ……! ん、イくっ、またイっちゃうっ……! んんっ! カタラ、かたらぁっ……可愛い」

俺の腰羽の上あたりで手を組み、俺の弱点を狙う余裕すら失くしたカタラの表情はたまらない。ずっと口を開けたまま熱い吐息を俺にかけて、とろんとした青い瞳で俺を見つめ続けている。

「かわ、いい……ざ、けんなよっ……はぁっ、クソ、意識が……」

深海色の瞳に光が戻る。嫌悪感の存在しない男らしい睨みにゾクゾクと快感を覚え、カタラの陰茎を締め上げる。

「……っ、サク……舐めんなよ、まだ俺にはこれがあるっ……お前に負けたりしねぇよ!」

綺麗な瞳が仄かに輝く。その瞬間、下腹に淫紋が浮かび上がって熱を持ち、俺の感度を一気に引き上げた。

「ひぁああっ!? やぁっ、むりっ、むりむりむりっ……イくぅううっ! あぁあっ! イくっ、イぐぅぅっ!」

擦られている真っ最中なのに腸壁がずくずくと疼き、ひだを弾かれる度に強過ぎる快楽を味わう。

「イってる、イってるってばぁあっ! むりっ、やらぁっ、腰止めてぇっ! しぬっ、しんじゃ、ぁああっ……!」

少しでも快感を逃がそうというのか手足が勝手に曲がって力が入る。ピンと伸びる時もあるのに、今回は曲がってしまった。カタラに抱きついて彼の腹に陰茎を擦ることになってしまった。

「ひぁあんっ!? 前らめっ、いっしょらめぇえっ! やぁっ、ぁああっ! イぐのっ、止まんないっ……ひ、ぃいんっ!」

「サク、サクっ……はぁっ、やばい、俺ももう意識保てねぇ……多分、これで最後だ、出すぞっ」

「あっ……! きてっ、きてぇっ! 孕ませて、カタラぁっ!」

淫紋は昔、不妊治療のために使われていた術だったと初めての発動の時カタラに聞いた。その名残りで男だろうと孕みたくなるのだと。

「は、ぁんっ……! いっぱい、でてりゅっ……ぁ、あぁーっ……! イくぅっ……!」

陰茎がどくどくと脈打つのに合わせて絶頂してしまう。敏感な腸壁に精液が零れる刺激ですら身体が跳ねる。

「ん……柔らかくなっちゃった? カタラ……カタラ?」

カタラは俯いてしまっている。彼の首に巻き付けている手を揺らすと俺を吊っていた魔力の糸が消えた。

「……っ、兄さんっ!」

シャルに受け止められて背を床に打ち付けずに済んだ。しかし、細腕に背中を支えられた衝撃でまた絶頂してしまった。カタラは意識を失ってしまったようだが、淫紋の効力はまだ有効らしい。

「ちょっとカタラさん! 危ないじゃないですか、兄さんに怪我させる気なんですか? カタラさん? 聞いてます?」

シャルは俺を査定士の膝の上に乗せた。カタラの萎えた陰茎が抜けていく刺激に喘ぎ、査定士の体温に甘えてもたれる。

「ちょっと、カタラさん……まさか、死んで……!?」

倒れたカタラをひっくり返したシャルは羽と尻尾をピンと伸ばす。

「……あ、息してますね」

紛らわしいこと言うなよ! そう叫びたいけれど、そんな体力はない。元通りに垂れた羽と尻尾は俺の方へ振り返ると同時にパタパタゆらゆら揺れだした。

「にーぃさんっ、可愛いもの彫ってもらってますね」

「ぁっ……」

ゆっくりと光が弱まっていく淫紋をシャルの指がなぞる。俺の下腹は今や性感帯で、軽く押されるだけで声が漏れる。

「僕達の尻尾と同じ形……ふふ、いいデザインですよね」

自分の尻尾を俺の下腹に描かれた淫紋の横に並べ、シャルは無邪気に笑う。

「シャル……カタラ、ベッドで寝かせてやってくれよ」

「…………分かりました」

パタパタと揺れていた頭羽がペタンと頭に沿う。気分の落ち込みが分かりやすくて微笑ましい。

「……ちょ、ま、待てシャル! 猫じゃないんだから首なんか掴まずに、こう……優しく抱えて移動させてやってくれ」

お姫様抱っこのジェスチャーを見せるとシャルは露骨に嫌そうな顔をしながらもカタラを抱え、アルマの横に寝かせた。全裸の男二人が並んで寝てる光景ってなんか、アレだな……

「ふふ、シャルも打ち解けてきたね。君にあんなに嫌そうな顔を見せるなんて」

「……ぁ、そういえば珍しいかも」

俺の頼みはたとえ嫌なことだろうと笑顔で承諾することが多かった。まぁ、そうやってストレスを溜めすぎると俺の前でも怒り狂ってしまうのだが。

「淫紋、だったかな? 消えてしまったね、可愛らしかったのに……」

査定士の手が俺の腹を撫でる。年齢を感じる皺のある手は何故か落ち着く。このところシャルが温厚なのは彼のおかげというのも大きいだろう。

「ん……んっ……おなか、きもちぃ……」

「ふふ、恥ずかしがる君もいいけど、ぼんやり気持ちよさそうなのもいいね」

査定士は俺が感じる腹の範囲を探るように脇腹の方やみぞおちの方まで手のひらで優しく圧迫しながら撫でていく。

「ん……? 何か、硬いね」

「ぁー……さっき、シャルと見つけたやつ。何だと思う?」

査定士は査定を生業としている。指先の感覚は優れているのではないだろうか、器用だし。

「うーん……? 硬い、けど……強く押せばへこみそうだね」

「んっ……! ちょ、ちょっと痛い……」

「あぁ、ごめんね。形は……楕円、いや、もっと直方体に近い。長細いカプセルのような……うーん? サクの体内で逃げてしまってよく分からないな」

「兄さん、おじさん、何してるんですか?」

背もたれの上に座り、査定士の肩に膝を乗せて彼の胸の前で足を絡ませたシャルが彼の頭の上に顎を置いて覗き込んでくる。

「……お前どこ乗ってんだよ。おじさん重いだろ、降りなさい」

「平気だよ、サク。ありがとう。シャル、そこに居て構わないよ」

シャルは嬉しそうに頬を緩ませて査定士の頭を抱き締める。なんだろう、なんかムカつく。

「シャル、サクの腹に何かあるようなんだ」

「そうだ兄さん、変わりはありませんか? 痛かったり……何か、体調に変化は?」

「特にないかな……」

自分でも自分の腹をさする。手の圧迫からころころと逃げるカプセルのようなそれは手のひらに収まる程度の大きさだ。

「こんなデカいもん飲めないし……考えられるとしたら、店に居た時に寝てる間に変な玩具突っ込まれたとか……?」

店に居た時のことを聞くなら──

『そんなことなかったと思うけどな』

──先輩の顔を思い浮かべると同時に彼の声が降ってくる。その方を見ればにっこり笑った先輩と目が合った。

『少なくとも俺は知らない』

「そうですか……」

「サク? どこを見ているんだい?」

「え? 先輩……」

「え? ぁ、あぁ……先輩、そうか、君ばかり見ていて気付かなかったよ。こんにちは、先輩」

先輩のずっと歳上だろう査定士が「先輩」と呼ぶのは違和感がある、彼はどうして名乗ってくれないのだろう。

「先輩、挨拶くらい返してくださいよ」

『……こんちわ』

まだ少し警戒しているのか、目を逸らして小声で言った。査定士に聞こえただろうか、気になって彼の方を見る。

「うん、いい返事だね。仲良くしよう、先輩」

査定士は目を逸らしている先輩の顎の辺りを見つめ、笑顔を浮かべた。
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