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有無を言わさぬ問い (水月+カサネ・アキ・セイカ・サン)
カサネに教えてもらった、パグ犬は身体の毛皮の手触りと、耳の毛の手触りが全く違うと。よく見ると背筋に沿ってほんのり焦げたように色が濃くなっているベージュの毛に比べ、耳は艶やかな漆黒。手触りは、如何に。
「……!? ツルツル! ちゅるっちゅる! えっ何この手触り……ふぉお、ウサギとも狐ともボーダーコリーとも違うっ。触ったことないツルツル感!」
「んだべ?」
「だべ!」
ついオウム返ししてしまった。不快に感じなかっただろうかと慌てて見上げたが、カサネはニヤニヤと俺を見下げているだけだ。
(……犬を可愛がるイケメン、本当に癖なんですな)
またカサネを新たな趣味に目覚めさせてしまったな。フフフ……顔が良過ぎてすまない!
みんなが朝食を食べている間、パグ犬を可愛がって過ごした。朝食を終えるとカサネはパグ犬にエサを用意し、俺に離れるよう言った。
「飯食ってっ時の動物には触んねぇ方がいいべ、ジロジロ見んのもあんまよくねぇ」
「あ、分かります分かります。コンちゃんも吠えてくることあるし……」
「え、マジ……? 結構獣寄りなんだな」
「寄りと言えば、荒凪くん……カラフルな魚見て、俺にこの魚綺麗って思う? とか、自分もカラフルな方がいい? とか……」
「……! さっきの店の店員さんがタイプでしょ、みたいな?」
「一般カップルだとありそうな会話ですね。多分そうなんですよ、嫉妬? 不安? 的な……心配しなくても、荒凪くんの鱗ほど綺麗なものないんですけどね。虹色に輝いて……螺鈿というか真珠というか、手芸素材にした過ぎる……!」
俺自身がアクセサリーやストラップをつけたいという訳ではない。ただ、可愛くて綺麗なものを作りたいのだ。作ったらもうあんまり興味はない、作品箱に入れたり適当に飾ったり、そんな程度だ。手芸が趣味の人間というのはさそういうものだと思う。
「にーにっ!」
「ぅおっ……アキぃ、飛び込む相手は選べよ~? 結構な衝撃なんだからな、お兄ちゃんはもちろんいいけど先輩とかはダメだよ」
背中にドンと衝撃を受けた。リビングの隅で犬に構っている俺を待ち切れず、ダイニングから走って飛び込んできたみたいだ。
「先輩、アキいい子にしてました? なんかご迷惑とかは……」
「ゃ、特に。サンちゃん手伝ったり、早苗ちゃん介助したり……すげぇいい子だった」
「ホントですか? よかったぁ。えらいなぁアキぃ」
《犬臭ぇ》
真っ白な髪を撫でようとしたが、ぺしっと手を払われてしまった。しかし変わらず俺に抱きつき、胸に頭を擦り寄せている。なんなんだ……?
「……その、サンちゃんと……すげぇヤってたけど」
「何をです?」
「ぇ……え、えろい、こと」
「あぁ……サンは結構他の子とするの好きだからなぁ。撮ってないですか?」
「ねぇよ!」
「そうですかぁ……ふふ、アキぃ、サンとシたの楽しかったか?」
アキの腰に左腕を強く巻き付け、右手で尻を鷲掴みにする。身体を震わせ、瞳に熱を帯びる。いつもより反応がいい、まだ身体が敏感なようだ。
「……やっぱ、そういうの好きなんだな、鳴雷くん」
「そういうの?」
「彼氏同士の……」
「あぁ、はい。美少年同士の絡みは最高なので。もちろん俺が本命で、挿入は俺しか許しませんけど、ペッティングは推奨って感じですねー……俺が見れないってのはアレなんで、撮っといて欲しいですけど」
「…………変な趣味」
アキにしばらく構ってからダイニングに戻ると、机の上に居たクンネが走ってきた。机の縁で踏み切り、跳び、俺の腹にべちっとぶつかる。いや、しがみつく。易々とよじ登り、胸ポケットに潜り込む。
「……寂しかったのかな?」
「知らね。俺、そいつの通訳にっつー話だったけど、あんま喋んなかったぜ。荒凪くんとはよく遊んでたけど」
「あ、そうなんですか?」
「人外同士通じるもんでもあんのかね」
胸ポケットの中に人差し指を入れると、小さな小さな手にきゅっと握られた。指を軽く揺らせば笑い声が聞こえてくる。
「カワヨ……」
「水月ぃ~、お昼食べてく?」
ダイニングテーブルに肘をついて、食後のコーヒー片手にサンが微笑む。
「サン、えっと……あんまり居座っちゃ悪いよね。昼前には帰るよ。ありがとう」
「……お昼何食べたい?」
肘をつくのをやめ、俺の方を向く。白い瞳は俺の顔を捉えてはいない。
「え? いや……」
「今日はヒト兄貴が掃除に来る日だから、ついでに何か買ってきてもらおうと思っててね。早めに連絡しとかないとだから今教えて。何食べたい?」
「あの、サン? 俺昼前に帰──」
「水月」
「──りません」
一段低い声で名前を呼ばれて、反射的に否定の言葉へ変えた。
「……用事ないよね?」
「はい」
「居るよね?」
「はい」
「じゃ、何食べたいか決めて」
俺一人で決めるのも悪い、アキ達にも聞いてみよう。
「みんな、何食べたいとかあるか?」
セイカがアキへの翻訳を始める。ポン、と背後でコルクを抜いたような音が聞こえた。
「あぶらげ! あぶらげが食べたいのじゃ!」
「いつもじゃん」
「寿司ってことか? うどん?」
「……寿司じゃな!」
昼間から寿司が食べたいとねだるのはなんだか厚かましく感じる。誕生日パーティでご馳走をいただいたばかりだし。
「ゃ、ほら、サン作ってくれる感じ……だよね?」
「作んなくていいならそっちのが楽だよね~、お寿司頼む? 元組員がやってるとこあるし」
「鳴雷、寿司嫌なのか?」
「カムっ……神様が寿司食いたいってんだから寿司確じゃねぇの?」
「おっ、分かっとるのぉかっちゃん。ヌシらも神たるワシを少しは敬え!」
「もしもし兄貴~? お昼お寿司買ってきてくれない? えーと、何人居たっけ……」
俺の躊躇いなど露知らず、昼食は寿司に決まった。まぁ、好きだからいいけど……楽しみだな。あぁ、サビ抜きを頼んでおかないと。
「……!? ツルツル! ちゅるっちゅる! えっ何この手触り……ふぉお、ウサギとも狐ともボーダーコリーとも違うっ。触ったことないツルツル感!」
「んだべ?」
「だべ!」
ついオウム返ししてしまった。不快に感じなかっただろうかと慌てて見上げたが、カサネはニヤニヤと俺を見下げているだけだ。
(……犬を可愛がるイケメン、本当に癖なんですな)
またカサネを新たな趣味に目覚めさせてしまったな。フフフ……顔が良過ぎてすまない!
みんなが朝食を食べている間、パグ犬を可愛がって過ごした。朝食を終えるとカサネはパグ犬にエサを用意し、俺に離れるよう言った。
「飯食ってっ時の動物には触んねぇ方がいいべ、ジロジロ見んのもあんまよくねぇ」
「あ、分かります分かります。コンちゃんも吠えてくることあるし……」
「え、マジ……? 結構獣寄りなんだな」
「寄りと言えば、荒凪くん……カラフルな魚見て、俺にこの魚綺麗って思う? とか、自分もカラフルな方がいい? とか……」
「……! さっきの店の店員さんがタイプでしょ、みたいな?」
「一般カップルだとありそうな会話ですね。多分そうなんですよ、嫉妬? 不安? 的な……心配しなくても、荒凪くんの鱗ほど綺麗なものないんですけどね。虹色に輝いて……螺鈿というか真珠というか、手芸素材にした過ぎる……!」
俺自身がアクセサリーやストラップをつけたいという訳ではない。ただ、可愛くて綺麗なものを作りたいのだ。作ったらもうあんまり興味はない、作品箱に入れたり適当に飾ったり、そんな程度だ。手芸が趣味の人間というのはさそういうものだと思う。
「にーにっ!」
「ぅおっ……アキぃ、飛び込む相手は選べよ~? 結構な衝撃なんだからな、お兄ちゃんはもちろんいいけど先輩とかはダメだよ」
背中にドンと衝撃を受けた。リビングの隅で犬に構っている俺を待ち切れず、ダイニングから走って飛び込んできたみたいだ。
「先輩、アキいい子にしてました? なんかご迷惑とかは……」
「ゃ、特に。サンちゃん手伝ったり、早苗ちゃん介助したり……すげぇいい子だった」
「ホントですか? よかったぁ。えらいなぁアキぃ」
《犬臭ぇ》
真っ白な髪を撫でようとしたが、ぺしっと手を払われてしまった。しかし変わらず俺に抱きつき、胸に頭を擦り寄せている。なんなんだ……?
「……その、サンちゃんと……すげぇヤってたけど」
「何をです?」
「ぇ……え、えろい、こと」
「あぁ……サンは結構他の子とするの好きだからなぁ。撮ってないですか?」
「ねぇよ!」
「そうですかぁ……ふふ、アキぃ、サンとシたの楽しかったか?」
アキの腰に左腕を強く巻き付け、右手で尻を鷲掴みにする。身体を震わせ、瞳に熱を帯びる。いつもより反応がいい、まだ身体が敏感なようだ。
「……やっぱ、そういうの好きなんだな、鳴雷くん」
「そういうの?」
「彼氏同士の……」
「あぁ、はい。美少年同士の絡みは最高なので。もちろん俺が本命で、挿入は俺しか許しませんけど、ペッティングは推奨って感じですねー……俺が見れないってのはアレなんで、撮っといて欲しいですけど」
「…………変な趣味」
アキにしばらく構ってからダイニングに戻ると、机の上に居たクンネが走ってきた。机の縁で踏み切り、跳び、俺の腹にべちっとぶつかる。いや、しがみつく。易々とよじ登り、胸ポケットに潜り込む。
「……寂しかったのかな?」
「知らね。俺、そいつの通訳にっつー話だったけど、あんま喋んなかったぜ。荒凪くんとはよく遊んでたけど」
「あ、そうなんですか?」
「人外同士通じるもんでもあんのかね」
胸ポケットの中に人差し指を入れると、小さな小さな手にきゅっと握られた。指を軽く揺らせば笑い声が聞こえてくる。
「カワヨ……」
「水月ぃ~、お昼食べてく?」
ダイニングテーブルに肘をついて、食後のコーヒー片手にサンが微笑む。
「サン、えっと……あんまり居座っちゃ悪いよね。昼前には帰るよ。ありがとう」
「……お昼何食べたい?」
肘をつくのをやめ、俺の方を向く。白い瞳は俺の顔を捉えてはいない。
「え? いや……」
「今日はヒト兄貴が掃除に来る日だから、ついでに何か買ってきてもらおうと思っててね。早めに連絡しとかないとだから今教えて。何食べたい?」
「あの、サン? 俺昼前に帰──」
「水月」
「──りません」
一段低い声で名前を呼ばれて、反射的に否定の言葉へ変えた。
「……用事ないよね?」
「はい」
「居るよね?」
「はい」
「じゃ、何食べたいか決めて」
俺一人で決めるのも悪い、アキ達にも聞いてみよう。
「みんな、何食べたいとかあるか?」
セイカがアキへの翻訳を始める。ポン、と背後でコルクを抜いたような音が聞こえた。
「あぶらげ! あぶらげが食べたいのじゃ!」
「いつもじゃん」
「寿司ってことか? うどん?」
「……寿司じゃな!」
昼間から寿司が食べたいとねだるのはなんだか厚かましく感じる。誕生日パーティでご馳走をいただいたばかりだし。
「ゃ、ほら、サン作ってくれる感じ……だよね?」
「作んなくていいならそっちのが楽だよね~、お寿司頼む? 元組員がやってるとこあるし」
「鳴雷、寿司嫌なのか?」
「カムっ……神様が寿司食いたいってんだから寿司確じゃねぇの?」
「おっ、分かっとるのぉかっちゃん。ヌシらも神たるワシを少しは敬え!」
「もしもし兄貴~? お昼お寿司買ってきてくれない? えーと、何人居たっけ……」
俺の躊躇いなど露知らず、昼食は寿司に決まった。まぁ、好きだからいいけど……楽しみだな。あぁ、サビ抜きを頼んでおかないと。
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Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
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