冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
1,224 / 2,312

両手にいらない花

しおりを挟む
ハルの姉達に両腕を固められてしまった。石畳の上ではセイカの歩行が安定しないのだが……アキに任せておけば大丈夫か? アキの方にも三女が行ったが、アキも腕にしがみつかれているのでは?

「京都の名所、いーっぱい案内したげるね~」

やっぱりアキも腕を組まれて──

《離せクソビッチ》

──いたけれど、すぐ振り払った。

《ちょっ、おいアキ! 断り方ってもんがあるだろなんっつー暴言吐いてんだお前は本当に口が悪いな!》

「あっ、いいのいいの怒んないでセイカくん。急に抱きついてごめんね? びっくりさせちゃったね、慣れない街ではぐれちゃ大変だから、お姉ちゃんと手繋ご?」

ちょくちょく一人称が「お姉ちゃん」になっているのは普段ハルにそう話しかけているからなのか、三姉妹の中では一番下だから歳下を見つけると姉ぶりたくなるのか……前者だったら萌えるな、お姉ちゃんと〇〇しよ~とか言われてるハルめっちゃ可愛くない? ハルはもっと弟感出して欲しい。

《……嫌だね、俺の手はスェカーチカと傘で埋まってんの》

「す、すいません……嫌だって言ってます」

「……!? そ、そうなの…………嘘でしょ今まで嫌がられたことなかったのに……グラサン濃すぎてよく見えてないのかな……」

長女と次女は「ざまぁ」なんて顔をしているんじゃないだろうかと両脇の彼女達の様子を見てみる。

「マジ……? え、腕払われることあるんだ……初めて見た……」
「嘘~……めっちゃ恥ずかしがり、って感じでもないし……なんで?」

全く「ざまぁ」なんて雰囲気ではなかった。俺は少し悪し様に思い過ぎていたようだな。彼女達はどうやら自分の魅力というものに絶対的な自信を持っているようだ、これまではどんな男も堕としてきたって感じの連中なんだろう。魅力が通用しない相手が初めて現れて愕然としているんだ。

(まぁ、わたくしもこの美顔が通用しなかったらびっくりしますしな……いえわたくしは恋愛対象が男なので、通用しないことは彼女達よりは多いと思いますけども)

実際、焼肉屋で会った穂張組を操っているボスとやらには全然通用しなかった。いや、彼はアキの方が好みだっただけで、超絶美形が通用しない相手と思うのは少し違うのか? いやどうでもいいなこの思考。

「…………ふっ」

すっかりご機嫌ナナメだったハルが「ざまぁ」という顔で僅かに笑った。

(ハルどのの方でしたか~。まぁ、ざまぁ顔も可愛いですけどな。しっかしハルどのかんわゆい~ゆいゆいゆい~、綺麗な御髪を結って、簪まで刺しちゃって、普段と全然印象違いまそ、かわゆいでそ~)

赤い着物は綺麗な百合柄、お前は薔薇だろと言いたくはなるけれどとても似合っている。下駄もいい、カラコロという足音が心地いいし、足袋のあの……足の指を二つに分けてしまう感じが、何ともフェティッシュ。足袋履いたまま爪先を口に突っ込んで欲しい。

(うなじ! うなじ! たまりませんぞ~! んはぁああのうなじのひょろひょろした髪の毛未満の髪の毛を舐めしゃぶりたいでそ。うなじはみはみしたぁ~い!)

着物は下着を着けないものだとギャルゲの夏祭りイベントで見たことがある、事実だろうか。

(ゲイなのにギャルゲやるのかって? やりますぞ。二次元と三次元は別でそ。ラブコメもハーレムアニメも百合作品も何でも食べますぞわたくしは)

ハルと姉達が同じものを着ているのだとしたら、触れている感覚から察するに着物の生地は薄い。安物とは思えない肌触りと見た目だから、夏用なのだろうか。この生地の薄さでノーパン……揉みたい、ハルのあの肉の少ない小さな尻を揉みたい!

(そうそうこんな感じの感触で、いえもうちょい弾力が……)

二の腕に押し付けられている胸の感触からハルの尻の感触を連想しようとする。

(ん……? そうでそ、ブラ着けてるかどうか分かればハルどのがぱんてぃ~履いてない可能性の高さが分かりますぞ。雄っぱいならぬ本家本元おっぱいの感触はブラ越しか否か……分かるかぁそんなもん!)

半年前まで女に蛇蝎の如く嫌われていた俺が、生ぱいかブラぱいかなんて分かる訳がない。

(……ハッ! 天啓! 洗濯物を取り込んだり畳んだりした時にならママ上の下着触ったことありまそ! どんな感触でしたっけ、えっと……子持ちのくせにすげぇ責めたデザインの……違う違う違う違いまそ! こんなこと考えてるって知れたらわたくし殺されますぞ!?)

分からない。分からない。知りたい。ハルの着物越しの尻の感触を。

「どうせなら一ヶ月前に来れば祇園祭やってたのに~。今なーんにもやってないよ~」
「私らも一昨日くらいに来たばっかで祇園祭参加してないけどね~」

ハルの尻を触るまで下着の有無が分からない。確認するまでは確定しない、これがシュレディンガーの猫ならぬシュレディンガーのパンツ……シュレディンガーさん怒ってあの世から舞い戻って俺殴りにきそうだな、シュレディンガーのパンツとか言っていたら。

「ばぁば地蔵盆とか言ってなかったっけ~?」
「あれガキの祭りだし~、本番明日か明後日でしょ~?」

量子力学的観点から下着について考えてみていると、知らない単語が聞こえてきた。

「地蔵盆……って何ですか?」

「あれ、知らない~? お地蔵さん綺麗にして~、お供えとかして~、いつもありがとーってやるの~」
「水月くんシティボーイだもんね~。東京じゃお地蔵さん自体にあんまり馴染みないよね~」

思わぬ知見を得た。妄想に一区切り付いたのでアキとセイカの様子を伺ってみる。

「このお店は創業四百年なの! こういうの見ると観光客って喜ぶもんなんだけど~……アキくんはあんまりかな?」

《三桁以上前だと実感湧かなくてどうでもよくなりがちじゃね?》

「えっと、実感湧かないって……」

「分かる~。江戸頃かな? 六百とか七百の店もポンポンあるんだよ~。ってかセイカくんロシア語話せるんだ! すごいね~!」

「ぁ、や……はい、誰も秋風と話せないと、困るから……」

アキは左手をセイカの腰に添え、右手で日傘を持ったまま、三女には興味なさげに過ごしている。セイカの方は緊張した様子で三女の相手をしていた。

(……とりあえずセイカ様が転んじゃったりとかはしなさそうですけど、はぁ~……四人で回りたかったなぁ~)

もし今ため息をつけば長女と次女に激しく問われるのが分かっている、心の中でたっぷり深いため息をつかせていただいた。
しおりを挟む
感想 532

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

処理中です...