ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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ご主人様の留学

おもいでになるように、いち

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猫が伸びをするような体勢だ。ベッドに肩をつけて膝を立てて、顔をシーツに押し付けながら腰を持ち上げる。

「これでっ……よろしい、でしょうか……ユキ様、見えますか?」

自分の手で自分自身の尻肉を鷲掴み、後孔を拡げて見せつける。

「うん、よく見えるよ。そのまま僕が満足するまで動かないでね」

「はい……ユキ様」

穴の縁がきゅうきゅうと収縮したがっているのが中指に伝わってくる。自分の尻の大きさを手全体で味わっている。

「ねぇポチ、僕、今日すっごく悩んでるんだ。二年間会えなくても後悔しないことしたいからさ……どんなプレイにしよっかなーって」

「……俺はユキ様がすることなら何でも満足出来ますよ」

「そう言うだろうなって分かってるから困ってるんだよ」

パンっと太腿を叩かれ、驚いて体が跳ねる。

「…………思いっきり虐めてあげるのか、恋人っぽい感じでするのか」

「SMかイチャラブかってことですか? ぁー……どっちもいいですね。両方しません?」

「そんな時間あったら悩んでないよ。今日の夜には出ないと行けないんだから」

「えっ……!? ど、どうしてですか!? 海外って基本入学は九月じゃ……」

「よく知ってるね。でも僕飛び級だし、他にも特別扱い受けてるから……基本には当てはまらないんだ。ごめんね?」

だからって中学の卒業式と同時に日本を出るなんて、そんな忙しない留学があってたまるか。

「事前準備は使用人さん達がやってくれてるけど、それでも僕にしか出来ないこともあるしね。早めに行けって言われてるんだよ」

もしかしてこれはドッキリなんじゃないか? 俺をからかうために雪兎が画策し、明日起きたら「ドッキリ大成功」の札を持った雪兎が隣で眠っているんじゃないか?
そうだとしても俺が明日雪兎が居なくても後悔しない振る舞いをしなければならないけれど。

「……そもそも当日になるまで俺に留学について話さないなんて酷いですよ」

「…………ごめんね」

雪兎を落ち込ませてしまった。そんなことをしている時間はないのに。

「い、いえいえユキ様、ユキ様は悪くありませんよ。どうせおじい様辺りが言ってきたんでしょう? 後で文句言っておきますよ」

「……ふふっ、お願いね」

「さ、ユキ様……時間がないなら早くしましょう?」

拡げっぱなしの後孔が乾いてしまう。軽く腰を横に揺らして雪兎を誘った。

「ご主人様に入れて欲しくてたまりません……」

「みたいだね、すっごくヒクヒクしてる」

細い指先が穴の縁を撫でる。

「……触りやすいから拡げたままにしててね、離しちゃダメだよ」

「は、はいっ……!」

ヤスリやクリームで綺麗に整えられた桜貝のような爪が後孔の皺の一つ一つをなぞる。ゾクゾクとくすぐったい感覚は尻っぺたの方まで広がってくる。

「ふっ……ぅ、ユキ様っ……そんな、ちまちまやってる時間なんてっ……」

「ギリギリまでポチを抱いてたいんだ。けど僕、体力ないからさ……まずはこうやって指でトロトロにしてあげたいんだ」

いつの間にか用意していたらしい温かいローションが尻の割れ目に垂らされる。穴の方へ流れてきたそれを雪兎の中指が中へと塗り込んでいく。

「ポチ、聞こえる? えっちな音鳴ってるよ」

くち、ぬちゃ、にちっ……と粘着質な音が静かな部屋に響く。雪兎はこの音を楽しみたいようなので、俺はシーツを握り締めて必死に声を抑える。

「ふふっ……すごいよね、可愛いよ、ポチのここ。自分のこと性器だって勘違いしてる。男の人のもの入れてもらうための存在だって信じてるんだよ」

「……っ、ちが、い……ますっ」

「…………何が違うの?」

雪兎の声が一段低くなる。主人の言葉を犬が否定するなんてあってはならないことだ、きっとこのまま否定し続ければ平手打ちがもらえるだろう。

「俺のそこはっ……ユキ様専用です。ユキ様のものしか入りませんっ、勘違いでもありません、ユキ様のものを入れていただくためだけの性器なんですっ!」

「……ふふっ」

上機嫌の笑いを聞いて成功を確信したその時、穴を弄る手とは別の手に陰嚢を握り締められ、悲鳴に近い声を上げた。

「ぁああっ!?」

「今の、ちょっと気になるなぁ……そこはユキ様専用ですってさ、まるで他のところは違うみたいじゃない? 言葉の綾ならいいんだけど、ね……」

ぐにぐにと陰嚢を揉みしだく手に優しさは感じない。

「ぃ、たっ……ぁああっ! 潰れるっ、潰れちゃうっ……!」

「犬の去勢は大切だよねー?」

「ご、ごめんなさいっ、犬だから人間の言葉使うの苦手でっ……まちがえましたっ、俺の全部ユキ様のものです!」

パッと手が離される。安堵したのも束の間、真下から陰嚢だけを叩かれた。

「ぁひぃんっ!?」

「犬だから仕方ないね、僕が居ない間にしっかり人間語勉強するんだよ? ん……? 漏らしちゃったの?」

陰嚢を責められた快感で俺はちょろちょろと勢い悪く精液を漏らしていた。
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