ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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使用人体験

おしごとたいけん、よん

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簡単に握ってしまえる足首を掴み、指が吸い付く白い肌に手を添える。筋肉も脂肪もないのに子供らしくふにっと柔らかい太腿を押さえ、腹と太腿を触れ合わせ、膝を曲げる。

「……っ、ふ……」

下着と肌着だけを身に付けた祖父の口から音が漏れる。腹を押さえてしまったからだろう。

「左、やりますね」

「ん」

祖父の足を動かして何をしているか? 答えは簡単、ストレッチだ。ずっと動かさずにいると血行が悪くなったりなどの不調が生じるらしい。なので祖父の意思に代わって俺の手で足を曲げている。

「……っ、ふぅ……」

足を付け根から曲げて腹を圧迫すると吐息が漏れる。幼い見た目の彼に艶やかさなんてないのに、雪兎を思い出して陰茎に熱が集まる。

「おい」

「は、はいっ」

まずい、中途半端な勃起に気付かれたか?

「足首も頼む」

「……はい」

胸を撫で下ろし、俺の手の中に収まる小さな足を握り、優しくぐるぐると回して足首をほぐす。ここで一つ注意、俺がしているのは通常のマッサージではないので「気持ちいいですか」なんて聞いてはいけない、祖父は足に何をされているか目で見なければ分からない。

「…………ふわぁ」

祖父が欠伸をし、眠たげな目を俺に向ける。このマッサージで唯一許された言葉を使うのはこのタイミングだ。

「血行よくなってきました?」

「……かもな。お前は手際がいい……まずいな、本当に眠い」

「眠っても構いませんよ」

俺を信用し切っているらしく、祖父は下着と肌着のみの無防備な姿のまま目を閉じた。構わずマッサージを続けていると寝息が聞こえてくる。

「おじい様? ガチ寝ですか?」

声をかけても目を開けない。俺はそっと太腿を撫で、灰色の下着の広い裾口から指を伸ばして尻肉をつつく。

「おぉっ……! すごいハリ、赤ちゃんかよ……いや赤ちゃん触ったことないけど」

不思議と劣情は湧かない。指を抜いて手指を消毒し、祖父の頬をそっとつまむ。

「うわ……! すごい……」

赤子に欲情する趣味がなくても赤子は可愛いと思うだろう? ズーフィリアでなくとも犬猫に触りたいだろう? それと同じだ。

「ぷにぷに~……やっべぇなぁ子供じゃん最高」

まだ下膨れが微かに残る幼い顔に触れるうち、いつの間にか俺の陰茎は萎えていた。

「はぁー……ちょっと吸っていいかな」

ぷるんとした頬に唇を触れさせようとして、寸前で留まる。

「いや、それは流石にユキ様に浮気認定されるか……? うーん……性欲じゃないんだけどな」

悩みながら祖父の横に寝転がり、赤子のようにふわふわな頬に頬擦りをする。この程度なら雪兎も許してくれるだろう。

「…………きもちいい」

指と頬で祖父の頬のぷにぷに赤子触感を楽しみ、癒され、まるで病院のような消毒液の匂いに包まれて眠りに落ちた。



目を覚ますと俺の頭は何かに包まれていた。頭の下には柔らかく細いもの、頭に乗るのは柔らかく軽いもの──対になっている、腕だ。俺は小さな子供に頭を抱き締められている。

「ん……? おじい様……?」

消毒液の匂い。そっと身体を起こすと俺の頭を抱き締めていたのが祖父だということと、俺に肩まで毛布がかけられていたことが分かった。

「おじい様……ありがとうございます」

頭を抱き締められて、毛布をかけられて──孫として認められているのだと実感して頬が緩む。

「……俺、二度寝しちゃいますね」

どうせなら祖父に起こしてもらったりしてみたい。そんな考えの元仕事をサボり、祖父の背に腕を回して眠った。
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