ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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夏休み

はだかえぷろん、なな

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尻叩き十回目で射精した俺は快感のあまりしっかりとは立っていられず、最初は手をついていただけだった棚に上半身を預け、最初はちゃんと伸びていた足を情けなくガニ股にし、ピクピクと震えた。

「撮るよー」

足を開いてしまっているから、陰茎も精液を受け止めたエプロンも映ってしまうだろう。恥ずかしくは思うが快感に浸っている身体を動かすのは億劫だ。

「うんっ、いい感じ。お仕置き終わりだよポチ。エプロンの裏軽くでいいから拭いて待ってて」

俺の尻の写真を何枚も撮って満足したらしい雪兎はカメラ片手に部屋を出ていった。

「はぁっ、はぁっ……えっと……ふか、なきゃ」

気だるい身体を動かすのは俺の意思ではなく雪兎の命令。エプロンの裏側を汚した精液を拭い始める。これ以上は手洗いが必要だと手を止めた頃、雪兎が部屋に戻ってきた。

「ただいま、ポチ」

「おかえりなさい、ユキ様。何をしていたんですか?」

「ふふふ……ひみつー」

楽しげな雪兎に「教えてくださいよー」と何度か引き下がったが、当然教えてはもらえなかった。そのうち否が応でも知ることになるのだろう。

「ポチさ、料理できるようになったんだよね?」

「あ、はい。修行中です」

「すごいねぇ、ボディガードの訓練とかもしてるんだろ? 同時並行なんて、流石ポチ」

料理修行、格闘訓練、射撃訓練、そして雪兎とのビデオ通話、それらが俺の日課だった。

「そんな……ユキ様が一時間ごとに違う教科の勉強をなさるのと同じですよ」

「うちの大学一講義二時間だよ」

「長いですね」

話が脱線し始めた。俺は「料理がどうかしましたか」とそれとなく話を戻した。

「そうそう、料理。今エプロン着てるしさ、ちょうどいいなぁって思ったんだ。今日のお昼ご飯ポチが作ってよ」

「えっ……ユキ様のお口に入るものをですか?」

「雪風にもおじいちゃんにも料理作ってあげたんでしょ? 僕にだけナシなんてそんなのイジワルだよ」

ぷくっと頬を膨らませた雪兎の頬をつつき、笑いながら了承する。自分が裸エプロン状態だとはその後に気付いた。

「献立は何に致しましょうか。唐揚げ? 天ぷら? フライ?」

「なんで揚げ物ばっかなのさ」

決まっている。裸エプロンは肌面積が多いからだ。無防備な腕にピチピチと油が跳ねて欲しい、なんならエプロンさえ着けずに乳首を火傷したい。

「イカとか揚げたいですね、ユキ様は何が食べたいんですか?」

イカは俺が知る中で最も油が跳ねる食材だ。

「カルパッチョ」

「あぁ……はい、カルパッチョ、はい、パッチョを使うやつですね」

「……レシピ本は用意してあるから、それ見て作ってね。ポチ今は裸エプロン中だし、油が跳ねたりすると危ないから、そういうのは作らせないからね」

「え……」

雪兎の方針が俺の被虐欲に追いついてくれない。

「ま、いいから。ほら、キッチン行こっ」

ぐいぐいと手を引っ張られて部屋を出る。一番に目に入ったのは、さっき見た時にはかかっていなかった廊下の壁の写真。

「ユ、ユキ様……これは、一体」

それは俺の頭四つ分よりも大きく印刷された俺の尻の写真だった。
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