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夏休み
にっぷるりんぐ、よん
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ピチピチのシャツとデニムを着て雪兎が待つダイニングへ向かう。雪兎が俺の身体のサイズを間違えるなんてありえない、きっとわざと俺に小さいサイズの服を用意したのだ。
「ユキ様……あの、この服……」
勃起が維持されている乳首も、ニップルリングからぶら下がる鈴も、今は勃起していない陰茎の形も、身体の凹凸が何もかも分かってしまうこの服を着ている意味はあるのだろうか? 裸より恥ずかしい。
「よく似合ってるよ、ポチ」
「少し小さい気が……」
「その方がセクシーだからいいの」
雪兎の人差し指の先端が腹筋の溝をなぞる。流石に腹筋の形までは浮いていないと思うのだが、雪兎は的確に溝に指を通す。
「思った通り、アクセも浮いてるね」
「は、はい……」
「ふふっ、ぴっちりし過ぎて鳴らないや」
シャツの上から鈴を転がす雪兎の指が乳首に触れるのを期待してしまう。
「ポチはむちむちで最高。ね、お尻も見たいな」
「は、い……」
サイズが合っていないデニムは今にも裂けてしまいそうだ。俺は慎重に雪兎に背を向けた、その瞬間、尻にパァーンッと平手打ちを受けた。
「ひぁあっ!?」
「ん~……硬い! でもいいよねぇ、デニム、ジーンズ、この生地はポチに似合うと思ってたよ、君お尻大きいからね」
「ひ、ぅう……こういうのは、お尻が痩せてる……細い男性が似合うんじゃないんですか? タイトな女性物ならまだしも……男の身体では、いくらお尻が大きくても足がゴツゴツしちゃいますし……って言うか、しちゃってますし」
「ポチは何にも分かってないなぁ、それがいいんじゃないか」
尻と太腿には雪兎の指示で脂肪を乗せているからまだマシだが、骨太さが分かる膝や発達したふくらはぎはタイトなズボンでは不格好に見えるだろう。尻と太腿の肉感とのギャップもよくない、短足に見えるかもしれない。
「あ、ぁっ……ユキ様ぁ……」
小さな手に太腿を撫で回され、足が震える。デニム生地越しの愛撫がこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
「デニムもジーンズも由来はフランス語なんだよ。ジーンズはイタリアの地名からだけど、フランス語がアメリカに渡って訛ったの」
「流石、ユキ様は、博識でっ……いらっしゃる」
「……雑学大好きなポチに言われてもね。このくらい知ってたでしょ?」
「…………はい」
悔しがると思って肯定を躊躇ったが、雪兎はニッと笑っただけだった。留学で少し精神的に大人になったらしい。
「じゃあ、これは知ってる? デニムの染料であるインディゴには防虫効果があるんだよ、だから使ってるの」
「天然物なら多少は期待出来ますが、合成染料にはないですよ。天然染料使ってる生地なんてほぼないですし」
「…………あぁ、そう」
「あ……いや、最初の頃は天然物ばっか使ってたのかもしれませんし」
「いいよ、気遣わなくて。座りなよ、ご飯食べよ」
やっぱりあんまり大人になってないかな? なんて思いつつ椅子に向かう。今日は机で食べていいらしい。
「……っ!?」
「ポチ、今の音……」
椅子に腰を下ろした瞬間、ビビビッ……と嫌な音が鳴った。俺はあえて確認せず、何事もなかったかのように振る舞った。
「ユキ様……あの、この服……」
勃起が維持されている乳首も、ニップルリングからぶら下がる鈴も、今は勃起していない陰茎の形も、身体の凹凸が何もかも分かってしまうこの服を着ている意味はあるのだろうか? 裸より恥ずかしい。
「よく似合ってるよ、ポチ」
「少し小さい気が……」
「その方がセクシーだからいいの」
雪兎の人差し指の先端が腹筋の溝をなぞる。流石に腹筋の形までは浮いていないと思うのだが、雪兎は的確に溝に指を通す。
「思った通り、アクセも浮いてるね」
「は、はい……」
「ふふっ、ぴっちりし過ぎて鳴らないや」
シャツの上から鈴を転がす雪兎の指が乳首に触れるのを期待してしまう。
「ポチはむちむちで最高。ね、お尻も見たいな」
「は、い……」
サイズが合っていないデニムは今にも裂けてしまいそうだ。俺は慎重に雪兎に背を向けた、その瞬間、尻にパァーンッと平手打ちを受けた。
「ひぁあっ!?」
「ん~……硬い! でもいいよねぇ、デニム、ジーンズ、この生地はポチに似合うと思ってたよ、君お尻大きいからね」
「ひ、ぅう……こういうのは、お尻が痩せてる……細い男性が似合うんじゃないんですか? タイトな女性物ならまだしも……男の身体では、いくらお尻が大きくても足がゴツゴツしちゃいますし……って言うか、しちゃってますし」
「ポチは何にも分かってないなぁ、それがいいんじゃないか」
尻と太腿には雪兎の指示で脂肪を乗せているからまだマシだが、骨太さが分かる膝や発達したふくらはぎはタイトなズボンでは不格好に見えるだろう。尻と太腿の肉感とのギャップもよくない、短足に見えるかもしれない。
「あ、ぁっ……ユキ様ぁ……」
小さな手に太腿を撫で回され、足が震える。デニム生地越しの愛撫がこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
「デニムもジーンズも由来はフランス語なんだよ。ジーンズはイタリアの地名からだけど、フランス語がアメリカに渡って訛ったの」
「流石、ユキ様は、博識でっ……いらっしゃる」
「……雑学大好きなポチに言われてもね。このくらい知ってたでしょ?」
「…………はい」
悔しがると思って肯定を躊躇ったが、雪兎はニッと笑っただけだった。留学で少し精神的に大人になったらしい。
「じゃあ、これは知ってる? デニムの染料であるインディゴには防虫効果があるんだよ、だから使ってるの」
「天然物なら多少は期待出来ますが、合成染料にはないですよ。天然染料使ってる生地なんてほぼないですし」
「…………あぁ、そう」
「あ……いや、最初の頃は天然物ばっか使ってたのかもしれませんし」
「いいよ、気遣わなくて。座りなよ、ご飯食べよ」
やっぱりあんまり大人になってないかな? なんて思いつつ椅子に向かう。今日は机で食べていいらしい。
「……っ!?」
「ポチ、今の音……」
椅子に腰を下ろした瞬間、ビビビッ……と嫌な音が鳴った。俺はあえて確認せず、何事もなかったかのように振る舞った。
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