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お盆
ふつかめ、はち
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尻も太腿の裏も膝からくるぶしまでも完璧に洗われた。今度こそ乳首と陰茎を弄ってもらえる──いや、洗ってもらえる。
「足の裏やるよ。くすぐったくても振り回しちゃダメだよ。ポチは僕のこと蹴ったりしないよね」
「絶対しません足動かしません!」
「よろしい」
雪兎は左手でそっと足首を掴み、俺の膝から下を太腿で挟み、泡を纏わせた右手で足の甲を擦った。くすぐったがった俺がつい足を振れば雪兎は簡単に倒れて、俺の足の振る勢いのまま背や頭を床や浴槽に打ち付けるだろう。
「ひっ……!?」
命の危機があるのにも関わらず雪兎はただ俺の足の裏を洗うのではなく、指先でくすぐった。
「ひっ、ぁ、ちょっ……こちょばいっ……ユキ様、ユキ様っ? なんでくすぐるんですかぁ! 普通にっ、洗って、くださいよぉっ!」
「足の指すっごい反ってる……だってねポチ、足の裏って皺が多いだろ? 手のひら洗う時みたいに爪でかしかしした方がいいと思うんだよねぇ」
「かしかしユキ様がわいいっ……!」
「あ、ありがと…………そんなこと言うなんて予想してなかったよ、もう……照れさせないでよね」
「照れるユキ様もお可愛らしいっ! 顔が見たい!」
かしかしという擬音語──いや、擬態語か? どっちだろう…………かしかしというオノマトペに俺はげっ歯類を感じる。ハムスターなどが何かを引っ掻く様だ。がりがりは強過ぎる、猫だ。かりかりは音が硬くてハムスターの小ささ愛らしさが再現出来ない。だから「かしかし」だ。ちなみに毛繕いは「くしくし」なのだ。
「も、もう……僕が可愛いなんてっ、そんなの……ぁ、あ、当たり前っ……だろ?」
驕り高ぶっていていいルックスなのに、事実瓜二つの雪風はドがつくナルシストなのに、事実を話すだけで吃るほど照れる雪兎は可愛すぎる。
「全くもってその通りなのだっ!」
「うわっ……びっくりするじゃん! 急に大声上げないでよ!」
驚いた顔も見たかった。どうして俺の後頭部には目がないんだ? 足の裏にあればベストだったのにどうして俺は身体に目を生やせないんだ? 人間だからだよ。
「ハムスターを思い浮かべてたので、ちょっと…………ちゃいっ、なのだ」
「……は?」
「ちゃいっ、はハム語でごめんなさいのことで」
「は?」
「………………ごめんなさい」
顔も見えていないのに威圧感に負けて普通に謝った。
「全く……ハムスターが喋るわけないだろ」
幼い頃にゲームを一つやり込んだだけなのにハム語を覚えている俺の記憶力を少しは褒めて欲しい。
「……っ、く、ぅ……こちょばいぃ……」
「足すっごい筋浮いてるね、そんなに力入れて……僕のこと蹴ったら、僕大怪我しちゃうよ」
「だからっ、そんな……くすぐらないでっ、ぁあぁ土踏まずはマジでやめてくださいぃっ……!」
「僕を大事に思うなら頑張って」
雪兎は俺の両足ともたっぷりくすぐり、俺の忠誠心を心ゆくまで試した。実際にはそうでもないのだろうが、一時間以上に感じるくすぐりの末、雪兎は指が疲れたと言ってくすぐるのをやめた。
「はぁ……はぁ……も、無理……足、ぷるぷるする」
力を入れて動かないように集中し続けた足は疲弊のあまり震えるようになっていた。
「すごいねぇポチ、足の指は反ったり握ったりしてたけど、足首すら動いてなかったよ。ポチすごぉい、そんなに僕が大事? えへへー……」
しかしその後足の指と指の間に細長い指を入れて指の股を洗ってくれたので、指が疲れたなんてのは方便だったと鈍い俺でも気付くことが出来た。
「足の裏やるよ。くすぐったくても振り回しちゃダメだよ。ポチは僕のこと蹴ったりしないよね」
「絶対しません足動かしません!」
「よろしい」
雪兎は左手でそっと足首を掴み、俺の膝から下を太腿で挟み、泡を纏わせた右手で足の甲を擦った。くすぐったがった俺がつい足を振れば雪兎は簡単に倒れて、俺の足の振る勢いのまま背や頭を床や浴槽に打ち付けるだろう。
「ひっ……!?」
命の危機があるのにも関わらず雪兎はただ俺の足の裏を洗うのではなく、指先でくすぐった。
「ひっ、ぁ、ちょっ……こちょばいっ……ユキ様、ユキ様っ? なんでくすぐるんですかぁ! 普通にっ、洗って、くださいよぉっ!」
「足の指すっごい反ってる……だってねポチ、足の裏って皺が多いだろ? 手のひら洗う時みたいに爪でかしかしした方がいいと思うんだよねぇ」
「かしかしユキ様がわいいっ……!」
「あ、ありがと…………そんなこと言うなんて予想してなかったよ、もう……照れさせないでよね」
「照れるユキ様もお可愛らしいっ! 顔が見たい!」
かしかしという擬音語──いや、擬態語か? どっちだろう…………かしかしというオノマトペに俺はげっ歯類を感じる。ハムスターなどが何かを引っ掻く様だ。がりがりは強過ぎる、猫だ。かりかりは音が硬くてハムスターの小ささ愛らしさが再現出来ない。だから「かしかし」だ。ちなみに毛繕いは「くしくし」なのだ。
「も、もう……僕が可愛いなんてっ、そんなの……ぁ、あ、当たり前っ……だろ?」
驕り高ぶっていていいルックスなのに、事実瓜二つの雪風はドがつくナルシストなのに、事実を話すだけで吃るほど照れる雪兎は可愛すぎる。
「全くもってその通りなのだっ!」
「うわっ……びっくりするじゃん! 急に大声上げないでよ!」
驚いた顔も見たかった。どうして俺の後頭部には目がないんだ? 足の裏にあればベストだったのにどうして俺は身体に目を生やせないんだ? 人間だからだよ。
「ハムスターを思い浮かべてたので、ちょっと…………ちゃいっ、なのだ」
「……は?」
「ちゃいっ、はハム語でごめんなさいのことで」
「は?」
「………………ごめんなさい」
顔も見えていないのに威圧感に負けて普通に謝った。
「全く……ハムスターが喋るわけないだろ」
幼い頃にゲームを一つやり込んだだけなのにハム語を覚えている俺の記憶力を少しは褒めて欲しい。
「……っ、く、ぅ……こちょばいぃ……」
「足すっごい筋浮いてるね、そんなに力入れて……僕のこと蹴ったら、僕大怪我しちゃうよ」
「だからっ、そんな……くすぐらないでっ、ぁあぁ土踏まずはマジでやめてくださいぃっ……!」
「僕を大事に思うなら頑張って」
雪兎は俺の両足ともたっぷりくすぐり、俺の忠誠心を心ゆくまで試した。実際にはそうでもないのだろうが、一時間以上に感じるくすぐりの末、雪兎は指が疲れたと言ってくすぐるのをやめた。
「はぁ……はぁ……も、無理……足、ぷるぷるする」
力を入れて動かないように集中し続けた足は疲弊のあまり震えるようになっていた。
「すごいねぇポチ、足の指は反ったり握ったりしてたけど、足首すら動いてなかったよ。ポチすごぉい、そんなに僕が大事? えへへー……」
しかしその後足の指と指の間に細長い指を入れて指の股を洗ってくれたので、指が疲れたなんてのは方便だったと鈍い俺でも気付くことが出来た。
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