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お盆
おはかまいり、なな
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声が抑えられない、手足の力が抜けて力づくでやめさせることも出来ない、俺は後孔の快楽に弱過ぎる。
「んぁっ、あっ! ぁああっ! だめっ、ぁあっ!? 声っ、声がぁっ……!」
尻肉を四本の指で楽しみながら親指で穴をほじくられているため、親指が力強く押して刺激してくれるのは腸壁だけ。俺の穴の中で横方向にしか曲がらない親指は、腹側にある──下方向にある前立腺を刺激してくれない。
「んっ、んんっ……ぅ、あぁっ! はっ、だめっ、出ちゃうっ、声っ、抑えらんなっ、ぁ、あっ!」
決定打に欠ける愛撫には俺をよがらせてやろうという意志を感じない。雪兎は今、俺の身体を楽しんでいる。俺の尻の揉みごたえを、俺の腸壁の触り心地を、身勝手に楽しんでいるだけだ。
「あっ、ぁ、あぁあーっ……! だめぇ……だめっ、です……ここではっ、こんなことぉっ……しちゃ……ぁあっ、ぁ、あーっ……!」
だが、それがイイ、それが嬉しい。俺は俺の顔も髪も肌も身体も何もかも大嫌いなのに、雪兎は俺の身体を気に入ってくれている。嬉しい。幸せだ。雪兎と居るだけで満たされる。毎日一緒に居たってずっとときめく。比喩ではなく、雪兎は俺の全てだ。
「親指すっごい締められてる……ちょっと緩めてよ、曲げらんないよ。ポチ、聞いてる? ポチ!」
パンッ! と左手で尻を打たれた。
「んぁああんっ!」
勝手に高まって「好き」と「幸せ」が最高潮に達した瞬間に叩かれたものだから、大した痛みも快楽もなかったのに絶頂してしまった。前立腺すら刺激されていないのに、ぴゅるぴゅると精液が漏れてしまった。
「……緩めてって言ったのに更に締め付けたね。吸われ過ぎて爪取れちゃうかと思ったよ」
「んっ、んん……ごめん、なさいっ……」
「…………ま、いいよ。その後で緩めてくれたもんね」
絶頂直後に微かに緩んだ隙に雪兎は俺の後孔から指を抜いた。後孔は余韻に浸ってヒクヒクと震え、雪兎に物欲しそうな様子を見せている。
「ポチ、出しちゃったね。廊下汚れちゃったよ? どうする?」
「えっ……!? ぁ、ど、どうしましょう……! こんな大事な場所を汚すなんて、俺、俺……!」
「拭けばいいんだよ、きっとすぐ綺麗になるから」
「あぁ……はい、なるほど……えっと、拭く……何で拭きましょう」
俺の頭の方へ移動してくれた雪兎の顔を見上げると目を丸くしていた。赤紫の目を無邪気に丸めたまま、雪兎は下着を使うよう命令した。
「え……で、でも」
「ポチ、拭くものなんて持ってないよね。僕も持ってないよ。もしかして着物使う気?」
きっと高級品だろう着物をそんなふうに使うなんて出来ない。けれど、下着を使うなんて──と躊躇っていると雪兎は優しく俺の顎を撫でた。
「和装って本当はパンツなんて履かないんだよ。ひいおじいちゃんも履いてない。だからパンツは脱いでも大丈夫、他に今使えそうな布はないよ。早く拭いて、早く拭かないと乾いて取れなくなっちゃう。それとも舐めて綺麗にする気なのかな?」
猫にするような顎への愛撫と同時にそんなふうに詰められたら、逆らえない。
「そう、床拭いて……太腿にもついてるからついでにそっちも拭いちゃおうか。うん、よく出来たね。じゃあ……そのパンツはもう汚くて履けないから、隅っこに置いておこうか」
「隅っこって……廊下の、ですか?」
「そんな精液の匂いさせてるパンツ部屋に持ち込んだら怒られちゃうよ。帰る時にコソッと拾えばいいじゃん」
確かに既に精液の匂いを放っている下着を密室の中に持ち込むのは得策ではない。俺は雪兎の言う通り、下着を小さく丸めて廊下の隅に置いた。
「立てる?」
「はい……」
袴があればもう少しマシだったかもしれないが、今の俺は着流しだ。下着を脱いでしまったからスースーしてたまらない。ノーパンを気にしてもじもじし始めたのが分かったのか、雪兎は俺を見上げて満足そうに笑った。
「んぁっ、あっ! ぁああっ! だめっ、ぁあっ!? 声っ、声がぁっ……!」
尻肉を四本の指で楽しみながら親指で穴をほじくられているため、親指が力強く押して刺激してくれるのは腸壁だけ。俺の穴の中で横方向にしか曲がらない親指は、腹側にある──下方向にある前立腺を刺激してくれない。
「んっ、んんっ……ぅ、あぁっ! はっ、だめっ、出ちゃうっ、声っ、抑えらんなっ、ぁ、あっ!」
決定打に欠ける愛撫には俺をよがらせてやろうという意志を感じない。雪兎は今、俺の身体を楽しんでいる。俺の尻の揉みごたえを、俺の腸壁の触り心地を、身勝手に楽しんでいるだけだ。
「あっ、ぁ、あぁあーっ……! だめぇ……だめっ、です……ここではっ、こんなことぉっ……しちゃ……ぁあっ、ぁ、あーっ……!」
だが、それがイイ、それが嬉しい。俺は俺の顔も髪も肌も身体も何もかも大嫌いなのに、雪兎は俺の身体を気に入ってくれている。嬉しい。幸せだ。雪兎と居るだけで満たされる。毎日一緒に居たってずっとときめく。比喩ではなく、雪兎は俺の全てだ。
「親指すっごい締められてる……ちょっと緩めてよ、曲げらんないよ。ポチ、聞いてる? ポチ!」
パンッ! と左手で尻を打たれた。
「んぁああんっ!」
勝手に高まって「好き」と「幸せ」が最高潮に達した瞬間に叩かれたものだから、大した痛みも快楽もなかったのに絶頂してしまった。前立腺すら刺激されていないのに、ぴゅるぴゅると精液が漏れてしまった。
「……緩めてって言ったのに更に締め付けたね。吸われ過ぎて爪取れちゃうかと思ったよ」
「んっ、んん……ごめん、なさいっ……」
「…………ま、いいよ。その後で緩めてくれたもんね」
絶頂直後に微かに緩んだ隙に雪兎は俺の後孔から指を抜いた。後孔は余韻に浸ってヒクヒクと震え、雪兎に物欲しそうな様子を見せている。
「ポチ、出しちゃったね。廊下汚れちゃったよ? どうする?」
「えっ……!? ぁ、ど、どうしましょう……! こんな大事な場所を汚すなんて、俺、俺……!」
「拭けばいいんだよ、きっとすぐ綺麗になるから」
「あぁ……はい、なるほど……えっと、拭く……何で拭きましょう」
俺の頭の方へ移動してくれた雪兎の顔を見上げると目を丸くしていた。赤紫の目を無邪気に丸めたまま、雪兎は下着を使うよう命令した。
「え……で、でも」
「ポチ、拭くものなんて持ってないよね。僕も持ってないよ。もしかして着物使う気?」
きっと高級品だろう着物をそんなふうに使うなんて出来ない。けれど、下着を使うなんて──と躊躇っていると雪兎は優しく俺の顎を撫でた。
「和装って本当はパンツなんて履かないんだよ。ひいおじいちゃんも履いてない。だからパンツは脱いでも大丈夫、他に今使えそうな布はないよ。早く拭いて、早く拭かないと乾いて取れなくなっちゃう。それとも舐めて綺麗にする気なのかな?」
猫にするような顎への愛撫と同時にそんなふうに詰められたら、逆らえない。
「そう、床拭いて……太腿にもついてるからついでにそっちも拭いちゃおうか。うん、よく出来たね。じゃあ……そのパンツはもう汚くて履けないから、隅っこに置いておこうか」
「隅っこって……廊下の、ですか?」
「そんな精液の匂いさせてるパンツ部屋に持ち込んだら怒られちゃうよ。帰る時にコソッと拾えばいいじゃん」
確かに既に精液の匂いを放っている下着を密室の中に持ち込むのは得策ではない。俺は雪兎の言う通り、下着を小さく丸めて廊下の隅に置いた。
「立てる?」
「はい……」
袴があればもう少しマシだったかもしれないが、今の俺は着流しだ。下着を脱いでしまったからスースーしてたまらない。ノーパンを気にしてもじもじし始めたのが分かったのか、雪兎は俺を見上げて満足そうに笑った。
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