ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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郊外の一軒家

はっぴーはろうぃん、じゅうはち

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黒い革製の衣装、コルセットのように紐でバツ印を描いて留めていたその紐を緩められ、服と肌の隙間に陰茎をねじ込まれた。

「はぁ……すごい光景」

はち切れんばかりに鍛え上げた胸筋をキツく締め付けていた服を緩めてもらえたのに、その隙間に陰茎を突っ込まれてはやはりキツい。息苦しい。それに、筋肉を寄せて上げて無理矢理深めた谷間に陰茎を押し付けられるのは恥ずかしい。

「ぁ……やばい、更に勃ったらハムみたいになっちゃう」

「いつも、ユキ様が……俺のにっ、してるじゃないですか」

陰茎まで緊縛を受けた思い出が蘇る。締め付けられて痛くて、射精出来なくて辛くて、雪兎に自由を奪われている感覚がとても心地よくて──

「こんな感じなんだね。僕は嫌だなぁ。んっ……動かせない、痛い……」

「痛いんですか!? すいませんすぐ筋肉を燃焼させて胸を縮ませます!」

「やめて! っていうか出来ないでしょそんなこと……もぉ、変えちゃダメだよ、今がベストなんだから」

「すみません……」

雪兎は紐を更に緩め、陰茎に程よく引っかかる程度に留めた。

「……うん、ちょっと引っかかる。このくらいなら気持ちいいよ。包まれないとイきにくいけど、紐でピンピン弾かれるって感じなのも……そこそこ」

呼吸はとても楽になったが、胸を締め付けられる感覚が薄れたのは残念だ。谷間もほぼ普段通り、これで雪兎を悦ばせられるのだろうか。

「ん……ふふ、イイね。想像以上……」

雪兎は俺の肩に手を付き、ゆっくりと腰を前後に振り始めた。ずり、ずりっ、と陰茎が胸に擦り付けられる。首を曲げて近付いたり遠のいたりする亀頭を眺める、先端からじわりじわりと先走りが染み出してくる様子は俺の下腹を疼かせる。

「ふっ……ぅ、んっ……ふふ、ポチ……僕のに夢中だね、そんなに好き?」

「……お腹、がっ……ずくずく、します」

「お腹……? あははっ、もうポチったら焦り過ぎだよ。こっちはぁ……後で、ね?」

「はい……!」

つぅっと腹を撫でられてくすぐったい快感と本番への期待が高まり、更に腹の奥深くが疼いた。

「今はこっちね」

ずりずりと擦り付けられる陰茎の熱さ、硬さ、匂いを味わううち、ふと思い立って胸の端を服の上から手のひらで押して寄せ、谷間を深めてみた。

「……! ふふっ、ポチったらホント健気。可愛いねぇ、ポチのふかふかの胸がちょっと張って、刺激が強くなったかも? 気持ちいいよ」

「光栄です……んっ、ぅ……」

「ポチも気持ちいい?」

「は、いっ……」

雪兎の陰茎と肌が擦れている快感はそこそこだが、雪兎の腰振りによって胸が揺れて服の内側に乳首が擦れている快感が大きい。

「き、もちっ……いい、ですっ……んっ、ぁ……ひんっ……!」

「はぁ……すっごく可愛い顔。たまんない」

俺は雪兎の陰茎ばかり見てしまっていたけれど、雪兎はずっと俺の顔を見つめていた。俺には良さが分からないけれど、雪兎は俺の顔が相当好きらしい。

「可愛いよっ、可愛い……」

可愛い要素なんて皆無なのに、何度も何度も可愛いと呟いている。俺を喜ばせようと褒めていると言うよりは、本心から思っていることが口から漏れているだけに感じる。

「……ユキ様」

意識的に雪兎の顔を見上げてみる。俺と目が合っているのが嬉しいようで俺の視線に笑顔を返してくれた。腰を振っているからウサギの耳がぴょこぴょこ揺れている、紅潮した頬が可愛らしい、暑い吐息を漏らす口が扇情的で、潤んだ赤紫の瞳は美しい。

「…………愛してます」

雪兎からの愛を受けて高まった感情を言葉にするとしたら、これしかない。全体の一パーセントにも満たないけれど。
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