ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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郊外の一軒家

はっぴーはろうぃん、にじゅういち

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腋を見せつけるように頭の後ろで手を組み、開脚して勃った陰茎を晒す。普段服で隠している部位を露出している羞恥心、情けないポーズを雪兎の目の前で取っている恥ずかしさが、先走りの汁に変わって陰茎からダラダラと溢れさせる。

「……っ、はぁ……もう少し、お待ちくださいね」

ファスナーを閉じれば陰茎が挟まれる、それも裏筋が挟まれる位置にある。その恐怖も性的興奮に繋がる。

「もう、少し……」

興奮すればするほどアナルプラグを締め付けてしまい、後孔の弱点を抉られて陰茎が震える。雪兎に見せると宣言したノーハンド射精の時は近いだろう。

「ポチったらもう全身えっちだからさぁ……僕どこ見ていいか分かんないよ。ポチはオススメのところとかある?」

「オススメ、ですか……」

俺には俺の魅力が分からない。雪兎はしょっちゅう俺を褒めてくれるけれど、同意出来ない。筋肉質な身体はカッコイイとは思うけれど見て楽しいものではないと考えているし、性的に興奮なんて絶対しない。褐色の肌はむしろ嫌いだ、だからといって雪兎のように白くなりたいという訳ではない、俺に白が似合わないのは分かっている。

「ポチは僕をその気にさせるのは上手いけど、誘惑はそこまでだよね。ちょっと胸寄せたり足開いたり? 直接的過ぎるよ。自分のどこがイイか分かってるんならもっと上品な誘惑が出来るはずだよ」

何も答えられないでいると雪兎はそう話し、赤紫色の瞳で俺の目を見つめ、ウインクをした。続けて自身の人差し指の爪にキスをし、首を傾げる。

「顔だけでもこうやって、ね。誘惑されたでしょ? ポチの目つき変わったもん……」
 
俺如きが映っていいとは思えない美しい瞳にもっと見つめられたい、蔑まれたい。ウインクで強調されたあの長い睫毛に口付けたい、俺の唾液で覆ってしまいたい瞼越しでいいから目玉の感触を舌で知りたい。俺に人差し指をしゃぶらせて欲しい。細い首に吸い付きたい、噛み付きたい。

「ポチも何かしてよ、僕を誘惑し……わっ」

募っていく欲望は下腹へ集まり、熱に押し出されるように精液が吹き出した。

「……上品にって言ったじゃん。ふふふっ……もぉ、ポチったら……しょうがないなぁ。犬だもんね、犬に品性なんて……ふふ、いらない」

勢いよく吹き出た精液は雪兎の太腿にまで飛んだ。白い太腿を汚した白濁液を雪兎はやはり白い指先ですくい、妖艶に微笑む。

「君は外に出ない、僕の可愛い愛玩犬。ずっとずっと僕の部屋で、ベッドで生き続けるんだから……ほとんど裸で過ごすんだから、君の誘惑のレパートリーは開脚だけで十分なんだよね」

ゆっくりと俺ににじり寄り、ドロっとした白い液体が絡んだ指を俺の口に押し付ける。雪兎の指先が唇に触れるが早いか俺は口を開け、舌を突き出していた。

「美味しい?」

苦くて不味い自らの精液を、甘露な蜜を啜るような表情で味わってしまう。

「ゆき、ひゃまの……んっ、ゆび……おいしぃ、れふ」

雪兎の指に歯を立てないように、雪兎の指を口に入れたまま、話す。

「そう、可愛いね。飼い主の指しゃぶるなんて本当にワンちゃん……可愛いワンちゃん、僕をその気に出来てえらいね。お腹なでなでしてあげる」

俺はすぐにゴロンっと寝転がり、犬が降伏するようなポーズを取った。
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