36 / 86
36.バァー!
しおりを挟む
花子は自宅に帰るなり実母にガシッと抱きしめられた。
「何?」
「なんで言わなかったの。」
「???」
「なにを?」
「もう私のことを気にしてたの。」
「えっなに?」
「だから大学対抗の魔法戦の選手に選ばれたことよ。」
「それが?」
「早くいいなさい。おかげで母さん、バァーに怒られたんだから。」
「はあぁ?」
バァーって誰のこと?
「もう、すぐに二人を連れて来なさいって大変だったんだからね。」
「二人?」
ますますなにがいいたいのかわからない。
花子はガシッと抱きしめられたまま固まった。
そこに大きな音を立てて扉が開いたと思ったら実父が帰って来た。
「どうしたんだ信子。会社に連絡してきて早く帰れないかなんて珍しいことを聞いて来るんだ?」
花子を離した実母はすぐに実父に抱き付いた。
「えっ信子?」
実父は顔を真っ赤にしながらも抱き付いて来た彼女をギュッと抱き締め返した。
「お願いがあるの。」
「お願い?”別れたい”とかいうこと以外なら何でも聞いてあげるよ。いってごらん。」
「実父よ。そんなに妻に甘くていいのか。」
二人に存在を忘れ去られた花子は実父の後ろで小声で突っ込みを入れた。
「ありがとう。チュッ!」
信じられないことに実母は実父に口づけをした。
おい、娘が目の前にいるのにナニをする気でいるんだ、そこのバカップル!
思わず怒鳴ろうとしたら問題発言が飛び出した。
「よかったぁ。じゃあすぐに一緒に日ノ本に行ってくれるのね。」
「「日ノ本になにしにいく(の)んだ?」」
「もちろん八百万神社で大巫女をしている祖母に会いにいくのよ。」
「「はあぁ?」」
実母の問題発言の後、花子は今回やっと決まったパートナーと試合前に連絡をとって事前に魔法戦の練習をしなくちゃいけないから無理だと断ろうしたがそれは問題ないから早く行くわよと強引に乗り物に乗せられ、気がついたら八百万神社の階段を上がっていた。
ゼェハァー
ゼェゼェゼェ
ゼェハァー
ゼェゼェ
このご時世に百八段もの石段を一つ上った先に鳥居がありそれが九個もある神社なんて存在してるんだ。
九個の鳥居があるってことはつまり全部で九百七段の自然石で積まれた石段を自力で上らなければならないってことになる。
自然の石ってその一つ一つが平らならまだ上りやすいのだが自然にできたものなので歪なものが多く、足元が不安定なことこの上ない。
そう言えばこの角度って上がるのも大変だけど降りるのはもっと怖くない。
思わず振り返ろうとしたら先に上っていた実母から催促された。
「花子、早く来なさい。遅いわよ。」
私が遅いんじゃない。
二人が早すぎるんだ。
それもいい年した大人が二人で恋人つなぎとかしながらイチャイチャ上るとかどんだけ器用なんだ。
ああー嫌だ。
花子がブツブツいいながらも上っていると先に上っていたアインとムツキが追いついて来た花子に手をさし出してきた。
「「花子様。大変ですからお手を引きましょうか。」」
「ありがとう二人とも。でも大丈夫。もうすぐだからがんばれるわ。」
ここまで来たら根性で上まで一気に行くわよ。
それにしてもなんでここって魔法が使えないんだろ。
そうなのだ。
あまりの大変さに魔法で楽をしようとしたが全く魔法が使えなかったのだ。
なんで?
そんなことを考えているうちにやっと九個目の”九の坂鳥居”を潜って神社の本殿前に辿り着いた。
そこには前世の日本で見た宮司姿の若かったときはとてもモテたんだろうという容姿の白髪の老人が立っていた。
「遅い。それに神聖な神社内で男女が手を繋ぐなど不謹慎だ。」
うんうん。
そうだよね。
思わず花子は頷いた。
そこに真っ赤な袴を穿いた女性が本殿から現れた。
「何を怒鳴っているの。うるさいわよ。そこの老人のたわごとなど無視してまずは全員本殿にお参りしなさい。」
凛とした声にここまで上がって来た全員が促されるまま本殿にお参りし、その後渡り廊下を通って中にある住居部分に入ると全員がそこで正座した。
カポーン。
さわさわさわ
さわさわさわ
さわさわさわ
神社内にある池の傍で鹿威しの音を聴きながら全員が先程の凛とした声を出した巫女を前に誰も一言も発せずにじっと正座をしていた。
「大巫女様、お持ちしました。」
奥の障子をスッと開けて同じような恰好をした女性がお茶を持って現れた。
大巫女と呼ばれた女性はそれを実父の前に置いた。
実父はそのお茶を手に取って三口飲むと隣にいる実母に渡した。
全員が同じ茶碗から同じ動作でお茶を飲み終えると大巫女が立ち上がった。
「ついて来なさい。」
実父と実母は即座に反応して後をついて行った。
アインとムツキもスッと立ち上がった。
もしもーし、なんでこんな長時間正座して全員すぐに立ち上がれるの?
花子は足が痺れて立ち上がるだけでせーいっぱいで一歩も歩けなかった。
すぐに花子の様子に気がついたアインとムツキが両脇を支えてくれた。
お陰で花子も何とか歩き出した。
板張りの廊下は池の上に橋のように渡されていてその板張りの道を黙々と歩いて行くと奥まったところに立っている建物に大巫女は入っていった。
両親もそれに続いて入ったので花子たちも後をついて行った。
部屋に入るとそこには花子待望の椅子が置かれていた。
「さあ、こちらに座りなさい。」
そこには先程本殿前で立っていた老人がすでに中央に座っていた。
白髪の老人はなんだか小難しい顔で実父を睨み付けていた。
それを見ていた大巫女は大きな溜息を吐きながらも先程とは違う優しい声で机の上に置かれていた重箱を開けると花子たちにそれを勧めてくれた。
「この山で捕れたものよ。美味しいからたくさん食べなさい。さあ、花子ちゃんも遠慮しないで手を付けて頂戴。それにしても会わないうちに大きくなって、ますます信子の小さいときにそっくりね。バァーは花子ちゃんに会えて嬉しいわ。」
「儂はこんな男に会いたくなかったわ。」
「聖言い過ぎですよ。」
「言い過ぎだと。こいつは娘を孕ませた挙句、その後もほったらかしで何もせず。それどころかその間も他の女とイチャついてその女との間に子供まで生ませたんだぞ。」
「昔の聖と変わらないではありませんか。」
「儂は大海と結婚した後はそんなことはしていない。」
「あら、私が知らないとでも思っているんですか。」
「な・・・なんのことだ。」
「大王に頼まれて何をやったのか知っていますと言っているんです。」
「な・・・んのことをいっているんだ。」
「大王の後継者のお一人が聖の若いときにそっくりだと言っているですよ。何か反論は?」
花子には実母の実母である人の平凡な顔がこの時、般若に見えた。
この一言で口を噤んだ聖は黙って重箱の料理を食べ始めた。
「母さん今のこと本当なの?」
「アラ、なんの事かしら?」
「な・・・なんでもない。」
全員がこれは聞いてはいけないことだと理解した瞬間だった。
その後は全員でうわべは和やかな食事会が始まった。
花子は言われるまま重箱の料理をパクパクと食べた。
うまい。
色合いは緑色ばかり多くて今一つだが味は無茶苦茶美味しかった。
両親はこれまでのこともあって気まずそうだったが花子はご機嫌だった。
上機嫌で食事を終えると温泉があるというので全員が温泉に向かった。
部屋を出る際に祖母に声を掛けられた。
「花子ちゃん。」
「はい!」
「まだまだ正座は苦手なようね。明日から少しずつ練習しましょうね。」
「えっ!」
「そうそう。その後は蔵に自由に入っていいわよ。それじゃ明日ね。」
「あっ・・・。」
花子は断ろうと口を開いたが断る前に祖母は部屋からいなくなっていた。
なんでこんなところに来てまで正座の練習なの!
項垂れていると自分たちばかり気まずい思いをしていた実母が嬉しそうに声を掛けて来た。
「よかったわね花子。お祖母様に見ていただけるなんて。」
花子がジト目でみればさすがに言い過ぎたことに気がついた実母が違うことを教えてくれた。
「まあいいんじゃない。花子が好きだった本が読み放題だわよ。」
「本?」
「あら忘れたの。昔は蔵に籠ってよく読んでたじゃない。」
蔵って本がある所なの!
ビバ蔵!
「何?」
「なんで言わなかったの。」
「???」
「なにを?」
「もう私のことを気にしてたの。」
「えっなに?」
「だから大学対抗の魔法戦の選手に選ばれたことよ。」
「それが?」
「早くいいなさい。おかげで母さん、バァーに怒られたんだから。」
「はあぁ?」
バァーって誰のこと?
「もう、すぐに二人を連れて来なさいって大変だったんだからね。」
「二人?」
ますますなにがいいたいのかわからない。
花子はガシッと抱きしめられたまま固まった。
そこに大きな音を立てて扉が開いたと思ったら実父が帰って来た。
「どうしたんだ信子。会社に連絡してきて早く帰れないかなんて珍しいことを聞いて来るんだ?」
花子を離した実母はすぐに実父に抱き付いた。
「えっ信子?」
実父は顔を真っ赤にしながらも抱き付いて来た彼女をギュッと抱き締め返した。
「お願いがあるの。」
「お願い?”別れたい”とかいうこと以外なら何でも聞いてあげるよ。いってごらん。」
「実父よ。そんなに妻に甘くていいのか。」
二人に存在を忘れ去られた花子は実父の後ろで小声で突っ込みを入れた。
「ありがとう。チュッ!」
信じられないことに実母は実父に口づけをした。
おい、娘が目の前にいるのにナニをする気でいるんだ、そこのバカップル!
思わず怒鳴ろうとしたら問題発言が飛び出した。
「よかったぁ。じゃあすぐに一緒に日ノ本に行ってくれるのね。」
「「日ノ本になにしにいく(の)んだ?」」
「もちろん八百万神社で大巫女をしている祖母に会いにいくのよ。」
「「はあぁ?」」
実母の問題発言の後、花子は今回やっと決まったパートナーと試合前に連絡をとって事前に魔法戦の練習をしなくちゃいけないから無理だと断ろうしたがそれは問題ないから早く行くわよと強引に乗り物に乗せられ、気がついたら八百万神社の階段を上がっていた。
ゼェハァー
ゼェゼェゼェ
ゼェハァー
ゼェゼェ
このご時世に百八段もの石段を一つ上った先に鳥居がありそれが九個もある神社なんて存在してるんだ。
九個の鳥居があるってことはつまり全部で九百七段の自然石で積まれた石段を自力で上らなければならないってことになる。
自然の石ってその一つ一つが平らならまだ上りやすいのだが自然にできたものなので歪なものが多く、足元が不安定なことこの上ない。
そう言えばこの角度って上がるのも大変だけど降りるのはもっと怖くない。
思わず振り返ろうとしたら先に上っていた実母から催促された。
「花子、早く来なさい。遅いわよ。」
私が遅いんじゃない。
二人が早すぎるんだ。
それもいい年した大人が二人で恋人つなぎとかしながらイチャイチャ上るとかどんだけ器用なんだ。
ああー嫌だ。
花子がブツブツいいながらも上っていると先に上っていたアインとムツキが追いついて来た花子に手をさし出してきた。
「「花子様。大変ですからお手を引きましょうか。」」
「ありがとう二人とも。でも大丈夫。もうすぐだからがんばれるわ。」
ここまで来たら根性で上まで一気に行くわよ。
それにしてもなんでここって魔法が使えないんだろ。
そうなのだ。
あまりの大変さに魔法で楽をしようとしたが全く魔法が使えなかったのだ。
なんで?
そんなことを考えているうちにやっと九個目の”九の坂鳥居”を潜って神社の本殿前に辿り着いた。
そこには前世の日本で見た宮司姿の若かったときはとてもモテたんだろうという容姿の白髪の老人が立っていた。
「遅い。それに神聖な神社内で男女が手を繋ぐなど不謹慎だ。」
うんうん。
そうだよね。
思わず花子は頷いた。
そこに真っ赤な袴を穿いた女性が本殿から現れた。
「何を怒鳴っているの。うるさいわよ。そこの老人のたわごとなど無視してまずは全員本殿にお参りしなさい。」
凛とした声にここまで上がって来た全員が促されるまま本殿にお参りし、その後渡り廊下を通って中にある住居部分に入ると全員がそこで正座した。
カポーン。
さわさわさわ
さわさわさわ
さわさわさわ
神社内にある池の傍で鹿威しの音を聴きながら全員が先程の凛とした声を出した巫女を前に誰も一言も発せずにじっと正座をしていた。
「大巫女様、お持ちしました。」
奥の障子をスッと開けて同じような恰好をした女性がお茶を持って現れた。
大巫女と呼ばれた女性はそれを実父の前に置いた。
実父はそのお茶を手に取って三口飲むと隣にいる実母に渡した。
全員が同じ茶碗から同じ動作でお茶を飲み終えると大巫女が立ち上がった。
「ついて来なさい。」
実父と実母は即座に反応して後をついて行った。
アインとムツキもスッと立ち上がった。
もしもーし、なんでこんな長時間正座して全員すぐに立ち上がれるの?
花子は足が痺れて立ち上がるだけでせーいっぱいで一歩も歩けなかった。
すぐに花子の様子に気がついたアインとムツキが両脇を支えてくれた。
お陰で花子も何とか歩き出した。
板張りの廊下は池の上に橋のように渡されていてその板張りの道を黙々と歩いて行くと奥まったところに立っている建物に大巫女は入っていった。
両親もそれに続いて入ったので花子たちも後をついて行った。
部屋に入るとそこには花子待望の椅子が置かれていた。
「さあ、こちらに座りなさい。」
そこには先程本殿前で立っていた老人がすでに中央に座っていた。
白髪の老人はなんだか小難しい顔で実父を睨み付けていた。
それを見ていた大巫女は大きな溜息を吐きながらも先程とは違う優しい声で机の上に置かれていた重箱を開けると花子たちにそれを勧めてくれた。
「この山で捕れたものよ。美味しいからたくさん食べなさい。さあ、花子ちゃんも遠慮しないで手を付けて頂戴。それにしても会わないうちに大きくなって、ますます信子の小さいときにそっくりね。バァーは花子ちゃんに会えて嬉しいわ。」
「儂はこんな男に会いたくなかったわ。」
「聖言い過ぎですよ。」
「言い過ぎだと。こいつは娘を孕ませた挙句、その後もほったらかしで何もせず。それどころかその間も他の女とイチャついてその女との間に子供まで生ませたんだぞ。」
「昔の聖と変わらないではありませんか。」
「儂は大海と結婚した後はそんなことはしていない。」
「あら、私が知らないとでも思っているんですか。」
「な・・・なんのことだ。」
「大王に頼まれて何をやったのか知っていますと言っているんです。」
「な・・・んのことをいっているんだ。」
「大王の後継者のお一人が聖の若いときにそっくりだと言っているですよ。何か反論は?」
花子には実母の実母である人の平凡な顔がこの時、般若に見えた。
この一言で口を噤んだ聖は黙って重箱の料理を食べ始めた。
「母さん今のこと本当なの?」
「アラ、なんの事かしら?」
「な・・・なんでもない。」
全員がこれは聞いてはいけないことだと理解した瞬間だった。
その後は全員でうわべは和やかな食事会が始まった。
花子は言われるまま重箱の料理をパクパクと食べた。
うまい。
色合いは緑色ばかり多くて今一つだが味は無茶苦茶美味しかった。
両親はこれまでのこともあって気まずそうだったが花子はご機嫌だった。
上機嫌で食事を終えると温泉があるというので全員が温泉に向かった。
部屋を出る際に祖母に声を掛けられた。
「花子ちゃん。」
「はい!」
「まだまだ正座は苦手なようね。明日から少しずつ練習しましょうね。」
「えっ!」
「そうそう。その後は蔵に自由に入っていいわよ。それじゃ明日ね。」
「あっ・・・。」
花子は断ろうと口を開いたが断る前に祖母は部屋からいなくなっていた。
なんでこんなところに来てまで正座の練習なの!
項垂れていると自分たちばかり気まずい思いをしていた実母が嬉しそうに声を掛けて来た。
「よかったわね花子。お祖母様に見ていただけるなんて。」
花子がジト目でみればさすがに言い過ぎたことに気がついた実母が違うことを教えてくれた。
「まあいいんじゃない。花子が好きだった本が読み放題だわよ。」
「本?」
「あら忘れたの。昔は蔵に籠ってよく読んでたじゃない。」
蔵って本がある所なの!
ビバ蔵!
14
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
【完結】戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
水都 ミナト
恋愛
最高峰の魔法の研究施設である魔塔。
そこでは、生活に不可欠な魔導具の生産や開発を行われている。
最愛の父と母を失い、継母に生家を乗っ取られ居場所を失ったシルファは、ついには戸籍ごと魔塔に売り飛ばされてしまった。
そんなシルファが配属されたのは、魔導具の『メンテナンス部』であった。
上層階ほど尊ばれ、難解な技術を必要とする部署が配置される魔塔において、メンテナンス部は最底辺の地下に位置している。
貴族の生まれながらも、魔法を発動することができないシルファは、唯一の取り柄である周囲の魔力を吸収して体内で中和する力を活かし、日々魔導具のメンテナンスに従事していた。
実家の後ろ盾を無くし、一人で粛々と生きていくと誓っていたシルファであったが、
上司に愛人になれと言い寄られて困り果てていたところ、突然魔塔の最高責任者ルーカスに呼びつけられる。
そこで知ったルーカスの秘密。
彼はとある事件で自分自身を守るために退行魔法で少年の姿になっていたのだ。
元の姿に戻るためには、シルファの力が必要だという。
戸惑うシルファに提案されたのは、互いの利のために結ぶ契約結婚であった。
シルファはルーカスに協力するため、そして自らの利のためにその提案に頷いた。
所詮はお飾りの妻。役目を果たすまでの仮の妻。
そう覚悟を決めようとしていたシルファに、ルーカスは「俺は、この先誰でもない、君だけを大切にすると誓う」と言う。
心が追いつかないまま始まったルーカスとの生活は温かく幸せに満ちていて、シルファは少しずつ失ったものを取り戻していく。
けれど、継母や上司の男の手が忍び寄り、シルファがようやく見つけた居場所が脅かされることになる。
シルファは自分の居場所を守り抜き、ルーカスの退行魔法を解除することができるのか――
※他サイトでも公開しています
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる