幽霊の霊子さん

ココ

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【第四話】席替え

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翌朝いつものように自分の席に座った。

そして、霊子に恐る恐る声をかけた。



ミイコ

「霊子、おっ・・・おはよう」



霊子

「おはよう」





霊子が微笑んでいる。良かった、いつもの霊子だ。





林先生

「新学期になってから2カ月経つし、そろそろ席替えでもするか」



生徒達

「イェ~イ」





そして、くじ引きによって席を決める事になった。



喋った事がない人同士だったり、仲の良い人同士だったり、次々と席が決まっていった。

そして私の番だ。





ミイコ

「15番です。」



アヤ

「私16番。」





(うわぁ、よりによってエリカの取り巻きのアヤと隣だ。エリカじゃなかっただけマシかな。でもどっちにしろ嫌だな)





そして霊子の番になると、霊子は23番の紙を上にあげた。





隼人

「俺だ、24番。霊子と一緒かよ」





隼人はクラスいちの問題児だ。

女子のスカートめくりをしたり、気の弱そうな男子をからかったり、常に仲の良い男同士で悪ふざけをして騒いでいる。

クラス中から迷惑がられている存在だ。





隼人

「おい一平、席代われよ」



一平

「えっ、うん」





一平は気が弱くて大人しくて目立たない存在だけど、絵が好きな優しい男子だ。

休み時間は誰とも喋らず常に絵を描いている。

そんな一平は、隼人達悪ガキ連中には都合の良いオモチャのような存在になっている。





隼人

「一平、何か面白い事やってみろよ」



一平

「・・・」





一平はいつものようにただうつむいている。





隼人

「皆さん、今から一平が面白い事をします」



一平

「・・・」



隼人

「おい、寝てんのか?」



悪ガキ連中

「早くやれよ」「やーれ、やーれ」





隼人や悪ガキ連中が騒ぎ出した。





林先生

「おい、お前達どうした?何騒いでるんだ?」



隼人

「いや、別に・・・」



林先生

「よし、皆席は決まったみたいだな。これから隣の人と仲良くするように」



生徒達

「はーい」





私の隣の席はエリカの取り巻きのアヤ、

霊子の隣は、大人しくて絵が好きな優しい一平。

霊子と席が離れてなんか少し寂しく感じた。



私は小学校時代、明るく楽しい学校生活を送っていて、友達もたくさんいた。

でも、お父さんの転勤によってこの中学校に2年生の頃に転校してきた。

中学校の途中からという事で、それぞれのグループがすでに出来ていて、引っ込み思案な私は、積極的にその輪に入っていく事ができなかった。

そのせいで友達という友達はまだいなく、中学3年生になってこのクラスで霊子と出会った。



この中学校に入ってからの私は、友達がいなく、常に疎外感を感じていたのに、幽霊の霊子が「よろしくね」と声をかけてくれた時は、怖いというよりもちょっと嬉しかった。



(霊子とは何もなく仲良く過ごせていたけど、これからしばらくはアヤと隣同士だ。何もなく過ごせるといいけど・・・)





林先生

「はい、じゃあ今日はこれで終わりだ。さようなら、また明日な」



生徒達

「はーい」





~そして放課後~





隼人

「一平、さっきは何ずっと黙ってたんだよ。面白い事やれよ」





(隼人がまだ一平に絡んでる・・・しつこいな)





隼人

「やれよ、やーれ、やーれ」



一平

「・・・できない」





一平が、か細い声で喋った。





隼人

「何?何て言った?」



一平

「面白い事、出来ないよ」



隼人

「はぁ!?出来ない?俺に歯向かうのか?」





隼人が一平に近寄ってきた。

そして悪ガキ連中も一平の席に集まってきた。

その様子を見た他の生徒達は気まずそうにそそくさと帰っていった。





エリカ

「全く、男子達くだらない事ばっかりやって。アヤ、メグミ帰るよ」





そしてエリカ達も帰っていって、教室には、私と霊子と一平と隼人達悪ガキ連中だけになった。





悪ガキ連中

「一平調子乗るなよ」「やらないと帰れないぞ」





隼人が一平に掴みかかっている。





一平

「やめてよ、痛い」





体格の良い隼人に掴まれて、小柄な一平は今にも押し倒されそうだ。



バタン!と大きな音が教室中に響いた。



皆が一斉に音のする方向へ振り向いた。



掃除用具が入っていたロッカーが倒れていた。

その大きな音を聞いて、隣のクラスの先生が駆け込んできた。





先生

「どうしたの?何事?」



隼人

「ロッカーが倒れただけです」



先生

「そう、誰も怪我はしてない?」



隼人達悪ガキ連中

「はい」



先生

「それなら良かった」





その後、霊子がヒョイっとロッカーを元の位置に戻した。



私も悪ガキ連中も一平も、霊子の仕業だとすぐに確信した。



そして、隼人と悪ガキ連中は霊子を見ると逃げるように去って行った。



一平

「霊子さん、ありがとう」





霊子はコクリと頭を下げた。





その放課後の出来事以降、隼人達悪ガキ連中は一平の事をからかう事がなくなった。

霊子と一平の関係も良さそうだ。



アヤ

「ミイコ、今度文化祭のダンスの練習あるからサボらないでね。文化祭でミスは許さないからね」



ミイコ

「う、うん分かった。」



私はアヤと仲良くなるのは無理そうだ。

先が思いやられる・・・
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