幽霊の霊子さん

ココ

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【第六話】三人の友情

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エリカのカバンが荒らされた出来事があって以降、霊子と生徒達の間には距離ができはじめていた。

皆は霊子の姿は見えないが、清掃時に机の移動や、手の届かない所への清掃など、何かと霊子に頼んだりしていてうまくコミュニケーションを取っていたのに、

それが今では霊子に頼み事をする事もなくなり、まるで霊子がその場にいないような普通の学校生活になっていた。



そんな中一平は、イジメられているのを霊子に助けてもらった恩もあり、霊子の事をクラスの一員として変わらず接していた。

私は一平が霊子と仲良くしてくれているのが嬉しかった。

今まで、物静かな一平とはほとんど喋る事がなかったけど、霊子と一平が仲良くなった事で、少しずつ喋るようになり、いつしか私達3人には不思議な友情が芽生え始めてきていた。



いつものように休み時間、3人で喋っていると、



エリカ

「ミイコ、あんたダンスは上手く踊れるようになったの?見学だけでは許さないからね」



ミイコ

「うん、分かってる」



エリカ

「一平、あんたはもう少し動きを大きくしないと全然目立たないでしょ」



一平

「う、うん・・・」





私は文化祭で踊るダンスが今だに皆についていけず、見学ばかりさせられている。

一平はちゃんと踊れているのに、エリカは最近なにかと一平にもあたりが強い。

そして相変わらず霊子の存在は無視している。

カバンを荒らした犯人が霊子だと疑ってるから、3人で仲良くしているのが気に食わないのかもしれない。



エリカ

「今日も練習あるから絶対参加するように!」



ミイコ・一平

「・・・うん」





そしてエリカはアヤとメグミの元へ行き、3人でダンスの練習をし始めた。





ミイコ

「あの3人気合入ってるね」



一平

「そうだね、文化祭もうすぐだからね。楽しみだね」



霊子

「・・・」



ミイコ

「はぁー、今だに私だけ見学させられてるから早くダンス出来るようにならないと」



一平

「僕で良ければ教えるよ」



ミイコ

「いいの?」



一平

「うん」





こうして皆とのダンスの練習がない放課後には、一平がダンスを教えてくれるようになった。

私と一平がダンスをしている間は、霊子は浮かない表情をしている。



(霊子、本当に文化祭ダンスに参加しないのかな?霊子にも楽しんでもらいたいけど)



その後も霊子はダンスの練習に参加せず、私は一平に教えてもらった甲斐もあり、何とか皆との練習に参加出来るようにまでになった。



明くる日の放課後も皆とダンスの練習をしようと一平と一緒に体育館へ向かうと、何やらエリカ達と隼人達が揉めている。





エリカ

「あんた達、ダンス参加してないのに体育館から出て行ってくれない?」



隼人

「何だよ、見学してもいいだろ」



皆のダンスを見て隼人達悪ガキ連中が、からかいに来たみたいだ。





エリカ

「邪魔したらただじゃおかないから」





そして皆が揃うとエリカの合図でダンスが始まった。

皆の練習の甲斐もあり、息の合ったダンスができている。

この調子なら文化祭でも上手く披露できそうだ。





隼人

「何だ、このダンス。お遊戯会みたいだな」



悪ガキ連中

「ハハハ」



エリカ

「何もやってない人達が言わないでくれない?文化祭は何するつもり?」



隼人

「文化祭をぶち壊す」



悪ガキ連中

「ハハハ」





そういって隼人達は体育館から去って行った。





アヤ

「あいつ本当に文化祭ぶち壊す気かな?」



メグミ

「ヤバくない?」



エリカ

「どうせ、口だけでしょ?私達は気にせずダンスの練習を頑張るだけよ」





アヤ・メグミ

「うん、そうだね」





隼人達が去って行った後もダンスの練習が続いた。

隼人にお遊戯会みたいだと言われた事がショックだったのか、エリカの指導も一段と熱が入っていった。

皆がクタクタになったところでやっと練習が終わった。





エリカ

「はい終わり、今日はここまで」



生徒達

「はぁー疲れた」「キツすぎる」「やっと帰れる」





私と一平は教室にいる霊子の所へ行き今日のダンスの成果を披露した。

でも、やはり霊子は浮かない表情をしている。

そんな中、エリカ達が教室へ戻ってきた。





アヤ

「誰かさん今日はカバン荒らしてないよね?」



エリカ

「今日は大丈夫みたい。だけど明日も荒らさないでよ」





そういってエリカ達は霊子の席の方に向かって嫌味を言ってきた。





霊子

「・・・」





エリカ

「あなたがやったんでしょ?」



霊子

「やってない」



ミイコ

「やってないって」



一平

「霊子がそんな事するわけないだろ」





一平が珍しく声を荒げた。





一平

「霊子は優しい子なんだ、絶対にそんな事はしないよ」



エリカ

「何でそんなに霊子を庇うの?もしかしてあんた幽霊が好きなの?」



アヤ・メグミ

「ハハハ」





そしてエリカ達が帰って言った。





一平

「エリカ達の事は気にしないで。僕も隼人達にたくさん嫌な事を言われたりされてきたけど、霊子が助けてくれたから今度は僕が霊子をエリカ達から守るよ」



霊子

「ありがとう」



ミイコ

「ありがとうって言ってるよ」



一平

「うん」





ずっと浮かない表情ばかりしていた霊子は一平の言葉で少し笑顔になった。

私達3人はしばらく会話をした後さようならをした。



(今日はダンスも上手く踊れるようになったし、一平の男らしい姿も見れたし、霊子も笑顔になったし良い一日だったな)
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