【完結】婚約破棄と追放をセットでくらった件 〜神スキルで逆転人生〜

長船凪

文字の大きさ
11 / 125

11 リアクションがヤバい

しおりを挟む
 そしていざ治療の時! ではあるが、

「えーと、いったん念の為、手を洗いますね」


 俺は心を落ち着けようとしつつ、用意されていたフィンガーボウルのような器の水で手を洗って手を布巾でぬぐう。

 その間、レベッカという新しい患者の令嬢は顔を紅潮させつつ、こちらを伺っているようだ。
 そ、そんなに見つめられたら余計緊張してくる。
 前回はすでに発作が起きていたから、そんな余裕もほぼなかった。

 そしてニコレット様の方をチラリと盗み見ると、扇子で口元を隠してるが、目が怖い。
 半眼! 目が座ってる!

 でも気にせずに揉むぞ! 貴族女性の胸を! 素手で!
 仕事なので!


「座った方がよいですか? 立ったままが良いですか?」

「では、何か辛くなったらそこのカウチに横になってその手前で立ってください」

 横になったまま施術するといやらしく見えるかな? と、今回は立ったまま行う。

「はい、ではそろそろ手も乾いたと思いますので、どうぞ!」

 レベッカ嬢は緊張感に耐えられなくなったのか、意を決して俺を行為に促した。

「では、楽にしてください」

 俺も覚悟完了し、おもむろに乳に手を当てた。

「あっ」

 まだそっと手のひらを胸に当てただけなのに、彼女は身を震わせてもう、あっとか言われたが、俺の手のひらは白銀色に輝いてるし、気にせずに揉んでいく。

 痴漢ではない、これは医療行為!
 柔らかい! 気持ちいい!
 コルセットはしてもブラはしない文化なのか、治療の為にわざと外してあるのかは不明!
 手に意識を集中して揉んでいくと手のひらから魔力の奔流のようなものを感じる!


「ああ~~っっ!!」


 またひときわ大きな声を漏らすレベッカに思わずびっくりする俺氏!
 しかも色っぽい声!


「だ、大丈夫です、いい調子ですよ! 頑張ってください!」

 我ながら一体何をがんばればいいのか分からない!
 とりあえず彼女を励ましつつ、白くふくよかな胸をもみもみと揉みしだく俺!

 令嬢の顔が真赤になってる為に治療なのになんかいけない事をしてる気分になってくる!

 俺の股間のものも心配なので!
 何かで気を削ぐしか!
 なんか萎えることを考えよう、必死で脳内で検索していると、


「ああ~~っ、も、もうらめぇ~っ!!」


 らめぇいただきました!
 だが何がらめぇなのかはわからない!

 彼女は後ろのカウチにドサッと崩れ落ちるように座り込んだ。


「だ、大丈夫ですか? 痛くはありませんでしたか?」
「ハァ、ハァ、ハァ……い、痛くはなかったですわ。妙に気持ち良くなってしまい、立っていられなくて……」

 赤裸々ぁ!

「そうですか、ではそこで休んでいてください!
 私は少し失礼します!」


 俺はすぐさま部屋を出た。
 おっきする! おっきしてしまう!
 もはや半分くらいアレな状態!
 反応がエロすぎる!
 助けて! 
 あ! 廊下に執事発見!

 俺は廊下にいた執事にお手洗いの場所を聞いてダッシュした!

 ◆ ◆ ◆

 室内に戻るとまだレベッカ嬢はカウチで横になっていたし。
 何故かニコレット様の手にあったはずの扇子は折れて床に散らばっていた。

 一体何が?

「失礼しました、施術は終わりました。そこそこ吸収できたと思います」
「こちらをどうぞ、レベッカお嬢様からの謝礼の一部です」
「ありがとうございます!」


 中身は金貨の入った袋だった!
 まいどあり!


「では、うちのシェフにこれから晩餐の用意をさせますので、その間にボート遊びをいたしませんこと?」

 ニコレット様はまだボード遊びを諦めてないようだ。


「ああ、池があるんでしたね、あのヘラジカのはまっていた泥沼以外に」
「あの泥沼以外にあります! レベッカ嬢はお疲れのようなので、そこでも貴賓室のベッドでも使って休んでいてください」
「も、もう大丈夫ですわ!」
 

 レベッカ嬢は慌ててカウチから起き上がった。
 だが、何故か膝がガクガクしてる。
 そうまでして一緒にボード遊びがしたいのかな?


「あらぁ、無理はしないでくださいね、レベッカ嬢」
「ニコレット嬢、私は無理なんてしていませんわ! あっ!」

 とかいいつつ、レベッカ嬢が俺の方によろけて倒れ込んできたので反射的に支える。

「レベッカ嬢! 膝が産まれたての子鹿のようでしてよ!?」

 ニコレット様が思わず叫ぶ。


「す、すぐ落ち着きますわ!」
「あの、ニコレットお嬢様! 新たなお客様が来られています!」


 そのタイミングで扉の外から執事がニコレット様に声をかけてきた。


「ああ、もう一人も早めに到着してしまったようね」
「か、彼女も晩餐に遅れるといけないから早めに来られたのでしょう!」


 本来の約束は晩餐時にということだったのかもしれない。
 言い訳っぽくレベッカ嬢がニコレット様に言ってるし。

 ニコレット様は半ばやけになった感じで、

「客人を通してちょうだい!」

 と、入室を許可した。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

処理中です...