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81 市場に向かう途中
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ひとまずサファイアの原石を魔法の袋に収納してから市場へ向かう。
「市場へ向かってくれ」
俺は御者にそう命じた。
「え? すぐに子爵家に戻らなくていいのですか?」
魔法使いのマーヤが俺の態度に驚く。
サファイア鉱床がさっき見つかったのに、のんきに市場で買い物とか正気か!? と思ったんだろうな。
しかし宝石は安全なところに収納したし、どうせここからなら市場のが近いからそちらに向かってからでもいいのでは? と、俺は思う。
「時間は有効に使いたい」
「そ、そうですか、分かりました」
「出してくれ」
再び馬車を走らせ、俺達は市場に向かった。
その途中、馬車の前に飛び出した人間がいて、馬車は急に斜め前方に進路を変え、急に止まった。
「危ないだろう! 急に飛び出すな!」
御者が飛び出して来た男にどなったのが聞こえた。
すんでのとこで轢くとこだったのでは?
飛び出した人間に怪我がないか馬車から降りて見たらどうやら島民の男で、女性も駆け出して来た。
「あなた! お金返して! そのお金は生活費よ!」
「うるせぇ! 俺はこれで酒を買うんだ!」
どうやら生活費を酒に注ぎ込むクソ夫らしい。
しかも奥さんの顔には少なくとも3回は殴られてるような痕がある。
やはりクソだな。
「お前、自分の妻を殴って生活費を酒代にするつもりなのか?」
「ああ!? お前に関係あるかよ!? ってか、なにもんだ!? 随分綺麗な服を着てるけどよ!?」
既にそこそこ酒が入っているせいか、俺が身分のある貴族と気がつかないみたいだ。
「無礼者!」
「子爵様、こいつ手打ちにしますか?」
護衛騎士達が出て来た。
「ひいっ!? 子爵ぅ!?」
「ここで手打ちにする代わりに、お前にピッタリの仕事を紹介してやる」
「「えっ!?」」
妻と夫の声が被った。
「妻とは別れろ、お前はこれから先、死ぬまで鉱山で働いて、お前の稼ぎは全てそこの彼女への慰謝料になる。まあ、しかし仕事が始まるまでは監獄にいろ。俺は酒の為なんかで女を殴る男は大嫌いなんだ」
「ひとまず投獄ですね! 衛兵を呼びます!」
護衛騎士は、魔石から信号弾のような光を上空に打ち上げ、そして護衛騎士はDV夫を懐から取りだした紐で縛り上げた。
酒クズの妻の方は縛られた夫を呆然と見ている。
俺は男の懐から財布と思われる巾着を抜き取り、中に金が入ってるのを確認し、それを彼女の方に手渡した。
「念の為に聞くが、あの男との間に子供はいるか?」
「病気で亡くなりましたから、もういません……」
「……そうか、あの酒クズとは別れた方が身の為だ」
「は、はい」
俺は顔に3箇所も殴られた痕のある女性にそう忠告してから、ひとまず酒クズを駆けつけた衛兵に引き渡し、市場に向かった。
「お! やった! 海苔がある! 魚や海老も買おう、あ、海藻も!」
俺はこの際だと、あれやこれやと買い込む。
「毎度ありー」
そして買い物を済ましてから、ジェラルディーヌ子爵家の応接室に戻った。
「なんと! サファイア鉱床がうちの領地に!?」
「はい、これが先ほど見つかったサファイアの原石です」
「おお……結構なサイズですね」
「そうですね」
「これで娘の結婚指輪を作りましょう! 貴方が見つけてくださった石なので、娘も喜ぶでしょう!」
そ、そうきたかぁ。ちなみに今エマはドレスショップに行ってるらしい。
「なるほど」
「さて、忙しくなってきましたね、石の研磨、指輪の細工師探しにサファイア鉱床を掘る人間も集めなくては」
もうすぐ俺の義理父となる子爵は意気揚々としていた。
「あ、いい忘れるところでしたが、馬車で道を走っていたら馬の前に飛び出してきた男がいたのですが、そいつ自分の妻を殴って生活費を酒代にしようとするクズですし、舐めた態度をとられてついカッとなって勝手にサファイア鉱床の労役を言い渡してしまいました。
ひとまずは諸々の準備が整うまで投獄してるはずなのですが」
「なんと! うちの領民が申し訳ありません。その処分で結構です」
──ふう。怒られずに済んでよかった。
あとはやつの稼ぎは全部元妻に行くようにも頼んでおく。
「市場へ向かってくれ」
俺は御者にそう命じた。
「え? すぐに子爵家に戻らなくていいのですか?」
魔法使いのマーヤが俺の態度に驚く。
サファイア鉱床がさっき見つかったのに、のんきに市場で買い物とか正気か!? と思ったんだろうな。
しかし宝石は安全なところに収納したし、どうせここからなら市場のが近いからそちらに向かってからでもいいのでは? と、俺は思う。
「時間は有効に使いたい」
「そ、そうですか、分かりました」
「出してくれ」
再び馬車を走らせ、俺達は市場に向かった。
その途中、馬車の前に飛び出した人間がいて、馬車は急に斜め前方に進路を変え、急に止まった。
「危ないだろう! 急に飛び出すな!」
御者が飛び出して来た男にどなったのが聞こえた。
すんでのとこで轢くとこだったのでは?
飛び出した人間に怪我がないか馬車から降りて見たらどうやら島民の男で、女性も駆け出して来た。
「あなた! お金返して! そのお金は生活費よ!」
「うるせぇ! 俺はこれで酒を買うんだ!」
どうやら生活費を酒に注ぎ込むクソ夫らしい。
しかも奥さんの顔には少なくとも3回は殴られてるような痕がある。
やはりクソだな。
「お前、自分の妻を殴って生活費を酒代にするつもりなのか?」
「ああ!? お前に関係あるかよ!? ってか、なにもんだ!? 随分綺麗な服を着てるけどよ!?」
既にそこそこ酒が入っているせいか、俺が身分のある貴族と気がつかないみたいだ。
「無礼者!」
「子爵様、こいつ手打ちにしますか?」
護衛騎士達が出て来た。
「ひいっ!? 子爵ぅ!?」
「ここで手打ちにする代わりに、お前にピッタリの仕事を紹介してやる」
「「えっ!?」」
妻と夫の声が被った。
「妻とは別れろ、お前はこれから先、死ぬまで鉱山で働いて、お前の稼ぎは全てそこの彼女への慰謝料になる。まあ、しかし仕事が始まるまでは監獄にいろ。俺は酒の為なんかで女を殴る男は大嫌いなんだ」
「ひとまず投獄ですね! 衛兵を呼びます!」
護衛騎士は、魔石から信号弾のような光を上空に打ち上げ、そして護衛騎士はDV夫を懐から取りだした紐で縛り上げた。
酒クズの妻の方は縛られた夫を呆然と見ている。
俺は男の懐から財布と思われる巾着を抜き取り、中に金が入ってるのを確認し、それを彼女の方に手渡した。
「念の為に聞くが、あの男との間に子供はいるか?」
「病気で亡くなりましたから、もういません……」
「……そうか、あの酒クズとは別れた方が身の為だ」
「は、はい」
俺は顔に3箇所も殴られた痕のある女性にそう忠告してから、ひとまず酒クズを駆けつけた衛兵に引き渡し、市場に向かった。
「お! やった! 海苔がある! 魚や海老も買おう、あ、海藻も!」
俺はこの際だと、あれやこれやと買い込む。
「毎度ありー」
そして買い物を済ましてから、ジェラルディーヌ子爵家の応接室に戻った。
「なんと! サファイア鉱床がうちの領地に!?」
「はい、これが先ほど見つかったサファイアの原石です」
「おお……結構なサイズですね」
「そうですね」
「これで娘の結婚指輪を作りましょう! 貴方が見つけてくださった石なので、娘も喜ぶでしょう!」
そ、そうきたかぁ。ちなみに今エマはドレスショップに行ってるらしい。
「なるほど」
「さて、忙しくなってきましたね、石の研磨、指輪の細工師探しにサファイア鉱床を掘る人間も集めなくては」
もうすぐ俺の義理父となる子爵は意気揚々としていた。
「あ、いい忘れるところでしたが、馬車で道を走っていたら馬の前に飛び出してきた男がいたのですが、そいつ自分の妻を殴って生活費を酒代にしようとするクズですし、舐めた態度をとられてついカッとなって勝手にサファイア鉱床の労役を言い渡してしまいました。
ひとまずは諸々の準備が整うまで投獄してるはずなのですが」
「なんと! うちの領民が申し訳ありません。その処分で結構です」
──ふう。怒られずに済んでよかった。
あとはやつの稼ぎは全部元妻に行くようにも頼んでおく。
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