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唐揚げサンド。
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「唐揚げは、唐揚げのみと、刻みキャベツとパンに挟むやつの二種にする?
パンも有れば一食の食事にもなり得るし」
「そうだな」
「りょ」
「キジはどうする?」
「こっちは量的に自分達用の焼き鳥で良くない?」
「おけ」
「それにしても初めて使った武器でいきなり成功するなんて、私達にチートな力が発現したのかな?」
「そうだろうな。通訳ボーナスと似たような物だろう。
後は女の子でも斧を平気で振り回す剛力があれば完璧だった」
「うう~~ん。斧を平然と振り回す女子か、可愛いさの欠片も無いけど大丈夫?」
「命は大事だから……」
「そこはせめて薙刀っしょ?」
などという会話をしながらも我々は唐揚げの準備をしている。
開店準備とも言う。今日はグアナの下準備とかで、開店が遅れ気味。
「お~~い! 先日の弁当、めちゃくちゃ美味かったぞ!!
白いつぶつぶに栗が入ってるやつの方も、美味しかった!」
いつもの冒険者のお客様!
「白い粒……お米ですね!
はい、栗ご飯は先日林で自分達用に栗拾いして、作った残りなんですが、お気に召したなら何よりです」
お米を食べる文化が無いのかな?
基本パン食かな?
少し細長い感じのタイ米みたいなのくらいは探せばありそうな気がするんだけど。
「ところで、今日の売り物、メニューはなんだ?」
「グリーングアナの唐揚げです。
唐揚げのみと、唐揚げと刻んだキャベツをパンに挟む、唐揚げパンの二種を考えています」
唐揚げサンドパンだと、私は説明した。
「グリーングアナか! ご馳走だな! 肉が濃厚で美味いんだ!」
なるほど、こちらではご馳走の部類か。
「今朝、狩って来たばかりで少々準備に時間がかかっております、申し訳ありません」
「市場内の他を回ってから、もう一度戻って来るよ。
ところで弁当箱は洗って来たから、その唐揚げパンを詰めて貰えるか?」
「かしこまり!」
手が空いてた紗耶香ちゃんが冒険者さんから曲げワッパ系弁当箱を受け取った。
刻みキャベツにマヨネーズもトッピングして、パンに唐揚げを挟み込む為に、包丁でキャベツを刻む! パンに切れ目を入れる!
唐揚げを揚げる! の作業を頑張ってる最中である。
弁当箱を預けて背を向けて行こうとしてた所に、コウタが声をかけた。
「あ! 冒険者さん、聞きたい事があるんですが!」
「お、なんだ?」
「薬草を見つけて採取して来たんですが、市場で売るのと、冒険者ギルドで買い取り頼むのはどちらが良いのでしょうか?」
「採取依頼があるやつならギルドに下すと喜ばれるとは思うが、ちょっとしか無いのなら、わざわざギルドに行かずとも、ここで売ってもいいんじゃないか?」
「そうですか! ありがとうございます!」
そう言えば、薬草も摘んでたわ。
冒険者さんが一旦この場を離れた。
「ねー、今日さ、売り物完売で終わったら、ズボン探しに出てもいい?」
私はキャベツを刻みながら一応コウタにお伺いを立てる。
唐揚げを揚げまくりながらコウタが答える。
「良いよ」
なんとも香ばしい、食欲をそそる香りがしてくる。
「別に女子がメンズを着ても良いよね?」
「ズボンにケツが入るならいいんじゃないか?」
「そう言えば男性の腰周りって女性とライン違うんだわ」
「ゆったりめのを買えばよくない?」
そうだねと、紗耶香ちゃんの言葉に頷き、雑談をしてる間にそろそろ唐揚げサンドが出来上がりそう。
コウタが唐揚げを揚げ、私がキャベツを刻み、紗耶香ちゃんがパンに唐揚げとキャベツを挟んでマヨネーズをトッピング……などの作業を担当してる。
「あ、ね、二人とも、お客様が集まって来たよ~~」
「そろそろ開店だな!」
「いらっしゃいませ! 本日の売り物はグリーングアナの唐揚げです!
唐揚げのみと、パンに挟んだ物がございます!」
「パンに挟んだのを二つくれ」
「パンはあるから、私には唐揚げのおかずのみちょうだい」
「こっちもパンに挟んだの一つくれ!」
「はい、かしこまり!」
続々とお客様が列を作っていく。
完売は早そうだわ。
あ! 推しそっくりの冒険者さんが! 列に並んでいる!
今日の私はポニーテールにしてる。
少し高い位置で髪をくくってるだけなんだけど……。
やばい、ドキドキして来た。
キャベツ刻み終わってて良かった。
「パンに挟んだの一つ。元気そうだな」
紗耶香ちゃんが葉っぱに包んだ唐揚げパンを私に渡してくれたので、それを推しに似たラウルさんに手渡す。
「はい、おかげさまで。どうぞ、銅貨5枚になります」
「ああ」
私は僅かに震える手でラウルさんの差し出す銅貨五枚を受け取った。
は──、緊張した! いきなりのラウルさん登場だった。
「大丈夫、カナデっち、手がさりげに震えてない?」
「えへへ、急に推しが出て来て緊張しちゃった!」
「あはは、カナデっち、かわたん!」
「あ、どうも、お客様、出来てます!」
「ありがとう」
さっきの弁当箱を預けていた冒険者さんが戻って来て、受け取って行った。
ひと安心!
預けてたの忘れて来なかったらどうしようかと。
パンも有れば一食の食事にもなり得るし」
「そうだな」
「りょ」
「キジはどうする?」
「こっちは量的に自分達用の焼き鳥で良くない?」
「おけ」
「それにしても初めて使った武器でいきなり成功するなんて、私達にチートな力が発現したのかな?」
「そうだろうな。通訳ボーナスと似たような物だろう。
後は女の子でも斧を平気で振り回す剛力があれば完璧だった」
「うう~~ん。斧を平然と振り回す女子か、可愛いさの欠片も無いけど大丈夫?」
「命は大事だから……」
「そこはせめて薙刀っしょ?」
などという会話をしながらも我々は唐揚げの準備をしている。
開店準備とも言う。今日はグアナの下準備とかで、開店が遅れ気味。
「お~~い! 先日の弁当、めちゃくちゃ美味かったぞ!!
白いつぶつぶに栗が入ってるやつの方も、美味しかった!」
いつもの冒険者のお客様!
「白い粒……お米ですね!
はい、栗ご飯は先日林で自分達用に栗拾いして、作った残りなんですが、お気に召したなら何よりです」
お米を食べる文化が無いのかな?
基本パン食かな?
少し細長い感じのタイ米みたいなのくらいは探せばありそうな気がするんだけど。
「ところで、今日の売り物、メニューはなんだ?」
「グリーングアナの唐揚げです。
唐揚げのみと、唐揚げと刻んだキャベツをパンに挟む、唐揚げパンの二種を考えています」
唐揚げサンドパンだと、私は説明した。
「グリーングアナか! ご馳走だな! 肉が濃厚で美味いんだ!」
なるほど、こちらではご馳走の部類か。
「今朝、狩って来たばかりで少々準備に時間がかかっております、申し訳ありません」
「市場内の他を回ってから、もう一度戻って来るよ。
ところで弁当箱は洗って来たから、その唐揚げパンを詰めて貰えるか?」
「かしこまり!」
手が空いてた紗耶香ちゃんが冒険者さんから曲げワッパ系弁当箱を受け取った。
刻みキャベツにマヨネーズもトッピングして、パンに唐揚げを挟み込む為に、包丁でキャベツを刻む! パンに切れ目を入れる!
唐揚げを揚げる! の作業を頑張ってる最中である。
弁当箱を預けて背を向けて行こうとしてた所に、コウタが声をかけた。
「あ! 冒険者さん、聞きたい事があるんですが!」
「お、なんだ?」
「薬草を見つけて採取して来たんですが、市場で売るのと、冒険者ギルドで買い取り頼むのはどちらが良いのでしょうか?」
「採取依頼があるやつならギルドに下すと喜ばれるとは思うが、ちょっとしか無いのなら、わざわざギルドに行かずとも、ここで売ってもいいんじゃないか?」
「そうですか! ありがとうございます!」
そう言えば、薬草も摘んでたわ。
冒険者さんが一旦この場を離れた。
「ねー、今日さ、売り物完売で終わったら、ズボン探しに出てもいい?」
私はキャベツを刻みながら一応コウタにお伺いを立てる。
唐揚げを揚げまくりながらコウタが答える。
「良いよ」
なんとも香ばしい、食欲をそそる香りがしてくる。
「別に女子がメンズを着ても良いよね?」
「ズボンにケツが入るならいいんじゃないか?」
「そう言えば男性の腰周りって女性とライン違うんだわ」
「ゆったりめのを買えばよくない?」
そうだねと、紗耶香ちゃんの言葉に頷き、雑談をしてる間にそろそろ唐揚げサンドが出来上がりそう。
コウタが唐揚げを揚げ、私がキャベツを刻み、紗耶香ちゃんがパンに唐揚げとキャベツを挟んでマヨネーズをトッピング……などの作業を担当してる。
「あ、ね、二人とも、お客様が集まって来たよ~~」
「そろそろ開店だな!」
「いらっしゃいませ! 本日の売り物はグリーングアナの唐揚げです!
唐揚げのみと、パンに挟んだ物がございます!」
「パンに挟んだのを二つくれ」
「パンはあるから、私には唐揚げのおかずのみちょうだい」
「こっちもパンに挟んだの一つくれ!」
「はい、かしこまり!」
続々とお客様が列を作っていく。
完売は早そうだわ。
あ! 推しそっくりの冒険者さんが! 列に並んでいる!
今日の私はポニーテールにしてる。
少し高い位置で髪をくくってるだけなんだけど……。
やばい、ドキドキして来た。
キャベツ刻み終わってて良かった。
「パンに挟んだの一つ。元気そうだな」
紗耶香ちゃんが葉っぱに包んだ唐揚げパンを私に渡してくれたので、それを推しに似たラウルさんに手渡す。
「はい、おかげさまで。どうぞ、銅貨5枚になります」
「ああ」
私は僅かに震える手でラウルさんの差し出す銅貨五枚を受け取った。
は──、緊張した! いきなりのラウルさん登場だった。
「大丈夫、カナデっち、手がさりげに震えてない?」
「えへへ、急に推しが出て来て緊張しちゃった!」
「あはは、カナデっち、かわたん!」
「あ、どうも、お客様、出来てます!」
「ありがとう」
さっきの弁当箱を預けていた冒険者さんが戻って来て、受け取って行った。
ひと安心!
預けてたの忘れて来なかったらどうしようかと。
応援ありがとうございます!
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