修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪

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神と少年と少女

 アーシェラ令嬢とか、他の人にはこの表示画面は見えていないようだ。

 ドラゴン討伐クエストに、承諾するか否か。
 コウタは、承諾ボタンを押した。

 石化した両親を、なるべく助ける為に、経験値稼ぎと大幅レベルアップを望んでいるんだろう。

 私は──── 令嬢達が帰った後に、

「仕方ないなあ」
「だねぇ」

 私と紗耶香ちゃんは承諾ボタンを押した。


「お、お前らまで付き合わなくてもいいんだぞ」
「もはや一蓮托生よ、同じ船に乗っているの」
「何にせよ頭数は多い方が勝率上がるっしょ!」
「……ありがとう」


 ピロン。
 また音がした。


 ステータスを開くとこう文字が表示されている。


【勇気の神と闘神が興味深そうに家族想いの少年を見つめています】

【友愛の神が二人の少女に祝福を贈りました】
【友愛の神の加護:少】

「ちょ、サヤに神の加護少ってのがついたよ! バンザーイ!」
「紗耶香ちゃん、私にも少ついたよ! 効果が戦闘時に幸運とステータスアップだって!」

 何か良くわからないけど、ありがたい!!
 神様ありがとうございます!!

 バタン!

 思わず床で五体投地する私。


「どうしたのカナデっち! 神の加護が嬉しすぎて倒れたの!?」
「五体投地で神様に感謝を表してみたの」

 紗耶香ちゃんがえー!?って顔をしてるけど、気にしない。

「この……家族思いの少年って俺か?」

「そうでなければコウタの画面にそんな文字出ないでしょ。
ニ柱の神様に注目されてるなんですごいじゃない?」

 私は床に倒れたまま言った。


「ちょー凄いよ! コータ君」
「興味を持たれてるだけで、俺に加護はついて無いが」
「無謀と勇敢は違うとか言うやつかな? 知らんけど。これから頑張れば加護がつく可能性あるんかな?
それより今まで出なかった表示が出たね。何でだろう」

 
「ドラゴン討伐はやっぱ凄い事だからじゃん?」

「あ、討伐依頼を出してる大元は領地の貴族だけど、冒険者ギルドに参加の報告を入れたら特別に指定神殿の転移魔法でイジュール平原の最寄り神殿に転移させてくれるんだって書いてある。行きだけ」


 コウタがドラゴン討伐の詳細を読んで説明を始めたので私は体を起こした。


「ウチら、帰りはどうすんの?」
「馬車か船か金貨を使って転移魔法を使うかじゃ無いかな」
「ヒュー、行きだけは景気良く金使って転移魔法使ってくれるんだね」
「私達が平原に行ったら、クリスちゃんとか、どうしよう」


 里親トライアルの男の子達はトラブルの知らせは届いて無いからきっと順調だと思うんだけど。


「いざとなったら赤星の食堂のおばさんに頼んでみよう。
ピーラーがあればジャガイモの皮剥きとか、子供でも出来るだろうし」
「あーね、ピーラー! 良いよね、便利で」

「とりあえず赤星に行って来る。
当面の生活費とかも渡せばきっと面倒みてくれるだろう」
「いざとなったら換金出来る宝石のペンダントでもお守り袋に入れて渡しておくかな……」


 私がそう言うと、コウタが私達を見て言った。


「俺のせいで皆を巻き込むから、クリスのお守りは俺の予算から出すよ」


 決意は堅そうなので、ひとまず言う通りにさせておこう。
 それで気が済むのならと。


「ところでさぁ、ドラゴン討伐前、最後の晩餐になるかもしれない場合、何食べたい?」


 私は何気に二人に聞いてみた。


「……縁起でもないセリフだが、しかし、何しろドラゴン退治だ。
あり得るな。何が良いかな……」

 私は何にしよう。
 こんな異世界じゃお母さんの握ったおにぎりとか言えないしな……。
 会えないし。

「えーと、サヤは~~、ぎ、牛肉? 高くて柔らかい肉のステーキ」
「私のショップで日本の黒毛和牛のフィレ肉が買えるから、紗耶香ちゃんはそれで良い?」
「う、うん、二人は?」
「私はじゃあ……伊勢海老にしようかな」
「じゃあ俺は……JKの作ったお弁当……」


 ──はあ!?

「アホか、しょっちゅう私の手料理食ってるでしょうに」


 私も転移前は現役女子校生やってたんだぞ!


「べ、弁当は別かもしれない的な」

 コウタの目が泳いでる。──なんだこいつは? 
 もしや……紗耶香ちゃんの手料理を望んでいる?


「あーもう、紗耶香ちゃん、湯煎するだけのミートボールとか、ご飯おにぎりにして、弁当に詰めてコウタにあげてくれる?」

「そのくらいならサヤでも出来るけど、ホントにそんなもんでいいの?」
「う、うん。面倒なのにごめん」
「大丈夫だよ~~、いつも二人に楽させて貰ってるし~~」
「ごめん、他に思いつかなかったんだ……」

「ハイハイ」
「コータ君、ウケる」
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