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55 生足魅惑の黒ビキニ!

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 ミレナが公園の人魚像の側で手を振って待っていた。
 笑顔が眩しい。
 あちらが先に着いていたようだが、怒ってはいないようで良かった。


「すまん、持たせたかな」
「いいわよ、ショータが体力無いのは知ってるから」


 鈍足ですまぬ。
 公園で俺達は無事に合流できたので、早速よき場所でキャンプ飯を作ることにした。


 肉巻きおにぎりとイカリングを作る。
 おにぎりに必要なのは炊いたごはんと薄切りの豚バラ肉、大葉、炒り胡麻等だ。
 ご飯を薄いゴム手袋を装備して握る。
 手が汚れずに済むし、そっちのほうが清潔でいいだろう。
 ラップで握ってもいいんだが今回は手袋を使った。

 先におにぎりに大葉を包んでから豚バラ肉を巻きつける。
 タレにはにんにくと玉ねぎとグラニュー糖とお醤油トみりんと酒を混ぜる。
 キャンプセットの炭火焼きの網の上でおにぎりをトングを使ってひっくり返す。
 そして玉ねぎやにんにくの入った甘辛のタレをつけて焼いていく。

 じゅうじゅうと美味しそうな音がする。
 隣でイカリングも油で揚げていく。


「おにぎりにいい焼き目がついてきた」


 おにぎりの仕上げには炒り胡麻をパラパラと振りかける。


「これは何ていう料理なの?」
「肉巻きおにぎりとイカリング」


 イカリングに使った油はランタンに使用する予定。


「もう食べられるの?」
「ああ、揚がったイカも食べられるぞ、火傷に気をつけろよ」
「いただこう」
「どうぞ、おあがりよ」


 ジェラルドはまず肉巻きおにぎりに齧り付いた。


「大葉の香りがふわっと広がった」 
「揚げたてのイカリングも美味しいわ」
「この肉巻きおにぎりは中身を赤い紫蘇のふりかけを混ぜたものにしても美味しいぞ」

「へー、ところで冷たいお酒ある? この揚げ物食べてたら欲しくなっちゃった」
「あるぞ」


 俺は魔法の鞄から冷えたビール出してやったら、二人共待ってました! の表情になって可愛い。
 分かりやすい!


「ショータ、このお酒はおいくらなの?」

 自分からねだったので払うつもりなのか? たまに健気な様子を見せるよな。


「無料でやるよ、仲間だし、この旅行は慰労会みたいなものだから」
「そう、じゃあありがたくいただくわ」
「ありがとう、ショータ」


 俺は缶ビールをかかげて言った。


「じゃあ海底都市に乾杯!」
「「カンパイ!!」」

「食事の後はどうするの?」
「海底都市から上がって上の島で遊びたい、ほら、ビーチも綺麗だったし」


 上の島に歓楽街があるから、そこで新たな飯の種を撮影せねば。
 いや、売り物資金の調達な。
 夜職のおねーさんにあの踊り子の衣装を着て貰って撮影をな。

 これはミレナには言えないけど。


「ふーん、分かった」
「俺もそれでいいぞ、もう海底都市は満喫した」


 ジェラルドはともかくミレナが分かってくれてよかった!

 * *

 またウミウシタクシーに乗って海龍の骨のトンネルを通過した。

 ちなみにミラは俺の肩に乗っていたが、犬のラッキーは走ってついてきた。
 いい散歩になるはず。

 ラッキーは日本スピッツくらいの中型犬で首と尻尾を特にもふもふにしてデザインした。
 胴体の毛の長さは普通。
 俺はもふもふが好きだけど夏だし。

 海龍のアギト手前でウミウシから降りてお別れ。

「お疲れ様! 乗せてくれてありがとうな!」

 俺はウミウシにお礼を言って、ミラを肩から降ろして抱きしめて歩く。

 そしてドキドキしつつも無事に海龍のアギトを通過した!
 ジェラルドが俺の肩をポンと叩いて上を指し示した。


「見ろショータ、晴れてて良かったな、海がすごく綺麗だぞ」
「ああ、ほんとだ、日が暮れるまで泳ぐ? 夕陽が絶対綺麗だから撮影したいんだよな」
「構わんぞ」
「み、水着で!?」


 ミレナが前回の川遊びの時に着た大胆ビキニを思い出したらしい。
 あそこは三人とミラしかいなかったが、ここのビーチは人目があるから気になるんだろうな。


「金色が辛いなら他の色のも使っていいぞ」
「く、黒を着るわ」


 俺はビーチである光景を目にして驚いた。


「あ! 待て! トップレスの女性達がいるぞ!」
「「ん?」」

「ほら腰巻きしかしてない女性達がビーチに!」

 ここはヌーディストビーチだったのか!?


「ショータ、あんまりジロジロ女の体を見るんじゃないわよ!」

 そう言うミレナが俺にガンを飛ばす。


「あ、多分水着がないからああなってるんだろうけど南の島の人は開放的だな!」

 俺は慌てておっぱ◯丸出しのトップレスの女性達から目をそらす。


「まあ、潜って貝を採る女性達もああいう姿になるからな」


 ジェラルドはクールにそう言った、何も動揺していない。
 つまり海女さんと海水浴の人はここじゃあのセクシースタイルだったのか。


 海底都市に入る前にあれを見なかったのは何故だ?
 タイミングか?

 まあ、いいか。


「あのへんに更衣室テントを張るからそこで水着に着替えよう」


 俺は魔法の鞄から縦長のテントを取り出した。
 ミレナが着替えてる間にレジャーシートを砂浜に敷いて日除けのパラソルも立てた。

 着替え終わったらしいミレナはラッシュガードも羽織っていたが、ここがヌーディストビーチなら別に水着姿くらい気にすることなくないか?
 まあいいか。
 きっと人前で肌を曝すのに慣れてないのだ。
 普段からショートパンツで足は見せていても。


「マスター、私は敷布の上で荷物番をしつつ海を眺めてますね」
「ありがとう」


 ドールの中の金具が塩水で錆びるといけないからな。
 パラソルの下にいてもらうミラにドールサイズのパーカーを着せて、魔法の鞄を盗まれないように見ててもらう。


「ミラ大丈夫か? 暑いか?」
「暑さは感じ無いので大丈夫です」
「そうか、じゃあ俺達も着替えてくるな」
「はい」

 先にジェラルドに着替えてもらって次に俺が着替えた。

「海だー!」


 俺は子供のように海に向かって走った。
 ラッキーも俺についてきた!

 頭には日本で仕入れできたアクションカメラをつけてる!


 海底都市からサンザン見てたけど下と上から見るのではだいぶん趣きが違う!

 頭のカメラは、水中撮影もいけるから潜って海を中の様子も撮影できる!

 ザブン!
 海に入った! 冷たくて気持ちいい!
 ラッキーも犬かきで楽しそうに泳いでる。

 ジェラルドも海に入って来たが、浜辺を振り返るとミレナはまだ砂浜でラッシュガードを脱いで泳ぐか悩んでるっぽい。

 あ。ミレナも上着を脱いだ。
 黒いビキニ姿が眩しいぜ!

 ……トップレスの島の人よりエロいかもしれん。
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