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五章 「失われた色彩」
その十二
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「――――雨が……」
唐突に雨が止んだ。気がつけば、絶え間なく飛び交っていたはずのレーザービームも今は止んでいる。訪れた静寂に、寒気がした。
「うっ……」
「樹理さん! ……よかった、よかったです」
泣きじゃくる万美さんに抱きしめられる樹理さんの瞳が、不意にすぼまった。
「……空が、燃えてる?」
「え?」
糸で引かれるように上を向いた僕らの目に飛び込んできたものは、空を埋め尽くす火球だった。
「UFO、なのか? あれが、全部!?」
「雨、止んでないヨ?」
トモカさんの言う通りだった。豆粒大に見える僕らの街は、海底のごとき深い暗色に沈んでいる。薄暗闇の中で、外灯だけがぼんやりと光っていた。
「じゃあ、これは、一体……?」
見上げれば、夕焼けに染まる赤い空。敷き詰められた厚い雲に、ぽっかりと丸い穴が開いていた。僕らの頭上だけが、雲をしりぞけて晴れ渡っているのだ。そして、制御を失ったらしい無数のUFO(ドローン)が、火の玉となって降ってくる。
「なんであれ、逃げますわよっ!!」
魚々乃女さんが立ち上がった矢先、聞き覚えのある発射音が響き渡り、巨大な光の柱がUFO群を吹き飛ばした。
「逃げて」
「莉(り)尾(お)さん!? どうしてここに?」
「テレパシー」
ビビビと口ずさみながら現れた莉尾さんは、樹理さんの方を指さす。
「……は? あたしが?」
当の本人は、まったく自覚がないようだった。
「とにかく、逃げて。お父さんが言ってた。――――〝嵐が来る〟って」
唐突に雨が止んだ。気がつけば、絶え間なく飛び交っていたはずのレーザービームも今は止んでいる。訪れた静寂に、寒気がした。
「うっ……」
「樹理さん! ……よかった、よかったです」
泣きじゃくる万美さんに抱きしめられる樹理さんの瞳が、不意にすぼまった。
「……空が、燃えてる?」
「え?」
糸で引かれるように上を向いた僕らの目に飛び込んできたものは、空を埋め尽くす火球だった。
「UFO、なのか? あれが、全部!?」
「雨、止んでないヨ?」
トモカさんの言う通りだった。豆粒大に見える僕らの街は、海底のごとき深い暗色に沈んでいる。薄暗闇の中で、外灯だけがぼんやりと光っていた。
「じゃあ、これは、一体……?」
見上げれば、夕焼けに染まる赤い空。敷き詰められた厚い雲に、ぽっかりと丸い穴が開いていた。僕らの頭上だけが、雲をしりぞけて晴れ渡っているのだ。そして、制御を失ったらしい無数のUFO(ドローン)が、火の玉となって降ってくる。
「なんであれ、逃げますわよっ!!」
魚々乃女さんが立ち上がった矢先、聞き覚えのある発射音が響き渡り、巨大な光の柱がUFO群を吹き飛ばした。
「逃げて」
「莉(り)尾(お)さん!? どうしてここに?」
「テレパシー」
ビビビと口ずさみながら現れた莉尾さんは、樹理さんの方を指さす。
「……は? あたしが?」
当の本人は、まったく自覚がないようだった。
「とにかく、逃げて。お父さんが言ってた。――――〝嵐が来る〟って」
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